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「エコ替え」のウソ (その1)

テレビCMなどマスメディアを通じてトヨタが盛ん呼びかけている「エコ替え」ですが、猛烈に評判が悪いですねぇ。

ecogae01.jpg

ま、私も最近クルマやパソコンを買い替えたばかりであまり偉そうなことはいえませんが、世間では手放しでエコカーと認知されているプリウスもライフサイクルで見れば大したことはない(恐らく普通の軽自動車のほうが優れている)との判断から、コレに買い替えた際も私は全く「エコ」を標榜していません。なので、私の場合はトヨタのような偽善がないだけマシでしょう。

以前から古い自動車や家電製品など、エネルギー効率の悪いものを長く使うより、エネルギー効率が改善された最新型に買い替えたほうが環境に良いとするキャンペーンはありましたし、国や地方自治体もこれに荷担するような動きはありました。が、これまではどちらかというと「買い替えの際にはより省エネなものを」といった傾向が強かったように思います。

今般のトヨタのように「まだ使えるけど」CO2排出量の少ないものに買い替えましょうと推奨するパターンはそんなに多くなかった印象でした。が、やはり露骨に代替えを訴えかける内容は、世間一般にもかなりの不快感を与えているようです。実際、「エコ替え」でキーワード検索してみますと、トヨタのサイトを除く殆どのサイトで批判的な意見が述べられていますし。

こうした環境負荷にかかる評価は資源調達から最終処分に至るまでのライフサイクル全般を通じた環境負荷の評価、即ちLCA(Life Cycle Assessment)で評価しなければ無意味で、部分的なデータだけでは本末転倒になる恐れがあると当blogでは何度もお話ししてきました。

新幹線のEgo主張?」と題したエントリでもインフラにかかる環境負荷を無視して新幹線と航空機のCO2排出量を比較したのはアンフェアだと述べましたし、「プリウスのジレンマ」と題したエントリでもLCAで評価すると生涯走行距離が短くなるほどプリウスはアンチエコカーになる可能性があると述べました。

この「プリウスのジレンマ」で用いたグラフは第三者機関ではなく、トヨタ自身が実施したISO14040シリーズに準拠したLCAになります。「トヨタではLCAにより相対的な環境メリットを確認することを目的としているため、評価結果は指数で示しています。」と断っている点もかなり引っかかります。

しかしながら、プリウスに関してはイニシャルにかかる環境負荷を無視してランニングにかかる環境負荷だけを比較したほうが遙かに有利なのは間違いありません。そうした点を鑑みれば、LCAによる比較を行っているだけでも新幹線の部分比較のような大きな誤魔化しがない分だけずっとマトモと考えるべきでしょう。


さて、トヨタが提唱する「エコ替え」が本当に意味のあることなのか検証するには、やはりLCAで考えなければ無意味です。しかし、自動車の資源調達から最終処分までが検討されたLCAのデータは殆どなく、私の知る範囲ではプリウスのそれ位しかありません。そこで、このデータを元に「エコ替え」が本当に意義のあることなのか考えてみることにしました。

prius_lca100000.gif

このCO2排出量を評価するグラフでプリウスの比較対象となっているのは「同クラスのガソリン車」ということになっています。プリウスは常々2000ccクラスのセダンに相当するといわれていますから、プレミオ/アリオンあたりがそれではないかと見られています。そこでこのデータを利用しながら、昔の同車種からそのまま新型に代替えさせることを想定して比較してみたいと思います。

ただし、10年前にプレミオ/アリオンという車種はありませんでした。これらは実質的にコロナ/カリーナの後継ということは周知の事実ですから、10年前のコロナと比較してみます。

「エコ替え」のサイトにある「あなたのクルマと燃費比較」によれば、現行のプレミオのCO2排出量は1kmあたり0.15kgになりますが、10年前のコロナは1kmあたり0.19kgになります。つまり、この10年でCO2の排出量は21%削減されているということになるわけですね。念のため他の代表的な車種でも確認してみましたが、やはり18~24%程度の削減になっているようです。

そこで、10年サイクルの代替えで21%ずつCO2排出量が削減されるパターンと、3年前倒しした「エコ替え」を想定して7年サイクルで約15%(※)ずつCO2排出量が削減されるパターンを比較してみることにしました。(※10年で21%削減されるなら、7年では21%の7割と単純計算し、15%削減されると想定しました。)

ecogae02.jpg
※製造や廃棄の際にかかるCO2排出量がどれだけ低減しているか
という具体的なデータはありませんので、走行時にかかるもの以外は
便宜上削減量ゼロとしています。


ご覧のように3年前倒しの7年サイクルによる「エコ替え」のほうが明らかに環境負荷が大きくなっていますね。製造や廃棄の際にかかるCO2排出量はもっと減っていると考えれば7年サイクルにやや不利な検討結果ではないかと思われるかも知れませんが、そもそもこのグラフにはハンデがあります。

(つづく)

テーマ:環境問題 - ジャンル:ニュース

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