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機動救助車(できたて) 「
ご免で済んだら警察要らない? 」のエントリでご紹介しましたレスキュー車(機動救助車)です。納入先が警視庁ということがバレていますので、あまり大っぴらには言えませんが、ま、非常に零細な当blogですから、あまり差し障りのない範囲でちょっとだけこぼれ話をご紹介しましょう。
件のエントリのコメント欄で「この時期にこんな姿であってはいけなかった」と書きました。あの作りかけの写真は納期が迫っているのに、間に合うのか? 大丈夫なのか? という不安を抱えながら撮ったものだったんですね。
この種の特殊車両はトラックやバスなどを生産している大型車メーカーから「キャブ付シャシー」という状態で工場からロールアウトしたものがベースになります。これに特別な機械や車体を架装したり、艤装を施したり、塗装を行ったり、幾つかの専門業者で各々の工程を経て完成に至る訳ですね。
例えば、フロントバンパーの部分にアルミ縞板で作られたカバーが見えますね。あのカバーも一品物なんですが、その中にはウインチが格納されています。これが、そんじょそこらのウインチとは能力が違います。普通のバンパーなんかに直付けしたら一発でバンパーがひしゃげてしまうでしょう。
そのため、このアルミカバーを開けてもフックとガイドローラーしか見えません。ウインチ本体は前方へ延長されたシャシーフレームの間にガッチリと固定されています。
これはリフトアップした状態で下から見た写真ですが、件のウインチ本体はこれだけ奥まったところにあるんですね。ですから、大型車メーカーの工場からロールアウトしたキャブ付シャシーは、まずキャブを下ろしてフレーム延長の改造が行われ、このウインチの取付を行います。そうしないと次の工程に移ることが出来ないんですね。
これが鬼門でした。こうした特殊車両も充分にニッチなマーケットですが、こうした特殊なウインチの需要はさらに希ですから、取り付ける業者も極めて限られてしまうんですね。しかも、消防や警察での需要が毎年変動しないのならばともかく、実際にはかなりの波がありますから、業者としても工場のキャパシティを安易に拡大する訳にはいきません。
ということで、この機動救助車の場合はタイミングが非常に悪く、最初の工程で思いっきりつまずいてしまったんですね。その後の工程を担当する業者も納期最優先でこなしてもらいましたので、何とか指定の検収日には間に合ったんですけど・・・。
そうは言っても最後は突貫工事でしたから、色々と指摘事項がありました。この辺は関係各位の立場もありますので詳しくは書けませんが。事情説明で検査官には納得して頂けたので、とりあえず検収は合格となりました。が、指摘事項を補修するために車両を工場へ差し戻して、所属への引き渡しは後日となってしまいました。
検収段階でも基本的には仕様書の条件を満たしていましたが、「仕様書に記載されない細部については別途指示」といった部分で、かなり微妙な仕上がりだったのは認めざるを得ません。ですから、このときは寛大な措置を頂けたのだと思います。
私はつくづく思いました。警察は「世の中の事情に対する理解力がある」と。特に警視庁の調達窓口は殆どの方が外勤経験者です。トラブルを起こした酔っぱらいの相手をしたり、ごねる交通違反者をなだめながら切符を切ったり、そういう仕事をしてきた人達なんですね。我々善良な一般市民より、よほど世の中の表裏を見てきた人達なんですよ。
他の官公庁では、国公立大学在学中に公務員試験をパスし、大学の正門からそのまま入省入庁してきた人間も沢山います。そういうパターンの公務員には世間知らずで下らない机上論をこねくり回す杓子定規の頭でっかちも時々いるんですね。皆さんが想像する官僚タイプを絵に描いたような人間が実際に存在するんですよ。
ちょっとアブナイ領域に話が差し掛かってきましたので、これくらいにしておきますが、私が業務を通じてお付き合いしてきた中で、世の中というものをよく知っておられる彼らは最も敬愛すべき人達でした。
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テーマ:自動車全般 - ジャンル:車・バイク
ま、モーターショーなどもシンポジウムだ何だかんだと色々ありますが、結局のところ主役は展示会のほうです。企業も参加しますし、取材しに来るプレスにしても演壇に立った人の画より、大きな機械やそれが動いている画の方が素材として面白いですから。
非常にありがちなことですが、この「ふゆトピア」も国土交通省肝いりのイベントですから、それなりに偉い肩書きの官僚が開会の挨拶をしたりします。
出展業者はさほど多くないのですが、そもそも雪氷対策関連の企業など一般の方にはまず馴染みがないでしょう。自動車メーカーとしての出展もトラックなどを製作している4社(日野、いすゞ、三菱ふそう、日産ディーゼル)のみです。あとは誰でも知っているメーカーといったら次の2社くらいでしょうか。
実は皆さんもよくご存じのホンダも家庭用(?)の
小型除雪機 を作っています。とってもカワイイですね。
そこへいくと、同じオートバイ屋でもカワサキはヘビーな業務用です。除雪ドーザーといいますが、可変式プラウ(除雪板)です。とってもゴッツイですね。
こういうデモンストレーションもあります。ま、予めかき集めて積んでおいた雪の小山の周りをグルグル回るだけですが。
ぶっちゃけ、これもシンポジウムなどと同様で、毎年あまり変わり映えしません。こういう機械もだいたいのことはやり尽くされていて、画期的な技術やアイデアがポンポン出てくるようなジャンルではないので、当然ではありますけど。
あまり大きな声では言えませんが、こうした展示やデモはイベントの盛り上げ役みたいな側面もありますので、一部には撤退してしまったところもあります。特に北海道での開催は何だかんだでコストもかかりますし、地域格差がどうのこうの言われる昨今ですが、物理的な距離の壁はいかんともし難いでしょう。
ということで、私の趣味に属する展示会なら
書いた本人さえ呆れるくらいのレポート にもなりますが、一般の人にとって面白くも何ともない展示会で、しかも私の素性があまり公になり過ぎないように配慮しながら書くのも大変しんどいことなので、このへんでギブアップします。
(おしまい)
日本は世界屈指の豪雪地帯を抱える国ゆえ、その雪氷対策は国や地方自治体、各高速道路会社(旧道路公団など)にとっては重要な課題です。そのため、国土交通省の外郭団体である
社団法人日本建設機械化協会 が元締めとなって、シンポジウムや展示会などを取り纏めた催し物が毎年開催されています。
これは「ゆきみらい」とか「ふゆトピア」といった名称で、概ね北海道・北陸ないし中部・東北の順で持ち回りとなるため、3年で1周します。今年は「
2008 ふゆトピア・フェア in 千歳 」という名称で、シンポジウム、研究発表会、展示会、実演会、交流会(歓迎レセプション)が千歳市民文化センターやANAクラウンプラザホテル、市立千歳中学校のグラウンドなどで開催されています。
千歳市民文化センター 千歳市民文化センターではシンポジウムや地元自治体の資料展示などが行われています。
こうした雪氷対策について書いても面白くも何ともないので、省略しますが、ぶっちゃけ毎年あまり変わり映えはしませんね。ま、そんなに画期的な技術やアイデアがポンポン出てくるようなジャンルでもありませんから、当然ではありますけど。
そんなに広い業界ではないので、私がどのような業務で関わっているのか詳しくお伝えすることはできませんが、今後も毎年このイベントに参加することになるのは間違いありません。
ところで、例の防寒靴ですが、もう余裕で対応してくれました。遠赤外線ソックスだの、靴用カイロだの、その手の小細工をするより、ああいう本格的な靴を求めるのが一番だと断言します。
ただ、大きな誤算がありました。ずっと野外での活動になるつもりでいたのですが、諸般の事情で屋内での業務に専念することになってしまったんですね。暖房の効いた屋内では暑くて履いていられませんので、普通の靴に履き替えました。ま、それでも野外に出るときは活躍してくれたので持参したことが無駄になったわけではありませんが。
ということで、明日は午後に撤収して苫小牧港から
商船三井フェリー の「さんふらわあ」(のどれかは知りませんが)に乗って大洗港まで向かいます。当blogの更新が可能かどうか微妙ですので、やはり予約投稿で今回の続きを少しだけお送りしようと思います(といっても、ネタが乏しいので期待しないでください)。
(
つづく )
東京から千歳へ出張と言ったら、普通は羽田から空路でしょう。が、諸般の事情がありまして、東北自動車道をひた走り、我が社の仙台営業所に立ち寄って荷物を積み込み、仙台港からフェリーに乗り込み、苫小牧港に上陸し、千歳入りしました。ま、3年前と全く同じパターンですが。
海路は
太平洋フェリー になりますが、同社は3隻のフェリーを運航していますので、3年前に乗ったのがどれだったか覚えていません。当時もっとも新しいものでも就航して14年経っていたのは間違いありませんが。
今回乗ったこの「きそ」という船は二代目になるそうで、2005年に就航したばかりの非常に新しい船です。3年前に乗ったそれよりずっとキレイで設備もかなり良くなっており、なかなか快適な船旅になりました。
船内の雰囲気は観光ホテルをイメージして頂けばほぼ間違いないでしょう。ロビーやレストラン、ゲームコーナー、売店、自販機コーナー、展望大浴場などなど、まさに観光ホテルのそれです。
客室は等級次第ですが、私は観光ではなく業務としての移動ですから、A寝台相当のドライバー室でした。ここは1室が6つのベッドスペースに仕切られており、ロールアップカーテンを下ろすと各々が個室のようになります。雰囲気的にはカプセルホテルに似ていると思います。今回は同僚と2人で1室を独占する格好でしたので、全く気兼ねなくくつろげました。
左側が通路で、ロールアップカーテン(ブルーのスクリーンがそれです)を下ろした状態です。ご覧のように14インチの液晶テレビが装備されています。沖合に出ると地上波は次第に弱まり、ノイジーになっていきますので、まともに視聴できるのは衛星放送が中心になります。
が、贅沢は言っていられません。3年前に乗った船にはこんな装備などありませんでしたし、ベッドも2段でした。今回のは1段で天井も充分に高く、ベッドの上に立ち上がっても私の身長(169.5cm)なら頭がつかえることもありませんから、この中で着替えも悠々こなせます。
これを宿泊と捉えるとかなりチープな印象になるかも知れません。が、ものは考えようです。例えば、飛行機と比べたら遥かに立派なものです。エコノミークラスのあのせせこましい空間に押し込められ、リクライニングシートに座ってろくに脚も伸ばせずに過ごさなければならない状態とか。あれを思えば、もうこれは天国のようです。国際線の旅客機にこんな個室を作ったなら、気が遠くなるような料金を取られるでしょう。
しかし、船の旅というのは優雅ですが退屈です。何せノロいですから。今回も海は非常に穏やかで、仙台港から苫小牧港までほぼ定刻通りの運航になりましたが、それでも15時間弱かかっているんですね。
豪華客船で世界一周とかありますけど、ああいうのはラウンジで色々な催し物があったり、乗客を飽きさせない工夫が凝らされているそうですが、それでも何ヶ月とか乗っているわけですからねぇ。時間がゆっくり流れていくことに慣れた人でないと耐えられないんじゃないか? なんて思ったりします。
ま、この船にもご覧のようなラウンジが備わっており、映画(このときはトム・ハンクス主演の『ポーラー・エクスプレス』でした)を上映したり、ピアノを生演奏するミニコンサートみたいなサービスをやっていましたけどね。
ところで、事前の予想に反して、昨日のPM10時頃の段階ではまだ辛うじて携帯電話が繋がる状態でした。が、それは会社支給のドコモのほうで私用に使うのは憚れますし、通信速度も絶望的に遅いムーバですし、いつ圏外になるか全く予想できない状態でした。
一方、私の自前はウィルコムのPHSで、俗に「
アドエス 」と呼ばれるシャープ製のスマートフォンを愛用していますが、出航後間もなく圏外になってしまいました。そんな理由で、当blogの予約投稿を取りやめる必然性はないと思いましたので、アクセスもせず、そのまま放置しておくことにしました。
夜が明けて外部デッキに出てみますと、大海原が広がっていました。気温はさほど低くなかったかも知れませんが、猛烈な海風が吹き抜けていて、体感温度的には死ぬほどの寒さでした。所々に溜まっている水が凍っていて足をとられそうになりましたし、風に煽られそうにもなりましたので、外部デッキの後端まで往復したところで観念して船室に戻りました。
外は充分に寒かったですけど、凍えそうなカモメはいませんでした(連絡船でもありませんし、津軽海峡でもありませんが)。でも、こうしてみるとあの歌の風情は舞台が船でなかったら(羽田発の飛行機とかだったら)絶対に成立し得なかったと思います。
ということで、フェリーを降りて千歳に入ったら、諸々の準備で一日が終わりました。肝心の業務は明日からが本番です。その模様の詳しくはお伝えできませんが、ま、雰囲気くらいはご紹介出来ると思います。
空港には「制限区域」と呼ばれるエリアがあります。具体的には滑走路、誘導路、駐機場、格納庫など、要するに空港のコアになる部分ですね。各空港とも法律や条例で一般人や一般車両の立ち入りが禁じられています。
私は仕事で空港にも出入りすることがありますので、某国際空港のようにセキュリティが厳しいところではIDカードを取得しています。が、これは空港への出入りに手荷物や行き先などのチェックが省略されるだけで、空港の職員や諸々の関係者なら普通に持っているものです。
ま、ICカードですし、ホログラムシールも貼ってありますので、そう簡単に偽造はできないハズですが、セキュリティ関係で問題になるといけませんので(というより、私の顔写真が入ってますし、氏名や所属などがモロバレになりますので)モザイクをかけました。
これを持っていても、もちろん制限区域内には入れません。制限区域内に入るにはそのためのIDを取得するか、臨時のパスを借りる必要があります。私の場合は言うまでもなく後者になります。
やはりセキュリティ関係で問題になるといけませんのでモザイクをかけましたが、これが今日久々に入った某国際空港の制限区域内です。左手の建物は恐らく格納庫でしょう。右手に見えるのはANAのエアバスA320で、その奥にゴチャゴチャしているのが給油施設です。
といっても、エアバスは給油施設の前に駐機しているだけで、給油している訳ではありません。飛行機への給油はレフューラーないしサービサーという車両を用います。前者はいわゆるタンクローリーで水槽付ポンプ車のような消防車より能力の高いポンプを装備しています。後者は駐機場に設置されているハイドラントピット(地下のパイプラインで燃料を圧送するシステム)を利用して給油する車両で、燃料の濾過や圧力調整などを行います。
飛行機オタクの人達にとってヨダレが出そうなこの場所ですが、私は飛行機オタクではありませんので(
一昨昨日のエントリ みたいな蘊蓄を垂れると信じてもらえないかも知れませんが)それほど興奮しません。
でも、やはり普通の人はまず入れない場所に入るとき、制限区域とそうでない区域を隔てるゲートをくぐるときはちょっとだけウキウキしていたかも知れません。昨年の夏に関西空港の制限区域内に入って以来、5ヶ月近く間が空いたせいでしょうか?
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まとめ