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フロアポンプの憂鬱 (その2)

ヒラメの横カムをいう神器の構造をパクり、しかしラバーブッシュをリバーシブルの米仏兼用にしてしまったが故にその構造を生かせなかったクイッカー・フィックスプロですが、全般的なつくりはなかなかのものでした。肝心なポンプの性能も非常に高く、高圧もしっかりこなせます。現在手持ちのタイヤではMAX14気圧のものが最高ですが、これも難なく入りました。

「高圧になったらシリカのピスタじゃなければ無理」というハナシもよく耳にしますが、これは完全に都市伝説の類です。少なくともSKSエアベースプロとクイッカー・フィックスプロに関しては14気圧でも余裕で入りましたので、それ以上も充分にいけるでしょう。ちなみに、シリカのゲージは15気圧までしかありませんが、SKSエアベースプロのゲージは17気圧まで、クイッカー・フィックスプロは16気圧まであります。

ま、シリカはパッキンなどのスモールパーツが入手しやすいので末永く使えるとか、重いスチールベースで安定感があるとか、ロゴがカッコイイとか、佇まいが素晴らしいとか、色気があるとか、そういう部分も含めて「最高」というのであれば特に異論はありません。が、高圧までストレスなく入るポンプ性能だけに関していえば、代わりはいくらでもあると思います。

ということで、クイッカー・フィックスプロが全般的にイマイチだったなら諦めもつきますが、かなり良い線を行っているだけに、返す返すもあのヘッドは惜しまれます。ブッシュを圧縮する構造そのものは理想的なヒラメの横カムと全く同じレバーアクションでありながら、バルブの締め付け具合を安物の携帯ポンプと大差なくしてしまった全ての原因は、バルブをくわえるラバーブッシュのつくりの悪さです。リバーシブルで米仏兼用にしてしまった中途半端でありがちな構造が残念でなりません。

rubber-bushing.jpg

前回の写真の使い回しで恐縮ですが、こちらを向いている穴がプレスタ(仏式)バルブに合わせるほうです。プレスタバルブに合う部分の奥行きは3mmほどで、その奥はシュレーダー(米式)バルブが納まる内径になっています。このせいでラバーブッシュの締め付けが弱く、剛性も低く、一応エア漏れは防げるレベルまで締るものの、バルブの先端部が奥の空間で遊んでしまい、非常に落ち着きが悪いという状態なんですね。

ヒラメはプレスタバルブが丁度納まる内径の真鍮削り出しの部品でラバーブッシュをサンドイッチしてガッチリと圧縮しています。そのため、剛性が非常に高く、奥に入っていくバルブ先端も遊ばず、バルブの抜き差しがしやすいのに確実に絞まり、バルブをしっかり固定してくれます。

シュレーダーバルブ対応にするにはその中身を別売のものと入れ替える必要があるのですが、定価で630円のほどの部品です。製造原価はもっと安いでしょうから、その分のコストを裂いてでも、同じような構造にすべきでした。ゲージ部分にバルブを設けて減圧できるようにした無意味なギミックを仕込むくらいなら、肝心のヘッドで妥協すべきではなかったでしょう。

hirame-adapters.jpg
ヒラメのシュレーダー用(上)とプレスタ用(下)
いずれも真鍮削り出し(プレスタ用はメッキがけ)で、
左の部品が右の部品の中にあるラバーブッシュを圧縮します。
プレスタ用は定価420円、シュレーダー用は定価630円で入手可
ラバーブッシュだけなら定価105円で入手可能です。


いやもう、こんなに勿体ないと思ったことは最近あまりありませんね。折角ヒラメと同じ構造でブッシュをキッチリ圧縮できる構造を持っていながら、肝心のブッシュが安物の携帯ポンプと同じですから。そこで私は考えました。ヒラメのブッシュをエア漏れなくキッチリ圧縮し、バルブが中で遊ばないように最低限の空間を確保するスペーサーを作ってやれば良いのでは? と。

ということで、こんな部品を作ってみました。

original-spacer.jpg
ラバーブッシュやOリングに密着してエア漏れがないことを確認しましたので、
普段は見えないところに納まる部品に過剰な表面研磨は必要ないと判断しました。
仕上げはかなり粗いところでやめましたが、ちゃんと機能してくれます。


東急ハンズで入手した15mmφ×20mmの真鍮の円柱を加工しました。外径を14mmまで削り、内径6mmの穴を開け、長さを12mmほどに切り、これにヒラメのプレスタ用ブッシュを買ってきて組み合わせました。あの役に立たないデフォルトのラバーブッシュをゴミ箱に叩き込み、この自作部品とヒラメのブッシュを仕込んだら、全ての感触はヒラメと全く遜色ないレベルに至りました。

加工は全て自力でやりましたので、かかった費用は真鍮の円柱とヒラメのスモールパーツ代を合わせて350円弱といったところです。たった350円の出費であのトホホなヘッドが世界最高のポンプヘッドとほぼ同じになりました。手間はかかりましたが、もの凄く得した気分です。(と同時にかねてから欲しいと思っていた旋盤が本気で欲しくなってしまいました。)

上の写真のような部品を製作できる方には、リーズナブルで最高レベルのフロアポンプになるクイッカー・フィックスプロはかなりオススメです。が、こうした部品を作れないという方は下位モデルでも良いので、素直にヒラメのヘッドに替えた方が後悔しないと思います。

(おしまい)

テーマ:自転車 - ジャンル:趣味・実用

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