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酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

外車が消えた東京モーターショー

既にメディア向けの公開が始まっている東京モーターショーですが、ご存じのように今年は海外メーカーの出展が激減し、昨年の26社から僅か3社になってしまいました。その3社もBMWのチューナーであるアルピナと、マニアックなスポーツカーメーカーであるロータス、ケーターハムといった顔ぶれで、大手メーカーやフェラーリ、ポルシェなどのビッグネームはことごとく不参加となってしまいました。

今年の春先の段階では韓国の現代自動車やフェラーリなどは出展を計画していたようですが、結局は両社とも辞退となりました。フェラーリなどは年間生産台数5000~6000台程度の規模でしかありませんが、日本はその10%程度を買ってくれる得意先のひとつですから、最後まで迷ったようで、辞退を決めたのは7月頃だったようです。

私が勤めている会社も展示会に出展することがあり、大凡の段取りは心得ていますが、恐らくあのタイミングでの辞退となると出展料が全額返ってくることはないでしょう。私の会社が出展するような業界向けの展示会でも東京ビッグサイトなどのようなメジャーな会場で行われるものは1コマ3m×3mくらいのスペースで20万円程度の出展料を取られます。例年のフェラーリの展示スペースを考えますと、そのキャンセル料も相当な額になっているでしょう。

フェラーリ430
東京モーターショー2007のときのフェラーリのブース
後方に見えるガラスの写り込みでもお解りのように
フェラーリのブースにはいつも人垣が絶えず、
海外メーカーでもひときわ高い人気を誇ってきました。
残念ながら、今年はこれを見ることができません。
出展を取り止めてもかなりの損を出したと思われますが、
判断が遅れたのはそれだけ日本のファンを考えてくれたゆえ
と好意的に受け止めてあげれば、彼らも少しは救われるでしょう。


今年辛うじて踏みとどまった3社もフェラーリ同様に日本のマーケットに依存する割合が高いということと無関係ではないと思います。例えば、アルピナはBMWの公認チューナーで、ドイツ自動車登録局にはメーカーとしての認証を受けています。つまり、単なるチューニング屋ではなく、型式の認定を受けたラインナップを整えているメーカーとして扱われているわけです。が、全体でも年間生産台数が1000台に満たない零細メーカーで、その20%ほどを日本市場で捌いています。

アルピナにしてもロータスにしてもケーターハムにしても、ニッチなマーケットで特定の客層を相手にしているメーカーゆえ、海外の大手メーカーがことごとく出展を取り止めてしまった今年の東京モーターショーは国際自動車ショーといっても非常にドメスティックな色合いが濃い内容になってしまいました。日産なども今年はデトロイトやフランクフルトといった海外のメジャーなモーターショーを欠席していますから、この不況下では費用対効果にかなりシビアな判断が下されるのでしょう。

そもそも、日本のマーケットは国産車が圧倒的に強く、輸入車のシェアもバブル期の10%台から半減している状況です。その一方、中国のようにまだまだ規模が大きく拡大していく見込みがあるマーケットが海を挟んだ近隣にあるわけで、東アジア市場のプロモーションに予算が限られているならどちらに集約的な投資をするか迷うこともないでしょう。

こうしてマーケットそのものの将来性を見れば、上海モーターショーのほうが遙かに魅力的です。東京モーターショーが今までのような方向性で進めば、海外の主要メーカーはやはり日本を通り過ぎて中国へ赴く「ジャパンパッシング」が続くことになるかも知れません。

ま、私も東京モーターショーには不満だらけで、特に露出の多いコスチュームを着せられたコンパニオンやそれ目当てのカメラ小僧たちにはいつも辟易しています。最近は20年以上通い続けた惰性で足を運んでいたような状態でしたから、今年も期待はしていません。が、ここまで海外メーカーに見切られてしまった今年の東京モーターショーの雰囲気がどんなものか、逆に見ておきたいという気になっています。

いつも土曜日から始まる一般公開日は、昨年までその翌々日曜日まで2週間あまり続きました。が、今年は会期も短縮されて明日10月24日から11月4日まで、最終日が水曜日という異例なスケジュールになっています。11月3日の祝日が入るとはいえ、週末が一つ減った分だけ来場者数も減ってしまうものと見られます。私もスケジュールが合うかどうか微妙ですが、殆どの外車が消えてしまった東京モーターショーがどんな雰囲気なのか、それだけでも感じてこようと思っています。
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