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<title>酒と蘊蓄の日々</title>
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<description>The Days of Wine and Knowledges</description>
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<title>これでは殆ど「コンピュータ占い」？</title>
<description> 寒い日が続いていますね。私は東京在住で寒いのは苦手ですから、この1週間は通勤時にコートが欠かせない感じです。19日には真冬並みの寒さとなり、東京都心の最高気温は平年を6.7℃も下回る9.4℃で、しかもこの最高気温を記録したのは午前0時台でした。通常最高気温を記録する午後2時頃は7.3℃しかなく、11月に最高気温が10℃を下回るのは1992年11月28日以来17年ぶりのことだそうです。一昨日(22日)も最高気温こそ10℃を少し上回りまし
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<![CDATA[ 寒い日が続いていますね。私は東京在住で寒いのは苦手ですから、この1週間は通勤時にコートが欠かせない感じです。19日には真冬並みの寒さとなり、東京都心の最高気温は平年を6.7℃も下回る9.4℃で、しかもこの最高気温を記録したのは午前0時台でした。通常最高気温を記録する午後2時頃は7.3℃しかなく、11月に最高気温が10℃を下回るのは1992年11月28日以来17年ぶりのことだそうです。<br /><br />一昨日(22日)も最高気温こそ10℃を少し上回りましたが、平均気温は8.4℃しかなく、19日の8.2℃と大差ありませんでした。東京では17日以降平均気温がほぼ12℃以下で、例年より低い状態が続いています。最低気温も2日に5.5℃を記録しており、下図のように全般的に平年を下回りました。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/i/s/h/ishizumi01/20091124234133713.jpg" alt="11月の気温" border="0" width="380" height="300" /><br /><strong>11月の気温</strong><br /><span style="font-size:x-small;">実線が今年の気温で、点線は平年の気温を表わしています。<br />初旬を除いて最低気温は平年並みといった感じですが、<br />17日以降は最高気温が平年を下回ることが多く、<br />平均気温も低めになっているようです。</span><br /><br />これが逆に平年より高い気温を記録していたら、大衆メディアは「地球温暖化の影響だ」といった捉え方をし、来月開催されるCOP15にハナシを繋げて「待ったなしの状況」みたいな感じで大騒ぎしたに違いありません。平年より気温が高ければ温暖化問題を持ち出して異常だ何だと煽り、低ければ「お風邪を召さないように」くらいのコメントで済ますというのも立派な偏向報道と見るべきでしょう。<br /><br />さて、ここからが本題ですが、こうした結果からして気象庁の季節予報は完全にハズレと見て間違いないでしょう。彼らは10月30日発表の季節予報で平均気温を以下のように予測していました。<br /><br />10月31日～11月06日・・・低30％：並50％：高20％<br />11月07日～11月13日・・・低10％：並20％：高70％<br />11月14日～11月27日・・・低20％：並30％：高50％<br /><br />10月31日～11月30日・・・低10％：並30％：高60％<br /><br />これは平年より低い確率が何％、平年並みである確率が何％、平年より高い確率が何％といった見方をします。2週目(11月7日～11月13日)は的中したと見て良いでしょうけど、それ以外は大ハズレといったところでしょうか。月末まで1週間程ありますが、平年より高いというにはよほど暖かい日が続かなければ無理でしょうから、1ヶ月(10月31日～11月30日)の予測も当たらない可能性が極めて高いと見るべきでしょう。<br /><br />ま、気象庁の季節予報が当たらないなどいつものことですから、取り立てて騒ぐことではないのでしょう。が、こうした長期予報と地球温暖化の予想とは殆ど同じツールを使っているということを踏まえておいたほうが良いかと思い、あえて話題にしました。<br /><br />気象庁の季節予報のFAQにはこんな例があります。<br /><br /><blockquote><p><strong>確率を使わない予報はできませんか。</strong> <br /><br />季節予報では確率を用いた予報表現が基本です。今後、数値予報モデルや予報技術の改善により、予報精度の向上が見込まれますが、その場合でも確率を用いた予報表現が不可欠です。<br />気象現象や天候の予測には、多かれ少なかれ誤差が伴います。この誤差は予報期間が長くなるにつれて増大します。明日や明後日の天気予報では誤差はそれほど大きくはなく、「明日は雨となるでしょう」などという断定的な予報表現を用いてもそれほど問題にはなりません。しかし、予報期間が１か月を超える季節予報では誤差は無視できないほどの大きさになるため、この誤差の大きさを表現するために確率を用いることが必要となります。</p></blockquote><br />こうしたコンピュータシミュレーションによる予測は、最初のステップの計算結果が次のステップに用いられるのが普通です。最初のステップでは無視できるようなごく僅かな誤差でも、ステップを重ねる毎にその誤差が雪だるま式に膨らんでいきます。ですから、1ヶ月程度の近い未来であっても平年より気温が高いか低いか平年並みなのかを確率で表現するしかないというのが気象庁の言い分です。<br /><br />ところが、殆ど同じツールを使っていても地球温暖化の研究をしている連中は全く違うことを言うんですね。当blogではお馴染みの国立環境研の江守氏はこう述べています。<br /><br /><blockquote><p>Q.コンピュータを使った天気予報で1週間先の天気もあたらないのに、コンピュータを使ったって50年後、100年後のことがわかるはずがないのではありませんか。<br /><br />A.コンピュータによる日々の天気予報と地球温暖化の予測計算は、計算自体にはよく似た方法を用いますが、結果の見方が全く異なります。そのため、１週間先の天気予報があたるかどうかと、50年後、100年後の温暖化のことがわかるかどうかは全く別の問題です。<br /><br />簡単に言えば、天気予報の場合には特定の日の「気象」状態（何月何日にどこに雨が降って気温は何度か）が問題であるのに対して、温暖化予測の場合にはそれは問題ではなく、将来の平均的な「気候」状態（ある地域の気温・降水量の平均値や変動の標準偏差などの統計量）のみが問題になります。そして、コンピュータを使って100年後の特定の日の天気をあてることは不可能ですが、100年後の気候を議論することは可能なのです。<br /><br />(後略)</p></blockquote><br />季節予報の場合、特定の日の「気象」状態を予測するわけではなく、平均的な「気候」状態のみが問題になっています。つまり、地球温暖化の予測計算と同じ結果の見方をしているわけですね。わずか1ヶ月という直近で、しかも具体的な数値ではなく、平年と比べてどうかという確率で予測しているわけです。が、それでも当たらないことが常態化しています。1ヶ月先すら満足に予測できないツールと殆ど同じものを使って100年後の予測ができると言われても、まるで説得力がありません。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-18-origin.fc2.com/i/s/h/ishizumi01/200908242138403bd.gif" alt="IPCCの予測と実測との差" border="0" width="420" height="260" /><br /><br />何度も使い回しで恐縮ですが、IPCCが採用した予測と実際の気温を見比べても大ハズレです。彼らはこの気温の下降傾向を自然の変動によるものと説明していますが、それを踏まえてシミュレーションで正確な再現ができなければ、これまでの気温上昇もCO2の温室効果によるものなのか自然の変動によるものなのか判断できません。<br /><br />江守氏はカオスである日々の「気象」は揺らぐが、平均的な「気候」は「地球のエネルギーのバランスなどの外部条件の影響により大部分が決まる」との旨を述べています。が、エネルギーのバランスでなどで計算された予測と実測は全く符合していないという事実を鑑みれば、10年単位の平均的な「気候」も予測できない揺らぎに弄されているといったところでしょうか。<br /><br />これだけ当たる確率が低いのであれば、いくらコンピュータを用いたシミュレーションであっても占いと大差ありません。　コンピュータの性能が良くなっても、その上に走らせるプログラムが間違っていれば意味がありませんし、そのプログラムをつくる前提となる根本的な概念に誤りがあったとしたら、その計算結果には一文の価値もありません。<br /><br />低レベルな大衆メディアは高価なスーパーコンピュータによってはじき出された結果というだけで有り難がり、信託のように受け入れてしまうようです。世間一般の関心も極めて低く、こうした実情を知る人はあまり多くないようです。これでは宗教的になってしまうのも無理からぬことですね。 ]]>
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<dc:subject>エコロジスト？</dc:subject>
<dc:date>2009-11-24T23:58:43+09:00</dc:date>
<dc:creator>石墨</dc:creator>
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<title>東京モーターショーは何処へ行くのか？ (その11)</title>
<description> テレビCMは多くの人の目に触れる分だけ大きな影響力を持っているといえます。が、通常は15秒ないし30秒しかありませんから、伝えることを1つかせいぜい2つくらいに絞り込まなければ、煩雑になって逆に伝わりにくくなってしまうといいます。それゆえ込み入った内容を反映させることが難しく、勢いイメージ重視になってしまいがちです。例えば、ホンダ･フィットが発売された当初に流されたテレビCMでは、スペースユーティリティの高
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<![CDATA[ テレビCMは多くの人の目に触れる分だけ大きな影響力を持っているといえます。が、通常は15秒ないし30秒しかありませんから、伝えることを1つかせいぜい2つくらいに絞り込まなければ、煩雑になって逆に伝わりにくくなってしまうといいます。それゆえ込み入った内容を反映させることが難しく、勢いイメージ重視になってしまいがちです。<br /><br />例えば、ホンダ･フィットが発売された当初に流されたテレビCMでは、スペースユーティリティの高さを「センタータンクレイアウト」という一点で猛アピールしました。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/i/s/h/ishizumi01/200911222111106e2.jpg" alt="センタータンクレイアウト" border="0" width="360" height="240" /><br /><br />あのクラスのコンパクトカーでは通常後部座席下に配置されている燃料タンクを前席下に移動させただけですから、そこから生み出されるメリットは後部座席のアレンジにかかるものだけです。燃料タンクがなくなったスペースに座面を落とし込みながら座席を畳めば、フルフラットの荷室が作れますが、こうしてより大きなスペースが得られるといっても、低く抑えられた床面からの高さが増すだけです。<br /><br />座面を跳ね上げて背の高い荷物を詰めるというアピールも成されましたが、いずれにしてもセンタータンクレイアウトによってもたらされるメリットは後部座席をアレンジしたときに高さが得られるということだけです。タンクの位置が変わっただけで絶対的な空間容積が増すわけがないということは、あまり深く考えなくても誰にでも解ることです。<br /><br />が、自動車情報誌の記者や自動車評論家までもがこのテレビCMで擦り込まれたイメージから誤解した記事を書いていました。フィットがクラス最大の室内空間を得た理由までセンタータンクレイアウトで説明するような記事が蔓延してしまったんですね。<br /><br />フィットがクラス最大の室内空間を得た重要なポイントになっているのは、エンジンベイをコンパクトに作り込んだというところにあります。インテークマニホールドをシリンダヘッド上まで持ち上げ、従来はシリンダ後方に突き出していた吸気系をエンジンの上に重ねて配置するという、現在このクラスのコンパクトカーでは常套手段となっているレイアウトをいち早く採用しました。<br /><br />お陰でエンジンを配置するために必要な前後長を圧縮でき、バルクヘッドを前進させることができたわけですね。それに合わせて前席を前に詰め、後席もそれに従って配置すれば荷室の前後長を稼げます。シートピッチをさほど広げなくともルーフを高くして座面も高めにし、アップライトな着座姿勢とすれば足の置き場の広々感を演出できます。フィットはエンジンも座席も上下方向のスペースを上手に使って前後方向に余裕を持たせたというわけです。<br /><br />これは3列シートのミニバンなどでよくあるパッケージングの手法ですが、コンパクトカーにそれを応用し、尚かつあまりミニバンぽくないような外観に仕上げたところが画期的だったということですね。ま、二代目は開き直ってワンモーションフォルムを発展させ、横から見るとミニバンを短くしたような外観になってしまいましたけど。<br /><br />ホンダはSUVブームのとき完全に乗り遅れて苦し紛れにランドローバー･ディスカバリーをOEM供給してもらうということまでやりました。が、ミニバンブームではオデッセイやステップワゴンなどの成功を重ねて一気に主役へ踊り出、そのノウハウをコンパクトカーにも生かしてフットをつくり上げ、車種別販売台数で34年もの長きに渡って首位に君臨していたカローラをその座から引きずり下ろすという快挙まで成し遂げたわけですね。<br /><br />フィットのテレビCMを製作した人たちは、インテークマニホールドの処理方法などを始めとしてエンジンベイを小さく作り込み、そこから室内空間の根本的な拡大をはかり、ミニバンで培った空間利用術を駆使したといった冗長な説明はスッパリ切り捨てました。そして類例がなく非常に解りやすいセンタータンクレイアウトの一点に集中させ、印象に残るアピールを展開したというわけです。これはこれでプロの仕事といえるでしょう。<br /><br />しかし、こうした簡潔なアピールは細かい部分を表現できません。イメージを擦り込む力が非常に強くなるのは良いのですが、イメージというのは人によってブレやすく、また拡大解釈されがちです。「センタータンクレイアウトのお陰で広々とした室内空間が得られた」といった誤った認識で書かれた記事が蔓延してしまったのも、擦り込まれたイメージによる拡大解釈によるものと見るべきでしょう。こうしたところがテレビCMの恐ろしいところといえます。<br /><br />ついでに言えば、小泉元首相が電通の成田会長から提言されたと言われる「ワンフレーズ･ポリティクス」も全く同じ手法で国民を誘導したと考えられます。「構造改革なくして景気回復なし」といった簡潔で解りやすいアピール方法は上手く使えば人を引きつけるのに絶大な効果を発揮しますが、使い方を誤ると人を惑わすことにもなる「諸刃の剣」といったところでしょうか。<br /><br />モーターショーはテレビCMなどと違って、ある程度時間をかけながらジックリと語りかけることができます。しかも、映像と音声しか伝えられないテレビCMと違って、実際に触れて感触を確かめてもらったり、匂いを感じてもらったり、五感を全て活用して体験してもらうことも可能です(ま、この分野の場合、味覚は関係ないでしょうけど)。<br /><br />ユーザーを再教育するというと何だか偉そうに聞こえてしまいますが、技術的な部分にも興味を持ってもらい、その理解を深めてもらうという努力はもっと積極的にしていくべきです。モーターショーはそうした取り組みを行う上で理想的な環境が得やすい場といえます。もちろん、こうした場でのアピールはメディアの再教育にも繋げられる可能性があります。<br /><br />やり方は今回の横浜ゴムのようなもの以外にも色々あるでしょう。各社がそうした部分に力を入れるようになり、新技術の発表の場としてその注目度を上げていくことができるなら、それは一つの武器になり得ます。「東京は技術にうるさい」ということが定評となり、そこで注目を集めたものは優れた技術として箔が付くといった状況になればしめたものです。もし、こうした状況になれば「新技術を発表するなら東京モーターショーで」といった流れを作ることができるかも知れません。<br /><br />いまのままではマーケット規模の大幅な拡大が期待できる上海に欧米メーカーがなだれ込み、東京モーターショーは敬遠される状況が続いてしまうかも知れません。欧米メーカーを東京に引き戻すには、東京ならではというアピールポイントを示す必要に迫られるかも知れません。<br /><br />私が望む理想の姿はやはり「新技術を発表するなら東京モーターショーで」といった流れを作ることです。お祭り的な雰囲気もあったほうが良いとは思いますが、そればかりで推しても上海に奪われてしまった株を取り戻すのは困難でしょう。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/i/s/h/ishizumi01/200911222111209c4.jpg" alt="LEGACY B4 GT300(がこの人垣の向こうにあります)" border="0" width="360" height="240" /><br /><strong>LEGACY B4 GT300(がこの人垣の向こうにあります)</strong><br /><span style="font-size:x-small;">今年、スーパーGTのGT300クラスにレガシーB4をデビューさせましたが、<br />それは今年5月にフルモデルチェンジしたレガシーのプロモーション<br />という側面があるのでしょう。<br />車両単体で展示されているときはあまり人が集まっていませんでしたが、<br />レースクィーンのようなコスチュームを着せたモデルを1人立たせただけで<br />ご覧のようにモデル撮影会状態に突入してしまいました。</span><br /><br />現在の東京モーターショーではピレリや富士重工がやっていたように美しいモデルを立たせると、たちまち黒山の人だかりになってしまいます。低コストで注目を集められるという点では効率の良い方法かも知れませんが、こうして集まった視線は本来の主役であるクルマやその関連製品･関連技術などにではなく、モデルに向けられたものだというところが問題です。モデル撮影会のようなことを繰り返しても東京モーターショーの未来に何の光明も見出せないのは間違いありません。<br /><br />それどころか、会場のアチコチでモデル撮影会が始まってしまうと、真面目にクルマそのものや技術、文化といった部分に向き合いたい私などは辟易してしまい、嫌気がさしてきます。今回は横浜ゴムのような素晴らしい取り組みもありましたし、ダイハツのような注目すべき技術もありましたから、個人的には久しぶりに満足して帰れましたが、こうした収穫もなく、カメラ小僧たち醜態ばかりが目に付くようであれば、しばらく距離を置きたいと感じるようになってしまうでしょう。<br /><br />東京モーターショーが何処へ向かうのかはやはり主役である出展者の取り組み方が鍵を握っていると考えるべきでしょう。わざわざここへ足を運ぶ人は、女性目当てのカメラ小僧を除いて基本的にクルマを愛する人たちです。カメラ小僧のニーズに応えるのか、クルマと真面目に向き合いたい人たちが望む環境をつくっていくのか、どちらが東京モーターショーの将来にとって良い流れをつくるのかは考えるまでもないでしょう。<br /><br />私たちのような真面目に向き合いたい人間も徐々に興味を失っていくようでは日本の自動車文化の先行きには大きな暗雲が垂れ込めることになります。今回のような状況から立ち直ることができなければ、若者のクルマ離れに歯止めをかけることも難しくなっていく一方でしょう。<br /><br />ま、でも、クルマ離れが進んだほうがどんなエコカーを作るよりも地球環境にとって良いことに違いないのですけど。<br /><br />(おしまい) ]]>
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<dc:subject>自称モーターアナリスト</dc:subject>
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<dc:creator>石墨</dc:creator>
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<title>東京モーターショーは何処へ行くのか？ (その10)</title>
<description> 技術屋というのは案外虚しい思いをするものです。技術的には低レベルで取るに足らないものでも、妙に大衆ウケしてしまうことがあるかと思えば、アイデアにしてもそれを実現させるための努力にしても、非常に高いレベルの仕事をしているのに、その内容が込み入っていたり、応用製品として解りやすいカタチになっていなかったりすると世間一般にはあまり理解されず、大して評価もされないということがあります。今回の東京モーターシ
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<![CDATA[ 技術屋というのは案外虚しい思いをするものです。技術的には低レベルで取るに足らないものでも、妙に大衆ウケしてしまうことがあるかと思えば、アイデアにしてもそれを実現させるための努力にしても、非常に高いレベルの仕事をしているのに、その内容が込み入っていたり、応用製品として解りやすいカタチになっていなかったりすると世間一般にはあまり理解されず、大して評価もされないということがあります。<br /><br />今回の東京モーターショーに出品されたものの中でダイハツの新型燃料電池「PMfLFC」は個人的に一番の収穫でした。これはもっともっと大きな注目を浴び、高く評価されてしかるべき技術だと思います。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/i/s/h/ishizumi01/200911192317416c1.jpg" alt="ダイハツの新型燃料電池PMｆLFC" border="0" width="360" height="240" /><br /><strong>ダイハツの新型燃料電池PMfLFC</strong><br /><span style="font-size:x-small;">実用化に向けての課題など細かい部分はまだよく解りませんが、<br />概要を見た範囲においては従来の水素燃料電池でネックとなっている<br />コストやインフラなどの問題を一気に切り崩せるポテンシャルがありそうで<br />非常に大きな可能性を感じました。</span><br /><br />従来の水素と酸素を反応させる燃料電池は水素から電子を奪うため強酸性の環境になります。従って、電極に耐腐食性の高いプラチナなど非常に高価なレアメタルを必要とし、それがコスト高に直結しています。が、ダイハツのPMfLFCは燃料となるのが水素ではなく、抱水ヒドラジン(H2NNH2･H2O)という物質で、これを酸化して電気を取り出します。その反応はアルカリ性環境になり、電極に用いる素材はニッケルなど比較的安価な金属で済みます。<br /><br />また、従来の水素燃料電池は車載可能な改質器の開発も遅れているため、当初アナウンスされていたようなガソリンやメタノールを改質して水素を得る方式はまだ試作レベルで、リース販売されているものはいずれも水素を気体のままタンクに蓄えておく方式となっています。航続距離を稼ぐため、このタンクはアルミライナーに炭素繊維を巻くことで200～300気圧の超高圧に耐えるよう作られています。こうした贅沢な構造ゆえ、やはり大変なコストがかかります。<br /><br />一方、ダイハツのPMfLFCが燃料としている抱水ヒドラジンは液体であるため、扱いがガソリン並みに容易です。この部分でも大幅なコストダウンが期待できますし、インフラ整備の面でも圧倒的に有利といえるでしょう。従来の水素燃料電池は旧態依然といいますか、袋小路に迷い込んでいるような印象が拭えませんが、ダイハツのPMfLFCは基本的な部分で好条件が揃っています。<br /><br />もちろん、実用化までの課題など生々しいハナシには触れられていませんでしたから、手放しでこの技術に期待するのは拙速かも知れません。が、概要を見渡しても従来の水素燃料電池やリチウムイオン電池などのように根源的なネックは見当たらない感じですから、これらよりは期待できるかも知れません。<br /><br />大衆メディアがこうした画期的な技術を大きく取り上げないのはいつものことだと諦めるしかないのでしょう。が、これを出品したダイハツのプロモーションの仕方も確かに上手ではなかったと思います。このシステムが展示されていた場所は決して悪くなかったと思いますが、普通の人はこうした模式図を立体的にしたような展示にボタンを押せば説明が流れるといったパターンではなかなか食い付いてくれないでしょう。<br /><br />例のプリウスのハイブリッドシステムを展示していたのはトヨタのブースの一番奥まったところであまり良い場所とは言い難いと思いますが、その知名度ゆえか沢山の人に注目されていました。しかし、PMfLFCはもっと良い場所に展示されていたにも関わらず、驚くほど閑散としており、全くといって良いほど注目されていませんでした。この展示が何を意味しているのか、その場で価値に気付くことができた人は殆どいなかったというわけですね。お陰で私はゆっくりと写真を撮ることができましたが。<br /><br />大きな可能性を秘めた技術であっても、このようにあまり注目されないことがあります。逆に、こうした技術を理解できるユーザー層が拡大し、メディアもこれを正当に評価できる能力があれば、様々な面で好循環に繋がるでしょう。ユーザーやメディアの認識力を高めることは、巡り巡ってメーカーの技術水準を高めることになるハズです。そうしてより一層のレベルアップを図れば、より高い競争力を身につけていくことになります。<br /><br />特に近年は新興工業国でもそれなりの技術力を持つようになりました。そこそこの技術で作れる製品の場合、価格面で競争しても太刀打ちできないというケースが増えてきました。子供騙しの技術に詭弁を弄してマーケットを丸め込むようなことを続けていたら、いずれ新しい波に呑み込まれてしまうことになるでしょう。<br /><br />(<a href="http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-508.html" title="つづく">つづく</a>) ]]>
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<dc:subject>自称モーターアナリスト</dc:subject>
<dc:date>2009-11-19T23:36:20+09:00</dc:date>
<dc:creator>石墨</dc:creator>
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<item rdf:about="http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-506.html">
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<title>東京モーターショーは何処へ行くのか？ (その9)</title>
<description> 技術展示はコンセプトカーに比べると地味な分だけ大衆ウケは今一つです。昔に比べれば次第に数を減らし、その見せ方も昔ほど丁寧ではなくなっているというのが四半世紀以上東京モーターショーを見てきた私の感想です。こうした状況にあって一筋の光明といいますか、高く評価したいと思ったのが横浜ゴムです。個人的に今回の東京モーターショーの「ベスト出展者」を選ぶとしたら、横浜ゴム以外に考えられません。今回の横浜ゴムは製
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<![CDATA[ 技術展示はコンセプトカーに比べると地味な分だけ大衆ウケは今一つです。昔に比べれば次第に数を減らし、その見せ方も昔ほど丁寧ではなくなっているというのが四半世紀以上東京モーターショーを見てきた私の感想です。<br /><br />こうした状況にあって一筋の光明といいますか、高く評価したいと思ったのが横浜ゴムです。個人的に今回の東京モーターショーの「ベスト出展者」を選ぶとしたら、横浜ゴム以外に考えられません。今回の横浜ゴムは製品展示を二の次とし、「ECOタイヤ研究所」と称するブースに仕立てました。主に転がり抵抗と空気圧について基礎となる知識を丁寧に解説するというもので、実験装置を置き、実演ショーを展開して子供にもそれを理解してもらおうというコンセプトです。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/i/s/h/ishizumi01/2009111723441679f.jpg" alt="横浜ゴムのブース「ECOタイヤ研究所」の様子" border="0" width="360" height="240" /><br /><strong>横浜ゴムのブース「ECOタイヤ研究所」の様子</strong><br /><span style="font-size:x-small;">横浜ゴムのブースで行われていた実演の内容は非常に真面目で<br />説明もシッカリと基本を抑えたかなり理論的なものでした。<br />しかしながら、小学生レベルを想定した非常に解りやすいものゆえ<br />ご覧のように子供連れだけでなく、足を止めて説明に聞き入っている<br />大人だけのグループも少なくありませんでした。<br />説明を聞いている子供の表情を見ても、その親の表情を見ても、<br />その内容が非常に優れていたことが伺えます。</span><br /><br />実演ショーのMCを務めていたスタッフも白衣を着て理科の先生のような感じで、転がり抵抗について説明したり、空気圧がそれに与える影響を説明したり、様々な工夫を凝らしたパフォーマンスや展示などで理解を深めてもらおうとしていました。内容は非常に知的で真面目ですが、決して堅くなることもなく、小学校の理科の実験のような取っ付きやすい雰囲気を保っていました。実際に興味を示すだけでなく、遊び感覚でそれを楽しんでいる子供も沢山いたようです。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/i/s/h/ishizumi01/20091117234440559.jpg" alt="転がり抵抗を理解させる実験道具" border="0" width="360" height="240" /><br /><strong>転がり抵抗を理解させる実験道具</strong><br /><span style="font-size:x-small;">転がり抵抗については摩擦係数の異なるタイヤを付けた<br />2台の模型を実際にスロープから転がして到達距離の違いを見せる<br />という実験で説明していました。<br />この写真の奥の方に製品であるタイヤも展示されているのが伺えますが、<br />完全に脇役となっており、技術解説がメインになっている状態でした。</span><br /><br />普段からクルマを利用していてもタイヤの空気圧などあまり頓着しないという人は少なくないでしょう。タイヤというのは縁の下の力持ち的な存在で、特に子供から注目を集めるのはなかなか難しいものです。が、今年の横浜ゴムの取り組みは狙い所もその内容も非常に良いところを突いていたと思いますし、写真でもお解りのようにかなり盛況でした。<br /><br />商売上でいえば、彼らが今回の東京モーターショーで最もアピールしたかったのは「<a href="http://www.yrc-pressroom.jp/html/2009102017tr001.html" target="_blank" title="AIRTEX advanced liner">AIRTEX advanced liner</a>」と称する新素材のインナーライナーでしょう。従来のゴムだけのライナーと異なり、特殊樹脂を融合させることによってエア漏れを軽減し、空気圧を調整してから時間が経過しても転がり抵抗が増加していくのを抑えて燃費向上に繋げるというものです。<br /><br />ま、多くのユーザーが小まめに空気圧をチェックしていればそれほど意味のある性能ともいえません。が、実際には空気圧が低い状態で走っている人も少なくないようですから、そういうユーザーにはある程度の効果が見込めるのでしょう。また、従来のインナーライナーに比べて厚さも1/5で済むことから軽量化にも繋がるといいます。<br /><br />普通ならこうした素材をPRするとしても、せいぜい素材の特性を示すデモやタイヤのカットモデルなどを展示すると共に説明VTRを流すくらいでしょう。転がり抵抗や空気圧といったところから実演を交えて丁寧に解説するところまで徹底するケースは希だと思いますし、子供でも理解できるような解りやすさを求めるといったことも普通ではあまりないことです。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/i/s/h/ishizumi01/20091117234452a28.jpg" alt="新素材インナーライナーAIRTEXのデモ" border="0" width="360" height="240" /><br /><strong>新素材インナーライナーAIRTEXのデモ</strong><br /><span style="font-size:x-small;">従来であればこうした空気漏れの違いを示す比較モデルによるデモや<br />カットモデルなどを置いて解説VTRを流すくらいだったでしょう。<br />しかし、今年の横浜ゴムのブースはこれすらも脇役といった感じで、<br />タイヤの転がり抵抗と空気圧の関係を丁寧に説明するという部分に<br />重きが置かれていました。</span><br /><br />もちろん、過去にも似たような子供向けのパフォーマンスが展開された例はあります。が、今回の横浜ゴムのように製品展示も脇に押しやってブース全体でこれに取り組むといったパターンは記憶にありません。大人でもこうした基本的な知識が整理されていない人は少なくないでしょうから、今回の取り組みはユーザーの知識の底上げにも繋がるもので、大いに評価すべきでしょう。<br /><br />一方、横浜ゴムとは極めて対照的だったのが同じタイヤメーカーであるピレリのブースで、キレイどころを集めて並ばせ、完全にモデル撮影会と化していました。モーターショーというイベントはクルマやそれに関連する製品や技術などをアピールする展示会であって、女性の写真を撮るためのイベントでないのは言うまでもありません。そういう写真が撮りたいのであれば、その種のイベントを別に催して、そっちで存分にやってもらいたいものです。(あくまでも個人的な希望です。)<br /><br /><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/i/s/h/ishizumi01/2009111723450248c.jpg" alt="モデル撮影会と化していたピレリのブース" border="0" width="360" height="240" /><br /><strong>モデル撮影会と化していたピレリのブース</strong><br /><span style="font-size:x-small;">人の子の親なら横浜ゴムのブースは積極的に見せたいと思うでしょうが、<br />こういう状況を我が子に見せたいと思う親はまずいないでしょう。<br />世の中にはモデルの撮影を目的とした撮影会もあるのですから、<br />女性の写真を撮りたいのならそういう催しでやって欲しいものです。<br />特に、縦位置で不自然な影が出ないようにストロボをブラケットに付け、<br />「視線下さ～い」とか言っているそこのアナタ、場違いですよ。</span><br /><br />確かに、こうしたモデルを使うのも広告手段の一つに違いありませんから、私の個人的な趣味で全否定するのは主観の押しつけになってしまうでしょう。ですから、出展者と来場者の利害が一致してこうしたモデル撮影会状態になってしまうのは諦めるしかないのかも知れません。<br /><br />が、女性スタッフと見れば誰彼構わずカメラを向けるのは非常に見苦しいのでやめてもらいたいものです。インフォメーションカウンターに座っていたり、パンフレットを配っていたりする普通の女性スタッフに対しても写真を撮りたがるカメラ小僧を見ると後ろから蹴り倒したくなります。<br /><br />モデル事務所やイベントコンパニオンを派遣しているような会社から派遣されていて、写真を撮られるのも業務の一つと始めから割り切っている人にカメラを向けるのはまだ良いでしょう。大手メーカーではそういう人をインフォメーションカウンターに座らせているケースも多いようですから、そこで撮影が始まってしまうのもある程度は仕方ないと思います。<br /><br />しかし、どう見ても出展している会社の女子社員にしか見えない人までカメラを向けられてしまうことがあります。特に部品メーカーなどのブースでよく見られるパターンですが、ただ接客業務に当たっているだけのスタッフに対してもモデルを撮るのと同じ感覚でカメラを向けるカメラ小僧が結構いるんですね。これはいくら何でもマナー違反でしょう。<br /><br />相手が客であるという認識から立場上ストレートに拒絶しづらいゆえ、やんわりと断っているのにしつこく拝み倒して写真を撮っていくというのは一種のハラスメントと見るべきです。そういう無節操で迷惑なカメラ小僧をつまみ出すような警備員を配置すべきだと思うのは私だけでしょうか？<br /><br />ハナシを戻しましょうか。今年の東京モーターショーは全般的に例年のような派手さが抑えられていました。しかし、イメージ先行で上辺だけのエコを標榜し、その詳しい内容については等閑となっている状態は相変わらずといった印象です。そんな中で横浜ゴムはブース全体を使ってその基本となる部分を丁寧に解説していたという点で、非常に素晴らしいコンセプトだったと思います。<br /><br />もちろん、全ての出展者が今回の横浜ゴムのようになって欲しいとは思いません。が、これまで大手の自動車メーカーは軽薄なコンセプトカーに無駄なカネを使い過ぎ、新しい技術の解りやすい説明という部分に充分な手間とコストを割いてきたようには見えません。本気でユーザーのことを思うのなら、その知識の底上げに繋がるような手助けにもっと積極的な姿勢で取り組むべきです。<br /><br />確かに、ユーザーの目が肥えてしまうと販売戦略上不都合なことも色々起こってくるかも知れません。が、厳しい目で見られながら商売をしていけば、メーカーの技術水準も否応なく上がっていくものです。こうして鍛えられていけば必然的にメーカーの競争力も増していくでしょうし、それはいずれ良い流れとして巡るようになるものです。<br /><br />(<a href="http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-507.html" title="つづく">つづく</a>) ]]>
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<dc:subject>自称モーターアナリスト</dc:subject>
<dc:date>2009-11-17T23:58:23+09:00</dc:date>
<dc:creator>石墨</dc:creator>
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<title>東京モーターショーは何処へ行くのか？ (その8)</title>
<description> 従来の東京モーターショーでは大したことのないライフスタイルやユーティリティを提案するような軽薄なコンセプトカーが幾つも展示されていましたが、今年は大幅に減りました。市販を想定したデザインスタディというべき参考出品車も減ったように思います。そんな中で特に注目度が高かったのはトヨタのFT-86だったと思いますが、逆にこの程度のクルマが注目されていたくらいですから、全般的に参考出品がかなり小粒だったというこ
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<![CDATA[ 従来の東京モーターショーでは大したことのないライフスタイルやユーティリティを提案するような軽薄なコンセプトカーが幾つも展示されていましたが、今年は大幅に減りました。市販を想定したデザインスタディというべき参考出品車も減ったように思います。そんな中で特に注目度が高かったのはトヨタのFT-86だったと思いますが、逆にこの程度のクルマが注目されていたくらいですから、全般的に参考出品がかなり小粒だったということでしょう。<br /><br />いきなり脱線しますが、ついでですのでFT-86に対する私見を少々述べておきましょうか。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/i/s/h/ishizumi01/20091114234924c3c.jpg" alt="トヨタFT-86" border="0" width="360" height="240" /><br /><strong>トヨタFT-86</strong><br /><span style="font-size:x-small;">トヨタグループに入った富士重工お得意の水平対向エンジンとインラインレイアウトを生かし、<br />そこからフロントアクスルを抜いたフロントエンジン･リヤドライブという構成になります。<br />全長こそ伝説のAE86より短くなりましたが、ホイールベースと全幅が大きく拡大され、<br />全般的には全く異なるカテゴリーのクルマになったと見て間違いないでしょう。<br />AE86の重量は1トンに満たないライト級でしたが、これはどう見てもミドル級以上といった印象です。</span><br /><br />このクルマはネーミングからしてあのAE86を強く意識したものであるのは明白です。AE86が発売されたのは今から26年前ですから、当時20代だった人は現在40代後半～50代前半くらいになっています。かつて現役時代のAE86でヤンチャしていた彼らは、子供も手が離れてそろそろファミリーカーを卒業しようといった世代になっていると考えられます。トヨタがFT-86を企画したのは、そうした需要を睨んだマーケティングによるのではないかと想像されます。(あくまでも個人的な想像です。)<br /><br />ハナシを戻しましょうか。こうして電気自動車を中心としたコンセプトカー以外は全般的に緊縮状態で、注目されるような展示が例年よりも大幅に減っていました。その分だけ技術的な展示品やその解説が書かれたパネルなどを見ている人が例年よりも増えたように思います。これらの技術展示はいつもならちょっと待っていればすぐに人影がなくなってゆっくりと写真を撮ることができたのですが、今年は少しイライラするくらい待たされることが度々ありました。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/i/s/h/ishizumi01/200911150049038a1.jpg" alt="歴代プリウスのハイブリッドシステムのカットモデルを見る人たち" border="0" width="360" height="240" /><br /><strong>歴代プリウスのハイブリッドシステムのカットモデルを見る人たち</strong><br /><span style="font-size:x-small;">初代から最新の3代目までそのエンジンとモーターとそれを結ぶシステムと<br />モーターの制御ユニットやバッテリーユニットがカットモデルで展示されていました。<br />ご覧のようにこうした地味な展示でも例年以上に興味を示す人が増えた印象です。<br />特にここでは人が写り込まないタイミングをはかるのが厳しく感じました。</span><br /><br />しかし、これは非常に良い傾向だと思います。こうした技術展示は下手なコンセプトカーなどよりずっと低予算でできるハズですが、メカに興味のない人はきらびやかなコンセプトカーに目を奪われる傾向が極めて強く、実際にそういう人のほうが圧倒的に多くなっていたと思います。それだけに最近はこうした技術展示が以前より淡泊になっていました。<br /><br />例えば、富士重工が世界で初めて実用化した乗用車用の無段階変速機「ECVT」のカットモデルを見たのは、高校1年生のときの東京モーターショーだったと思います。カットモデルといってもただ切って中身を見せただけではなく、実際にプーリーとベルトが動き、どのようにして減速比を無段階で変化させているのかということを示していました。<br /><br />あの動きを見ればよほど理解力が乏しい人でない限り、その仕組みを理解できないことはないというくらい解りやすく、私もそれを見た瞬間にCVTの仕組みを理解しました。同様に、フォルクスワーゲンが「Gラダー」と称していたスクロールコンプレッサーもどんな説明図より「動くカットモデル」のほうがその動作を理解するのが容易でした。<br /><br />メルセデスはSクラスなどで導入を始めたばかりのエアバッグを知ってもらうために大仰な装置を使って実際に作動させるという実演を行っていました。インフレーターに火薬を用いているというのもあの「バンッ!!」という耳をつんざく大きな衝撃音を聞けば直感的に誰でも想像が付いたでしょう。余談になりますが、エアバッグを発明したのはアメリカ人でもドイツ人でもありません。日本人の小堀保三郎という人物です。<br /><br />特に晴海時代はライフスタイルやユーティリティを提案するような軽薄なコンセプトカーよりもこうした技術展示のほうが多かったくらいで、私は東京モーターショーで自動車の技術とその進歩をより深く理解することができました。あの頃は技術展示を見るのが東京モーターショーに行く楽しみの中でも非常に大きな部分を占めていました。<br /><br />晴海時代にもカメラ小僧的な人はいましたし、家族連れもそれなりにいましたが、全体的には現在よりもずっとマニアックな雰囲気がありました。しかし、幕張に移って規模がどんどん拡大していくとメーカーもあの手この手で来場者の気を惹こうとし、食い付きの良いコンセプトカーや美しいコンパニオンを並べることに力を入れるようになっていった気がします。それに伴って技術展示も実際の動作を再現する凝ったものが減っていき、それがさらに興味を失わせるという悪循環になっていたような気がします。<br /><br />上掲のプリウスのハイブリッドシステムも動かないただのカットモデルでした。プリウスがハイブリッド車として孤高の存在で、ホンダのようにフライホイールを薄型モーターに差し替えただけの安物のシステムと次元が違うのは、遊星歯車を用いた合理的な動力混合/分割システムにも大きな秘密があります。その仕組みを理解させようとしないのは何とも勿体ないハナシです。<br /><br />実際にカットモデルないし説明用の模型などで遊星歯車の動きを再現し、ガソリンエンジンと電気モーターの連携を見せれば、どれだけ解りやすかっただろうと思いました。が、あの展示は3世代の動かないそれがただ並んでいるだけでした。切ってその断面に色を塗っただけのカットモデルが並んでいても、よほどメカに明るくなければその仕組みを理解するのは難しいでしょう。<br /><br />こうした不親切な展示でも軽薄なコンセプトカーが減ったせいか、今年は明らかに見ている人が増えました。ならば、メーカーもカネのかかるコンセプトカーなどより、こうした真面目な展示物にこそ手をかけてその技術を深く理解してもらえるようアピールすべきです。<a href="http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-433.html" target="_blank" title="莫迦げた寸劇でホンダとの違いを比喩的に表現した例の比較広告">莫迦げた寸劇でホンダとの違いを比喩的に表現した例の比較広告</a>を展開するくらいなら、その具体的なメカニズムの違いを解りやすく解説し、より高度な技術が導入されているということを示すべきです。<br /><br />(<a href="http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-506.html" title="つづく">つづく</a>) ]]>
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<dc:subject>自称モーターアナリスト</dc:subject>
<dc:date>2009-11-15T01:24:26+09:00</dc:date>
<dc:creator>石墨</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
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