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ハイテク水着は不公平? (その1)

イギリスのスピード社が開発した競泳水着「レーザーレーサー」が大衆メディアの間でも大きな話題になっていますね。中には大学の水泳部の選手に着せてタイムを計ってどれだけ短縮したみたいなデータを示すテレビの報道番組もありました。また、「スポーツは純粋に選手の能力が競われるべきで、それ以外の条件に差があるのは不公平ではないか?」といった論調と共に報じられるケースも多く見られますね。

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レーザーレーサーを着用するアラン・ベルナール
今年3月に開催されたヨーロッパ選手権で
フランスのアラン・ベルナールは
100m自由形の世界記録を2度更新、
50m自由形も世界新をマークし、
大会中3日連続で世界新を叩き出しました。
50mの世界記録はわずか4日でオーストラリアの
イーモン・サリバンに奪い返されましたが、
サリバンもレーザーレーサーを着用しています。


中には「ハイテクドーピングだ」などという過激な論調もありますが、そんなことをいったら機材スポーツの発展はあり得ませんね。我々自転車乗りも機材に頼る部分は大いにあります。だから私などもホイールやタイヤなどをはじめ、様々な部品を取っ替え引っ替えしているわけですね。

自転車競技もロードレースやトラックレースなどは近代オリンピックが始まった当初から正式種目になっていましたが、ハイテク機材の導入も古くから進められてきました。私が知る範囲では、目に見えて大きな変化が始まったのは1980年代だったと思います。

トラックレースなどではブルホーンハンドルや前後異径ホイールが採用されたいわゆるファニーバイクが用いられるようになったり、ディスクホイールが使用されるようになったり、殊に空気抵抗の低減を意識した進化はこの頃から大きな潮流に乗ったように思います。その後も構造や素材などの進化が常に続いているのはいうまでもありませんね。

ただ、自転車なども競技者の身体的な能力に左右される要素が非常に大きいので、機材の性能差が及ぼす影響も限定的です。同レベルの選手で競い合ったときに最後の一押しになるといった程度が殆どでしょう。レーザーレーサーもそうした次元のものだと思います。

一方では機材の性能がもっと大きく影響するスポーツがあります。モータースポーツなどはその最たるものですが、オリンピックにもそれに近い競技があります。私の想像がおよぶ範囲で、機材性能にもっとも左右されるオリンピックの競技はソリ競技になると思います。殊に「氷上のF1」ともいわれるボブスレーなどは機材性能が成績に大きく影響するようです。

ボブスレーもリュージュもスケルトンも、スタートダッシュでどれだけ加速できるかという要素はありますが、それ以降は如何に上手くソリをコントロールするかという部分以外、競技者の能力を発揮できる要素が殆どありません。せいぜい、リュージュやスケルトンなどで頭をあまり上げないようにして空気抵抗をできるだけ少なくするといった程度でしょう。

ボブスレーの場合は複合素材で作られたカウルが被されており、その空気力学的な設計次第で空気抵抗や安定性などもかなりの範囲で決まります。また、氷を捉えるランナーの性能も摩擦抵抗の少なさや舵の効き、安定性などに大きく影響するでしょう。

最初の加速以外は地球の引力に引かれて滑り降りていくだけで、そもそも動力のない乗り物です。なので、それをコントロールする能力以外に勝敗を決する要素はソリの性能がもっとも大きい部分になるでしょう。それ故、レースカーデザイナーの由良拓也氏はボブスレーを見て「デザイナー魂を刺激された」と語ったのだと思います。

(つづく)

テーマ:スポーツ - ジャンル:ニュース

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