酒と蘊蓄の日々

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タタってどうなの?

と、最近よく聞かれます。ご存知のことと思いますが、タタ・モーターズというのは例のインドの財閥系自動車メーカーで、最近「ナノ」という10万ルピー(約28万円)のチープカーを発表して日本でも一躍有名になりましたね。

tata_nano.jpg
TATA NANO

私はタタの実車を一度も見たことがありません。新聞やテレビのニュース、ネットで流れている情報などでしか触れていませんので、皆さんと何ら変わらない状況だと思います。なので、憶測以外は何とも言いようがないというのが率直なところです。が、安さ爆発で日本の大衆メディアも食いついたナノについては、過去の事例に照らして特別大騒ぎするほどではないような気がします。

そもそも、インドではIT業界関係者は富裕層になりますが、それでも平均年収は60万ルピーほどです。一般市民のレベルでは平均年収が2~3万ルピーほどといわれていますから、10万ルピーといっても彼らの年収3~5年分と、高嶺の花であることに違いありません。恐らく、10万ルピーのナノを買える市民はいまでも中古車なら充分に買える上位中間層以上の階層になるでしょう。

こうした状況から思い起こされるのは、クライスラーが1994年にネオンを発売したときです。当時の日本の大衆メディアは「1万ドルカーが日本車を太平洋に駆逐する」とでも言わんばかりの大騒ぎになりましたが、翌年の北米市場を見ると日本車は前年同月比で数%売り上げを伸ばす結果になっていました。要するに、ネオンは日本車と殆ど競合しなかったんですね。ネオンが喰ったマーケットは結局のところ中古車のそれだったんです。

私はナノもそれに似た状況になるような気がします。スズキのマーケットより中古車マーケットを喰うかたちで落ち着くように思うんですね。つまり、簡素で何も付いていない新車のナノか、程々の中古車かという選択を購買層に迫るだけで、スズキの新車とは直接競合しないのではないかと私は見ています。ま、あくまでも勝手な憶測に過ぎませんが。


私も詳しくは知りませんでしたが、タタ・モーターズの創業は1945年で、ホンダよりも3年ほど長い歴史のある自動車メーカーなんだそうですね。もっとも、インド国内の乗用車マーケットは最近になって急拡大してきたこともあり、ずっとトラックなどの商用車を中心としてやってきたメーカーのようですが。2004年には韓国の大宇からトラック部門を買収し、世界シェア5位のトラックメーカーになっているんですね。

また、タタは経営不振のフォードが保有していたジャガーとランドローバーのブランドを先月落札したと伝えられています。ということは、そう遠くないうちにイギリスの銘車ジャガーとランドローバーのブランドも展開していくことになるわけです。

私はむしろこうしたタタのグローバル戦略のほうが気になります。ナノなどはインドや近隣国のチープなローカルマーケットではそれなりの戦略車になると思いますが、グローバルマーケットではあまり通用しないと思います。ま、この辺は専門家ではないので明言できませんけど、少なくともナノが日米欧の成熟したマーケットで売れるクルマでないのは間違いないですし、これらのマーケットと直接的に関わるのはジャガーやランドローバーになるのも間違いありません。


いまどきの自動車ビジネスは資本と部品供給が確保できれば、マーケットへのアクセスや治安が悪くない限り展開できないところのほうが希でしょう。いずれは自動車もいわゆる白物家電のように新興工業国で生産されるのが当たり前となる時代が来るかもしれません。アメリカのビッグスリーなどはゼネラルエレクトリックのようなコングロマリット(複合企業)を目指すようになるかも知れません。私はもう何があっても驚かない心の準備をしています。

テーマ:自動車全般 - ジャンル:車・バイク

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