酒と蘊蓄の日々

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ここでもエセエコ

先週の土曜日に首都高の代々木パーキングエリアがリニューアルオープンしたそうです。

代々木PAリニューアルオープンのご案内

平成20年4月26日(土)午前10時に、高速4号新宿線(上り)代々木パーキングエリアをリニューアルオープンしました。
 パーキングエリアを施設を立体化することにより駐車台数を増やし、環境やユニバーサルデザインに配慮した施設を整備しました。
 また、気軽にちょっと立寄れるレストラン「よよぎの森」と「ドトールコーヒーショップ」をオープンしました。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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ま、あそこは狭くてボロくてトイレも汚いパーキングエリアだったのでリニューアルさせるのは結構なことだと思います。が、やはりありがちな環境指向のアピールが鼻につきますね。もはやエコロジーを謳わないと社会に認めてもらえないという強迫観念みたいなものをみんなが背負い込んでいるような気がします。

でも、実際の内容を見てみますと、またしてもイメージ先行、実態の調査など一切なし、といった感じですね。リニューアルオープンに先立って首都高から出されたプレスリリースの一部を抜粋してみましょうか。

環境に配慮したエコPA

 代々木PAは、環境に配慮したエコPAを志向しています。
 太陽光発電の「ソーラーパネル」は、建物の電灯等電力を補い、風力、太陽光を利用する「ハイブリッド発電設備」は、無料の携帯電話充電サービスへ電力供給しています。
 駐車場に遮熱舗装を採用し、高速道路本線とPAを仕切る壁と屋上を緑化、建物の窓には低放射複層ガラスを使用しました。
 施設壁面への植栽ボックスの設置や高木植樹など、環境を配慮するとともに、明治神宮の森に隣接した緑の環境にマッチした空間づくりを目指しました。


そもそも、私は太陽光発電も掛け値なしで環境負荷低減につながっているのか疑問を感じています。最大の理由は昼間しか電力の供給ができないからです。もちろん、雨天や曇天でも発電効率は低下します。風力発電もそうですが、こうした不安定電源には必ずバックアップが必要になりますから、場合によっては設備の二重投資となり、本当に環境負荷を低減させているのか厳密なLCAを行わなければ結論は出せないでしょう。

ま、それは良いとしても、たかが携帯電話の充電ごときに風力と太陽光の「ハイブリッド発電設備」を設置するのは資源の浪費になっている疑いを強く感じます。レストランやドトールコーヒーもあるそうですから長居をする人もいるでしょうが、パーキングエリアで携帯電話の無料充電サービスを利用する人がどれだけいるのでしょうか?

この設備を導入するためのエネルギー投入量と、この設備のお陰で低減できるエネルギー消費量と、そのエネルギー収支が黒字になる見込みは本当にあるのか、きちんとアセスメントをやったというのなら是非ともそのデータを見せて頂きたいものです。

また、このパーキングエリアのレストランから出る廃食用油は、「軽油代替燃料に変換して首都高の維持車両などの燃料として使用する」ということになっているそうです。が、本当に環境保全を指向するのであれば、ゼロエミッションを目指すべきです。揚げ油は最小限で済むように工夫し、そうして何度か使用した油は炒め物に再利用して使い切るなど、廃油を出さないようにするというのがもっとも望まれる姿です。

廃食用油をそのままディーゼル燃料として使用すると、様々な問題につながる恐れがあります。燃料ポンプに不純物などが付着してトラブルの原因になったり、性状がエンジンの特性に合わず、排出ガスに含まれる汚染物質が増えるなどの懸念があるんですね。

このため、廃食用油をリサイクルしてディーゼル燃料とする場合、グリセリンを取り除くなどの化学処理を施し、FAME(脂肪酸メチルエステル)に変換して利用するのが一般的です。首都高の場合も「軽油代替燃料に変換して」と謳っていますから、同様の処理が施されるのは間違いないでしょう。

もちろん、こうした化学処理にはエネルギー投入が不可欠です。メタノールや触媒も必要になります。廃食用油由来のバイオディーゼル燃料はカーボンニュートラルだといわれることも多々ありますが、これも全くの幻想に他なりません。

また、下手にリサイクルなどすると食用油の無駄な消費を促す恐れがあります。現在は食用油の価格が高騰している分だけ浪費を抑えようという傾向はあるかも知れませんが、リサイクルは大量消費の免罪符になってしまう側面も併せ持っています。リサイクルをすれば「環境に良い」と思い込み、大量消費に罪悪感を感じさせなくなることが往々にしてあります。

本心から環境保護を考えるなら、「リサイクル(再資源化)」より「リユース(再使用)」、「リユース」より「リデュース(消費削減)」を優先させるべきです。上述のように、食用油は食用油として利用し切ってしまい、消費量の削減を優先させるのが理想的な状態であるということを知るべきです。


・・・などと偉そうなことをほざきましたが、実は首都高も私の勤める会社のクライアントでして、私たちの飯のタネだったりするのでした。

テーマ:環境問題 - ジャンル:ニュース

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まとめ

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