アメリカの電気料金は日本の半額ほどで、その安い電力供給を維持できているのは全体の5割近くを占める石炭火力のお陰です。が、彼は地球温暖化対策として風力や太陽光、バイオディーゼル燃料などの代替エネルギーへシフトさせようという、人為的温暖化抑止論にありがちなパターンを支持しているようです。
何度も述べていますが、私はCO2温暖化説にかなり否定的な立場ですので、CO2排出削減そのものについては無意味なことだと考えています。有限である化石燃料の消費を抑え、少しでも先の未来へ残そうという考え方には大いに賛同できますが、石炭は石油より遙かに埋蔵量が豊富ですから、これを早急に節約しなければならないというのはやや微妙です。
代替エネルギーは例外なく猛烈に高価ですし、風力や太陽光といった不安定電源には安定化のための設備やバックアップ体制も必要で、結局は設備の二重投資となるケースが殆どです。世界一の風力発電立国であるデンマークなど自国内で変動を吸収できないため隣国に売電し、同時に隣国から電力を輸入して帳尻を合わせるという始末です。
地球温暖化がCO2の温室効果によるというのはあくまでも仮説に過ぎず、その排出量を削減しても気候変動を食い止められる保証など全くありません。しかし、オバマ氏の発言が実際に実行された場合、アメリカのエネルギーコストが猛烈に跳ね上がるのは間違いなく、産業の首を絞めるのも必至です。
このタイミングでこうしたハナシが出てきたのはマケイン陣営の最後の悪あがきの一つかも知れません。が、オバマ氏が発言したコレを本当に実行したなら、アメリカ経済の苦境はいよいよ深刻さを増すことになるでしょう。もちろん、対米輸出による収益が大きい日本経済への影響も軽微なものでは済まないでしょう。
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