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人網汲汲密にしても漏らす (その1)

日本でも野球やサッカーなどのプロスポーツでアンチドーピングコントロールの在り方が話題に上るようになってきましたね。プロ野球では2人目の違反者が出たことから毎日新聞でも社説で取り上げられていました。

社説:球界薬物汚染 違反の摘発は「くじ頼み」か 

昨年度からドーピング(禁止薬物使用)検査を本格導入したプロ野球で、2人目の違反者が出た。日本プロ野球組織(NPB)は26日、巨人のルイス・ゴンザレス選手の尿から禁止薬物が検出されたとしてゴンザレス選手を1年間の公式戦出場停止処分にした。

 検出されたのは、いずれも興奮作用があるとして禁止薬物に指定されている3種類の薬物だった。これらは以前、大リーガーの間でまん延していると指摘された通称「グリーニー」と呼ばれる興奮剤を使用したときに特徴的に検出される薬物だという。

(中略)

 まず、検査の徹底だ。ゴンザレス選手はくじ引きの結果、他の3選手とともに検査対象になったという。くじからはずれていたら、今回の違反も発覚しなかったということだろう。

 昨年1年間、NPBが実施したドーピング検査の検体数は134。全プロ野球選手の2割にも満たない。1軍選手全員、あるいは一定額以上の年俸の選手は全員、検査を受けるように改めるべきだ。

 1検体当たり数万円の検査費用がかさみすぎるというのは資金の乏しいアマチュア競技ならいざ知らず、メジャースポーツのプロ野球では通用しない。プロ野球の「尊厳」を守るための必要な経費と考えれば高すぎることはあるまい。

(後略)

(C)毎日新聞 2008年5月28日


ま、大筋においては私もほぼ同意見です。現在の日本プロ野球界のアンチドーピングコントロールに対する取り組み方に関しては、この緩さが問題でしょう。しかしながら、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということもあるのは事実で、アンチドーピングコントロールも行き過ぎるとスポーツの「尊厳」を守るという名目の上で選手達の「尊厳」を脅かす場合があります。

私の知る範囲では世界で最もドーピングに厳しいプロスポーツはヨーロッパのサイクルロードレースだと思います。彼らのアンチドーピングコントロールに対する姿勢は非常に厳格といえる一方、度を超していると思われる事例も少なからず見られます。

持病のぜんそくの症状緩和に使用が許可された気管支拡張薬の投薬量を誤っただけと見られるアレッサンドロ・ペタッキがスポーツ仲裁裁判所からこれをクロとされる逆転判定を受けたのは以前にもお伝えした通りです。過去に遡る変則的な1年間の出場停止処分で今年8月までレースに出場できなくなったペタッキは所属チームのミルラムから解雇されるという憂き目にあいました。彼に何の落ち度もなかったとはいえないでしょうから、ある程度の処分は仕方ないとも思えます。が、解雇にまで至ってしまうのは行き過ぎの感が否めません。

petacchi_was_fired.jpg
チームから解雇されたペタッキ
ペタッキの所属チームであるミルラムは
5月16日に彼の解雇を発表しました。
この写真はAFPがそのニュースを伝える
ページから拝借したものですが、
昨年の公聴会を終えた後の様子だそうです。


もちろん、ペタッキのケースはほんの一例に過ぎません。現在のヨーロッパのサイクルロードレース界は私の目から見てエスカレートし過ぎていると思われる事例がいくつもあり、またそれが容認されている状態がそもそも異常だと思います。

例えば、今年の1月のハナシです。スペインはトスカーナ地方でキャンプ中だったランプレに対し、抜き打ちのドーピング検査が行われました。その検査官が彼らの宿舎に踏み込んだのは午後11時を過ぎた頃で、選手達は既に就寝中だったそうです。しかも、最後に検査を受けたマルツィオ・ブルセギンやパオロ・ティラロンゴらが検査を終えて自室へ戻ったのは日付が変わった午前3時半だったといいます。

こんな非常識な検査が強行される状態で選手達の尊厳が守られていると評することは不可能でしょう。他にもプライベートでの会食中だった席に乗り込まれたなど、選手の人格を無視した抜き打ち検査のハナシに事欠かないヨーロッパのサイクルロードレース界は集団ヒステリーに陥っているようにも見えます。

(つづく)

テーマ:スポーツニュース - ジャンル:ニュース

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