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海面上昇の前にごみによって滅びやしないかと思わせるほどごみの島だ。
海面上昇に対しては熱弁を振るうイエレミア首相だが、ごみに関しては質問してもさほど関心がなかったように感じられた。首相に限らず島民にごみに関して意見を聞いてみてもやはり気にしている様子がなかった。これは環境教育がなされてこなかった事と、以前は捨ててもごみになるような物がなかったのが、急激に生活習慣が変化し、以前と同じようにプラスチックやガラス、金属を捨てればすぐに土に戻るものだと考えているようだった。温暖化による被害でツバルは日本、台湾を筆頭に豪州やニュージーランド、イギリスなどからあらゆる援助を受けているが、ごみ問題に関しての援助はなされていない。またツバル政府にもごみ処理計画なるものはないに等しいとのことだった。
(前略)
今では住民1万2000人の半数近くが、増え続けるゴミと青い海のはざまで暮らしている。政府はゴミ問題に対処する力あるいは意思がなく、外国の支援もほとんど無駄になっている。
昔ながらの生活の術は忘れられ、食料は輸入食品(大半が缶詰)に頼りきっているありさま。食品の包装材は、フォンガファレ島を中心とするフナフティ環礁を汚染する主要な原因の一つとなっている。
今では小さい島や環礁を離れたり、外国へ移住する人が後を絶たない。ツバル政府は彼らを「温暖化難民」と呼ぶが、政治の失策をごまかす言い逃れにすぎないとみる向きもある。
(中略)
この国では、政府が経済を牛耳っている。政府は漁業権やインターネット上のドメイン名「.tv」の売却益などでも稼いでいるものの、主な収入源は外国からの援助だ。
(中略)
外国援助への依存は腐敗を生みやすいが、ツバルも例外ではない。ドイツのNGO(非政府組織)トサンスペアレンシー・インターナショナルは04年の報告書で、ツバルの「閣僚は国内外の会合などに出席する際、滞在期間を延ばして不当な日当を受け取ったり、私的な海外旅行に公費を流用している疑いがある」と指摘している。
南太平洋諸島の大半の国で、政府関係者は毎年かなりの期間を海外出張にあてる。収入はそれほどでもない彼らの多くがオーストラリアやニュージーランドに別荘を持ち、子弟を海外で学ばせている。
政府関係者の懐は潤っても、緊急に対処すべきゴミ問題に外国からの援助金が投じられる気配はない。ゴミの山はどんどん大きくなるが、ゴミ処理計画を実施しようという政府の動きはみられない。
(後略)
(C)Newsweek日本版 2007年7月11日号
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Author:石墨
元自動車業界人で現在は機械メーカーに勤める日本人です。
趣味は自転車とクルマとカメラということにしていますが、知人に言わせれば「一番の趣味はマスコミ批判じゃね?」とのことです。
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