FC2ブログ

酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

フロンはオゾン層を破壊できるのか? (その3)

「フロンがオゾン層を破壊する」という仮説で説明されているプロセスは科学的に欠陥だらけだということはこれまで述べてきた通りですが、百万歩譲ってそのプロセスが成り立つとしても、大きな疑問が残ります。それは・・・

フロンによって破壊されたオゾン層なんてものが確認されていない

ということです。「じゃあ、オゾンホールは何なんだ?」と思われましたね。あれが生じる原因をフロンで説明しようと思うと、却って多くの矛盾が生じてしまうんです。

そもそも、オゾンホールは殆ど南極にしか生じません。北極も似たようなオゾン濃度の低下現象が起こったり、小規模のオゾンホールが確認されたこともありますが、南極のそれには到底およびません。ま、どちらにしても、その原因がフロンであると考えると、理論的に苦しくなるでしょう。

まず、フロンの主要な用途は初回にご紹介したとおり、洗浄剤や発泡剤などの産業用として用いられていたもので、殊に先進国の工業地帯から大量に排出されていました。その工業地帯の大部分が北半球にあります。南極はいわば世界で最もフロンの主要排出源から遠い場所と考えても差し支えないでしょう。

もちろん、南極には半導体工場も発泡樹脂工場もありませんし、クーラーや冷蔵庫なども必要ありません。それ以前に、南極に住んでいる人間は各国の観測基地などで活動している観測隊員が殆どで、その数は極めて少数です。つまり、南極にはフロンの排出源など存在しないといっても過言ではないでしょう。

何故、フロンの主要な排出源の上空にはオゾンホールが生じず、それらから最も遠い土地である南極上空にオゾンホールは現れるのでしょうか? フロンガスは大気の4倍近くも重い気体ですから、気流に乗ってもそうそう遠くへは運ばれないハズです。

大衆メディアはオゾンホールが過去最大とか、ここ何年かで最大とか、特に大きく発達したときしかニュースにしません。なので、世間一般の認識としては「南極上空には常にオゾンホールがポッカリと空いていて、年々大きくなっている」と思われているかも知れません。が、実は南極のオゾンホールというのは(北極のオゾン濃度低下も)「季節現象」なんですね。

南極にオゾンホールが生じるのは8月中旬~11月初旬くらいにかけて2ヶ月半~3ヶ月くらいの期間限定です。8月中旬といったら、北半球は夏ですが、南半球は冬です。極地の夏は「白夜」となって日が沈まなくなりますが、冬は逆に日が昇らない「極夜」となります。

8月中旬の南極は極夜の真っ最中です。つまり、強力な紫外線どころか太陽光そのものが届かない時期なんですね。これでどうやってフロンが分解されて塩素が生じ、オゾン層が破壊されるというのでしょうか?

一方、オゾンホールが消失する11月初旬というと南極は初夏で紫外線がいよいよ強くなり、しかも白夜で太陽光が途絶えない時期に入っています。これが逆なら話は明解ですが、フロンでオゾンホールを説明しようとすると話がアベコベになってしまうんですね。

south-pole_ozone.jpg
南極上空のオゾン分布
NASAの人工衛星オーラが観測した
いまから1ヶ月ほど前のデータになります。


上図の下のほうにあるカラーサンプルは左に行くほどオゾン濃度が低い状態を示しています。このデータが観測された3月初旬の南極は晩夏あるいは秋口といったところだと思いますが、この時期にはオゾンホールなど存在しないということがよく解りますね。

ちなみに、NASAの人工衛星オーラに搭載されているOMI(オゾン観測機器)は紫外線や可視光線の放射からオゾン濃度を観測していますので、太陽光が当たらないと観測はできません。つまり、極夜で太陽光が届かない場所はオーラのOMIで観測できなくなってしまうわけですね。これは見方を変えればオーラのOMIで極夜の範囲がどこまでか解るということになります。

south-pole_polar-night.jpg
南極の極夜の範囲
2007年8月15日のデータになります。
OMIは太陽光がないと観測できませんので、
データが抜け落ちている部分(白い部分)が
太陽光の届かない範囲ということになります。
周囲が鋸刃のようになっていますが、
これは時間差がある観測データを
つなぎ合わせているために生じるものです。


ご覧のように、図に向かって南極大陸右上のほう(南米大陸に近いほう)にかなりオゾン濃度が低下している部分が覗いていますが、南極大陸のほぼ全体が極夜で太陽光の届かない範囲に入っています。南極のオゾンホールはこのように強力な紫外線どころか太陽光そのものが届かない時期に始まっているということがよく解りますね。

実は、オゾンというのは強い紫外線の作用で生じるものなんです。ですから、極夜で太陽光が届かなくなれば、当然のことながらオゾンの供給はストップします。南極も北極も冬の後半くらいからオゾンの濃度が低下していくのは、極夜で太陽光が届かなくなるからだと考えるほうが遙かに自然でしょう。

また、大抵の化学反応がそうであるように、オゾンも温度が低いほど作られにくいといわれています。北極より寒い南極のほうがオゾンの供給が落ち込む期間が長く、その地域が広くなる傾向もこうした要素を考慮すると理解しやすいですね。

加えて、オゾンホールは暖冬ほど小さくとどまり、厳冬ほど大きく発達するという顕著な傾向があるんですが、これもオゾン供給量の変化がオゾンホールの原因になっていると考えたほうが理に叶っているといえるでしょう。

いずれにしても、「フロンがオゾン層を破壊する」と言い張る人達は、オゾン層の穴を塞ぐ方策を考える前に、自分たちの仮説の穴を塞ぐ方策を考えるべきですね。


このオゾン層破壊問題も地球温暖化のそれと同様に不完全な科学的根拠で盲目的に既成事実化が進められ、国際的な取り決めが結ばれました。こうなってしまうと、もう誰にも止めることはできなくなります。狡猾な人間がこれに便乗して利権をむさぼるという、お決まりのパターンになっているのかも知れません。

ま、そもそもこのオゾン層破壊問題そのものが利権絡みの陰謀めいていますけどね。何せ、この問題が本格的に騒がれ始めたのはフロンの特許が失効し、誰でも自由にフロンを作れるようになる何年か前のことでしたから。

「フロンは環境破壊ガスだ」という濡れ衣を着せてしまえば、「フロン廃絶」という国際世論の一丁上がりです。ウイーン条約だのモントリオール議定書だの、フロンを規制する国際的な取り決めが発効したことで、「誰でも自由に作れる安価で便利なガス」になるはずだったフロンは「誰も作ってはいけない環境破壊ガス」ということになってしまいました。

先進国の巨大資本ケミカルメーカーがこぞって「オゾンを破壊する塩素」を含まないハイドロ・フルオロ・カーボン(HFC)など代替フロンの開発とその特許取得に血道を上げていたのは、まさにフロン廃絶へ向けて国際的な取り決めが策定されていた時分でした。

ミステリーを解く鍵は「得をするのは誰か?」という動機を探るのが定石です。フロンを取り巻く問題がミステリー小説だったとして、「誰が何のために矛盾だらけの環境問題を国際世論に発展させたのか?」と考えれば、動機はモロバレ、タイミングもドンピシャですから、作品として成立しないでしょう。

いえ、こうした利権絡みのストーリーは私の勝手な憶測に過ぎませんから、鵜呑みにしないほうが良いかも知れませんけど。

(おしまい)
スポンサーサイト



テーマ:環境問題 - ジャンル:ニュース