酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

pomeraは良くも悪くも電子メモ帳である (その3)

pomeraはキーボードを二つ折りにし、その上に液晶ディスプレイが重なるという構造であるうえ、キーボードの左半分がスライドする構造でもありますから、畳んだ状態ではベースになる部分とキーボードの左半分と右半分と液晶ディスプレイの4層を重ねる格好になります。

電池は本体と液晶ディスプレイとをつなぐヒンジ部分に収める格好ですから、それによって厚みが増加するということはありませんが、いかんせん4層を重ねれば1層を薄く仕上げてもそれなりの厚さになってしまいます。滑り止めのラバーなど突起部を含めた全体の厚さは28mmにもなっています。

こうした構造を考えますと、スペースの確保はシビアなのかも知れません。が、ストレージがmicroSDカードというのは少々邪魔くさい感じです。PCとデータをやりとりするにはこのmicroSDを経由するか、USBケーブルでつなぐか、どちらかということになります。が、私の場合はデジカメでそうしているようにSDカードを抜いてPCのスロットに差し込むほうが一々ケーブルを取り回すより便利だと思います。これがmicroSDとなると、私の環境ではアダプタを用いなければなりませんから、少々面倒になります。

そもそも、頻繁に抜き差しすることを考えますと、microSDは小さ過ぎて扱いにくく感じます。耐久性の面でもやや不安がありますし、ここはやはりフルサイズのSDカードのほうが良かったように思います。近年のコンパクトデジカメは驚くほど薄くなっていますが、安易にmicroSDに走らないのは、要するにカードを抜き差しするユーザーが多く、そのほうが使い勝手がよいと考えているからでしょう。

pomera 03
pomeraのmicroSDスロット
microSDカードには爪などを引っかけて抜き差ししやすくする
出っ張りがありますが、何を思ったのか、このスロットは
それが下を向くように設計されています。
要するに、これを設計した人はUSBケーブルで繋ぐことを
デフォルトと考え、microSDは拡張メモリとして入れっぱなし
ということを想定しているのでしょう。
しかし、裏面には様々な張り出しがあるのですから、
バルジを設ければフルサイズのSDカードを収めるスペースは
充分に確保できたように思います。


あと、細かい部分になりますが、電源を入れる際にスイッチを2秒ほど長押ししなければならないという仕様になっているのもどうかと思います。私が昔使っていた日立のPERSONA(HPW-200JC)というWindowsCE機の電源スイッチはキーボード右上(厳密には一番右上にあるデリートキーの左隣)にありましたが、長押しする必要はなく、それでも不用意に電源が入ってしまうことは一度もありませんでした。普段持ち歩くときは液晶ディスプレイを畳んで外にスイッチボタンが露出することなどないのですから、当然のことですが。

pomeraの電源スイッチもキーボード右上にありますが、スイッチボタンと同じ高さの囲いがあり、不用意に押しにくいような構造になっています。しかも、そのキーボード自体を半分に折りたたみ、さらにその上に重なるような格好でディスプレイを畳み込むわけですから、何かの拍子に電源を入れてしまうということはPERSONA以上にないといえるでしょう。また、pomeraの場合、使わないときは畳んでおきたいと思わせるような構造でもありますし。これでスイッチ長押しを要求する仕様というのはちょっと理解しがたいものがあります。

起動まで約2秒ではありますが、それだけに2秒の長押しは煩わしい感じです。そもそもバックライトがなく、消費電力も非常に小さく、オートパワーオフ機能もあるのですから、そこまで神経質になる必要もないと思うんですけどねぇ。例えば、長押しにするか否かもユーザー設定が可能なようにしておき、オートパワーオフを切っている場合のみデフォルトで長押しの設定となるようにしておくとか、そんな自由度を持たせても良かったのではないかと思います。

その電源ですが、エネループも使えるため、ランニングコストの面でも優れています。アルカリ乾電池などより電圧が低いせいか、フル充電でも比較的早いタイミングで残量の表示単位が一つ減りますが、実用時間は特に問題ないと思います。圧倒的に長い駆動時間だけでなく、予備電池も嵩張らないというメリットから、バッテリー残量を気にするという呪縛からは完全に解き放たれた感じです。

メーカーが「デジタルメモ」と称しているように、余計な機能の一切を排除したテキストエディタとして明確なコンセプトであるのは良いのですが、能力的には(特にIMEの能力は)充分と言い難く、個人的に使いにくいと思う点はこれまで述べてきましたように沢山あります。そのうちのいくつかはファームウェアのアップデートでも対応できそうですから、何とかして改善して欲しいところです。

ま、色々文句を垂れましたが、長文入力にストレスのないキーボードを備え、これだけコンパクトに仕上げてきた点は賞賛すべきでしょう。もし、モデルチェンジが行われ、上述のような不満点の解消と、もう少しのスリム化がなされたなら、個人的には買い替えても良いと思わせる魅力を感じています。

(おしまい)
スポンサーサイト

pomeraは良くも悪くも電子メモ帳である (その2)

「文章を書くだけ」という非常に潔く割り切ったコンセプトを愚直に製品化したキングジムのpomeraですが、不充分と思われるポイントも少なからずあります。その中でも個人的に強く改善を希望するのは以下の4点でしょうか。

(1) ATOKと称するにはあまりにも脆弱な変換能力で、登録されている単語の数が明らかに少なく、文節の認識能力も低く、使用感としてはATOK for Pocket PCのレベルにも劣っている。また、ユーザー辞書も公称100件までしか登録できないため、鍛えるにも限度がある。

(2) タイトルが36バイト(2バイト文字で18文字)が上限となっており、PCで作成したファイルがそれを超過していた場合、

ファイルをコピーできません。
不正文字使用・最大文字数超えです。


と表示されて開けない。

(3) ストレージはmicroSDに対応しているものの、そのルートディレクトリに設けられた「POMERA」というフォルダ内しか読み書きができず、その中にサブフォルダを設けても認識できない。

(4) ファイルのソートもできない。

基本的にこの製品は文章を書くことに特化したものですから、IMEが脆弱であるのは厳しいものがあります。ただ、機能を高めてしまうとハード側の能力が求められることになりますから、価格やバッテリーの駆動時間など全般的なバランスが崩れてしまう恐れもあるでしょう。

ユーザー辞書は文字数が少なければ100件以上登録できるようですが、例えば「件(くだん)」のような日常的な言葉も登録されていませんから、こうして気付いた言葉を次々に登録していったらあっという間にユーザー辞書に割り当てられたメモリを使い果たしてしまうかも知れません。

本体メモリは2バイト文字で約48,000文字しかなく、1つのファイルは8,000文字までしか対応しないとのことで、要するに96kBしかないということになります。ま、microSDカードは2GBまで対応しているそうですから、ネックになるのは1ファイル8,000文字のほうになると思います。が、当blogでは1つのエントリで長くともその半分に満たないですから、私の用途としては特に問題ありません。

5ヶ月以上使ってきたいまでも慣れず、邪魔くさいと思うのは(2)のようにタイトルの文字数が少なく制限されているところです。当blogを普段からご覧頂いている方はお察しの通りかと思いますが、私にはタイトルを考えるセンスがありません。これまで満足のいくタイトルを付けられたことは数えるほどしかなく、いい加減なタイトルでもすぐに思いつかないことがしばしばです。そういうときは最初の一文を仮タイトルとして保存しておくことも多いのですが、Windows95以降は2バイト文字で127もありますから、全く不足ありませんでした。

pomeraの18文字はMS-DOSやWindows3.1の4文字(1バイト文字なら8文字)程ではないにしても、あの暗黒時代の悪夢が蘇ってくる感じで(私はMacユーザーではありませんのでその悪夢はWindows95以降決別していたわけですが)、かなり鬱陶しく思います。ま、pomera側でもリネームできますし、18文字以下にすれば開けるようにもなりますが、この足かせは個人的にツライものがあります。

また、(3)のようにフォルダが作れないのでジャンル毎に整理しておくということもできなければ、(4)のように名前順や更新順などでソートすることもできないため、沢山のファイルを保存しても探し出すのに難渋することになります。microSDが2GB対応でも、それを満たすほどファイル数をため込むのは非現実的というべきでしょう。当blogの原稿執筆に当たっては過去記事を参照したり引用したいというケースもありますから、最低でもサブフォルダには対応して欲しいところです。

(つづく)

pomeraは良くも悪くも電子メモ帳である (その1)

最近、テレビCM(←リンク先はいきなり音声も流れますのでご注意を)も流れるようになったキングジムのデジタルメモ「pomera」ですが、WindowsCE機の衰退以来、ずっと空白になっていたマーケットを担うアイテムとしてメーカーの予想を上回る人気を博しているようで、昨年12月には同社から供給不足に関するお詫びのコメントが出された程です。

私が入手したのは今年の1月で、まだ若干品薄状態だったことから、現在の実勢価格よりかなり高めでした。以降、当blogの原稿の何分の一かはこのpomeraで書いてきました。

pomera.jpg
KING JIM pomera DM10

折りたたみキーボードはPocketPCの類やスマートフォン向けなど昔からあったアイデアですが、このように液晶モニタを備え、ひとつの製品として完結しているパターンは私の知る範囲ではなかったように思います。その液晶モニタが中央に来るよう、キーボードは左半分をスライドさせながら展開させるという機構になっており、よく練られたものだと思います。

pomera 02

キーボード左側のスライドと右側のスイングは、両者の動きがリンク構造で連携するようになっています。要するに、キーボード右側を畳んだり展開したりすれば勝手に左側がスライドするわけですね。その動きは至ってスムーズです。クリアランスの設定も適切なようで、ガタもなく、比較的大きな応力がかかるであろう部品には金属が使われており、きちんと耐久テストも行われて最終仕様が決定されたという印象です。

キーボードを閉じたときはロックがかかりますが、展開した際はクリックストップのみで、完全にロックさせてしまう構造ではありません。そのため、机の上ならともかく、鞄の上とか、膝の上とか、あまりシッカリしていないところで使用すると、キーボードの土台がシッカリしていない故、やや心許ない感じもします。その対策としてスライド格納式のステーも設けられているのですが、これは構造的にも質感的にもあまり洗練された感じではありません。

キーピッチが17mmというのはこの種のモバイルツールとして妥当だと思います。私は手が大きいのでやや窮屈な印象は拭えませんが、東芝のLibretto 20(キーピッチ13mm)などを使っていた当時を思えば充分に実用的です。「半角/全角 漢字」キーが「ESC」の下ではなく、その右隣にあるため、慣れないうちは「1」を打鍵してしまいがちですが、スペースに限りがあるこの種のキーボードにこうしたアレンジは決して珍しいものではありませんから、これも個人的には許容範囲内です。

キーストロークは実測でほぼ2mmですが、パンタグラフ式で打鍵したときの感触も悪くなく、長文入力にも特にストレスを感じません。ポインティングデバイスを用いないキーボードオペレーションのみですが、ショートカットキーもPCのそれに準拠しており、この点で使いにくいと感じることは全くありません。

驚くべきはバックライトを備えていない液晶モニタのコントラストの高さで、これだけクッキリと見やすければバックライトなど(薄暗いところでも使うことを想定しないなら)必要ないと誰でも納得できるレベルかと思います。こうしたモノクロ液晶モニタは現在でも電子辞書などで健在ですから、技術的にも進歩しているのでしょう。私が愛用している電子辞書はいつ買ったか思い出せないくらい前のものですが、それと比べるべくもないコントラストの高さはその進歩を痛感させるものです。

こうしてバックライトを備えないのも消費電力を抑えて入手しやすい単4電池2本で駆動時間を長くしてやろうという考えの下になるのでしょう。機能が非常に絞り込まれているのはコストダウンという目的もあるのでしょうが、余計な機能を盛り込めばCPUの能力を上げる必要が生じたり、何だかんだと消費電力を増やす方向に向かいがちです。

キングジムも商品開発に当たっては様々な誘惑があったと思いますが、テキストエディタ以外の機能はことごとく切り捨て、電卓すらなく、辛うじて時刻表示があるくらいです。「何か他の機能をお望みなら、皆さんが既にお持ちの携帯電話を利用して下さい」といわれているような気がするくらい、徹底的に割り切って作られています。実際、テレビCMもそうした部分を強調していますし。

ここまで単能のデジタルツールというのは近年ではかなり稀でしょう。最近の電子辞書はワンセグチューナーを内蔵してテレビ視聴も可能なモデルがありますが、徒に機能を拡大すると却って商品コンセプトが散漫になってしまうものです。キングジムの商品企画はその辺を良く理解し、非常に潔い判断をしたと思います。

(つづく)

リンクザバディはロケフリを超えるか?(その2)

ツインバードのリンクザバディはソニーのロケーションフリー(以下、ロケフリ)のようにネット接続やPCでの利用を想定しておらず、このシステムだけで完結する非常にシンプルなものです。商品の成り立ちはごく普通の家電と変わらない印象で、あまりキワモノっぽい雰囲気は感じません(個人的な感想です)。

送信機には3系統のAV入力があり、そこにチューナーやプレイヤーの類を接続、受信機を内蔵した液晶モニタとは変調方式IEEE802.11a/g/b準拠、搬送周波数帯5GHz(11a)/2.4GHz(11g.b)で繋がります。もちろん、PSPをロケフリに繋ぐときのような初期設定の類も不要です(無線LANやBluetooth、あるいは電子レンジと電波が干渉しているときなど、条件に応じて通信チャンネルを変更することもできます)。

モニタ上部に設けられたキーは入力切替や音量調整、画質調整など簡単な操作しかできませんが、リモコンを使えばそのシグナルが送信機側に送られ、接続されているAV機器を遠隔操作することも可能です。しかも、付属のリモコンは学習機能を備えていますので、殆どのメーカーのリモコンに対応し、かなり込み入った操作もできるようになっています。

リンクザバディ(システム概要)

ただ、このリモコンのシグナルがリンクザバディの送受信機を経て接続されたAV機器に届き、そのリアクションを受けた映像が再びリンクザバディの送受信機を経て液晶モニタに反映されるまで相応のタイムラグがあります。特に問題となるのは早送りや早戻しなどを止めるときで、勘で早めに止めない限り絶対にタイミングが合いません。全般的にも慣れが必要で、せっかちな人は少しイラッと来るかも知れません。もっとも、これはロケフリも全く同じで、こうした方式ではこのタイムラグを少し短めにすることは可能でも、なくすことは不可能でしょう。

防水が売りのザバディシリーズですから、このリンクザバディももちろん防水仕様(JISの旧防水保護等級7防浸形相当)で、リモコンも同様に防水となっています。ロケフリのようにビニール製の防水ケースに入れる必要がないため、その分だけ画面も見やすく、操作性が犠牲になることもなく、音がこもったりもせず、非常にスマートで良い感じです。

液晶パネルは7インチの横長で、比較的安価なカーナビや液晶モニタ付ポータブルDVDプレイヤーなどにも使われているようなレディメイドのパネルになるのだと思います。解像度は480×234ドットですから、PSPと横は同じで縦が若干劣りますが、画面サイズは面積比で2.5倍以上になりますから、少し離れたところに置いても私の視力なら字幕が読みにくいというほどではありません。

個人的にはもう少し価格が上がっても、もうワンランク高解像度であって欲しかったところです。とはいえ、送信機にフルセグチューナーを繋げばワンセグのポータブルテレビとは全く比較にならないクォリティになります。動きが速い映像などでは若干のブロックノイズも出るようですが、この価格帯の商品に求められる性能としては充分に許容範囲といえるレベルかと思います。

映像入力はS端子と、RCA端子が備わる普通のアナログ入力になりますが、この画質なら当然のチョイスでしょう。モニタ側にはヘッドフォン端子のほかに4極ミニジャックになりますが、AV出力も備わっています。テレビモニタなどにつないでビデオトランスミッターとして使用することもできるというわけですね。

最大のネックは電波の到達距離が短いところでしょう。「通信距離の目安は、見通しの良いところで約30mです。」となっていますから、一般的な無線LANと比べてもかなり短めかと思います(ウチで使っている無線LANと比べると1/10くらいでしょうか)。送信機が置いてある部屋からバスルームまで5mくらいしか離れていないのですが、その間に2枚の壁(鉄筋コンクリート製)で隔てられているという建物の構造上の問題も加わっているのか、置く位置を吟味しないと電波が途切れがちになってしまいます。

具体的には、ウチのバスルームはガラスの引き戸になっているのですが、そのアルミ製の桟と同じ高さに置くと電波が遮蔽されてしまうようで、かなり切れ切れになり、場合によっては受信不能になることもあります。これを避けた高さに置けば電波強度を示すインジケーター(携帯電話のそれと同じアンテナマークに3本線)で中強度が示され、特に問題なく使えるようになります。

この辺は電波の出力を上げるなど改善を求めたいところですが、モニタ側からもシグナルを送信していますから、到達距離を伸ばすために出力を上げればバッテリによる駆動時間が短くなってしまうのかも知れません。この辺は色々なバランスの問題もあって難しいところなのでしょう。細かい部分については他にもいくつか気になるところはありますが、35,800円という価格を思えば、これはむしろ賞賛に値する内容だと思います。

ところで、ソニーのロケフリは一昨年の12月にハイビジョン対応のLF-W1HDが発売されました。が、このモデルに関してはネット接続ができないなど、機能が大幅に絞られています。

LF-W1HD.jpg
LF-W1HD

ハイビジョン対応ではありますが、音声はアナログ入力しかできないなど消化不良の感も否めません。また、入力が1系統しかないため、複数のAV機器を切り替えて利用することもできないようです。専用のポータブルモニタなども用意されておらず、PCやPSPなどとの接続も想定されていません。

受信機の増設にも対応していないようですから、例えばリビングルームにあるブルーレイレコーダーをベッドルームのテレビでも使えるようにするといった感じで、送受信機1セット以上の用途拡張は考慮されていないのでしょう。要するに、これまでのようなロケフリのコンセプトとは根本的な考え方が異なり、分野としては同じくソニーから発売されている「ルームリンク」と同列になるのかも知れません。

この割り切り方は、システムそのものの概念が解りにくかったり、セットアップが面倒だったりすると、その分だけマーケットも限られていくということを学習した結果なのかも知れません。が、接続機器を遠隔操作できる高品位ビデオトランスミッターともいうべき商品に「ロケーションフリー」という名はそぐわないような気もします。

せめて、専用のハイビジョン対応ポータブルモニタをラインナップさせるべきでしょう。いまこの原稿を執筆しているVAIO type Tは11.1インチで1366×768ドットの(フルではありませんが)HDパネルで、サイズ的にもかなり手頃な感じです。このパネルを使って受信機一体の防水モニタを作って送受信可能な範囲ならどこでもハイビジョン映像が楽しめるといったシステムにして欲しいところです。

こうしてみますと、ツインバードのリンクザバディはモニタの解像度や電波の到達距離にやや不満はあるものの、リーズナブルな価格、シンプルで扱いやすい構成、全般的なバランスは非常によくできており、私の個人的なニーズにはソニーのロケフリより纏まりが良いという点で勝っているように思います(あくまでも個人的な感想です)。

ロケフリのアイデア自体は非常に優れていると思いますが、商品企画がマーケットニーズを読みきれていないようで、アイデアを生かしきれていない印象です。ま、ソニーは得てして技術屋主導で自己満足に終わってしまうような失敗を過去に何度も繰り返してきたメーカーですが、そういう社風がいまでも息づいているということなのかもしれません。

もしかしたら、ソニーに纏まりの良いロケフリを期待するより、ツインバードにハイクォリティなリンクザバディの上位機種を望んだほうが私の理想に近いものが得られるかも知れません。

(おしまい)

リンクザバディはロケフリを超えるか?(その1)

2000年にソニーが「エアボード」という名でテレビの新たな視聴形態を提案したシステムは、後に「ロケーションフリー」(略称:ロケフリ)となってラインナップが拡充されていきました。テレビなどの映像と音声をリアルタイムでMPEG-2ないしMPEG-4に変換し、無線LANで飛ばしたり、ネットに繋がる環境ならどこでも(海外からでも)視聴が可能になるというシステムは、なかなか画期的なアイデアだと思います。

ロケフリ(システム概要)

例えば、一般的なポータブルテレビでは電波状態によって画質があまり芳しくなかったりします(私の家は周囲の建物の影響か特に電波状態が悪いらしく、アナログ/デジタルを問わず窓際でもかなりノイジーで見る気が失せるほどです)。また、ポータブルテレビは地上波放送くらいしか見られないでしょう。もう少し用途が広いものとしては、せいぜいワンセグチューナー内蔵のポータブルDVDプレイヤーといったところでしょうか?

ロケフリは屋外のアンテナと繋がったチューナーによる安定した映像を送受信できますし、BSやCS、あるいはケーブルテレビ、HDDに録りためたビデオなども、それらの機器と繋ぐことで送受信可能となります。無線LANやインターネットを経由して据え置きしてあるこれらの汎用映像機器を遠隔操作し、その映像と音声をIPパケットとして送受信できますから、無線LANのエリア内やネットに繋がる環境ならどこでも視聴可能になるわけですね。場所を選ばずに様々な映像コンテンツを楽しみたいという向きにこのレベルで応えるシステムはこれまでなかったと思います。

しかし、私の周囲でこのシステムを知っている人は非常に少なく、世間一般にも広く知られているとは言い難い状況でしょう。応用範囲が広いシステムで従来の概念に当てはまらない商品ゆえ、この種のガジェットを好む人以外には解りにくく取っつきにくいのかも知れません。

また、過去にはこのロケフリを利用して海外から日本のテレビ番組を視聴できるようなサービスを行っている業者を相手取って、NHKと民放キー局が訴訟を起こしたということもありました。結果は原告全面敗訴となったそうです。

とはいえ、訴訟を起こしたくらいですから、彼等にしてみればこのロケフリというシステムは「自分たちの知的所有権の侵害を幇助するもの」といった認識があっても不思議ではありません。その存在を広く認知させたくないといった意向からテレビ局は(テレビ局と提携関係にある他のメディアなども?)これを積極的に取り上げないようにしているのかも知れません(あくまでも個人的な想像です)。

ま、現実的には普通の家電製品として気軽に導入しにくいところもネックになっているのかも知れません。私の個人的なニーズとしましては、ネット経由での利用はそれほど魅力を感じませんが、湯船につかりながらゆっくり映画でも見るとか、スカパー!チューナーから離れたところにあるローラー台を漕ぎながらツール・ド・フランスの生中継を見られるなら非常に便利だと思います。が、ベースステーションに専用液晶モニタとそれ用のお風呂ジャケットの3点で12万円超ですから、ちょっと手が出せませんでした。

廉価版でも出さないかと模様眺めに回っているうちに、この専用モニタもお風呂ジャケットも生産終了となってしまったようです。売れない商品をラインナップしておくのはやはり厳しいのでしょう。この不況でソニーも14年ぶりの赤字となり、業績を大きく落としていますから、このロケフリそのものを諦めてしまわないか心配すべきかも知れません。

専用モニタがなくなった現在、最も気兼ねなく使いやすいロケフリ用ポータブルモニタはPSPになるかと思います。サードパーティ製とはいえ専用の防水ケースなども発売されていますから、バスルームでの利用も懸念はないでしょう。が、私はPSPを持っていませんので、ロケフリのベースステーションとPSP本体を合計すると4~5万円くらいになるでしょうか。

ロケフリ専用モニタに比べればずっとリーズナブルですが、接続機器の遠隔操作などはリモコン画面を呼び出して十字キーなどで操作する方式になり、使い勝手はあまり良くないようです。また、画面サイズも手に持って見るか、それに相当するくらいの近距離に置ける適当な場所があればともかく、離して置くとなればかなり小さく感じます。

もちろん、ノートPCを無線LANで繋いでやる方法もあります。が、バスルームでの使用はかなり厳しいでしょう。ローラー台を漕ぐときも汗まみれになっていますから、滴った汗がマシンに悪さをしないか心配で、精神衛生上はなるべく直接触れたくない感じです。

そうこうして二の足を踏んでいたある日、ツインバードから似たようなシステムのワイヤレスモニタ、リンクザバディVW-J707Sという商品が発売されていることを知りました。価格はヨドバシ.comで6万円弱(ポイントバックは10%ですから、正味は54,000円くらい)と、ロケフリ+PSPより高価なので微妙に思いました。が、Amazonでは36,800円と、ロケフリ+PSPより遙かに安いということで、試しに買ってみることにしました。

リンクザバディ
TWINBIRD LINK ZABADY W-J707S

(つづく)
次のページ

FC2Ad

まとめ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。