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ツバルの虚と実 (その3)

ツバルのゴミ問題が異常事態といえるのは、政府が危機感を微塵も感じておらず、何の手立ても打とうとしないところです。前々回ご紹介した『Newsweek(日本版)』以外にもネット上でこの惨状を伝えている人達は沢山います。「ツバル ゴミ」でイメージ検索すれば画像も沢山見つかりますので、改めてご紹介しましょう。

ツバルのゴミ_2
建物と椰子などの茂みの間をゴミが埋め尽くしています。

ツバルのゴミ_3
民家の庭先までゴミが押し寄せています。

ツバルのゴミ_4
家電製品などもそのまま投棄されています。

ツバルのゴミ_5
クルマもそのまま投棄されています。

ツバルのゴミ_6
浜辺や茂み、建物などを除く空きスペースが
殆どゴミで埋め尽くされてます。


アルピニストの野口健氏もツバルを訪問し、アピサイ・イエレミア首相と会談しているそうで、その模様は彼の公式サイトでも紹介されています。ただ、彼も温暖化人為説を鵜呑みにしており、「ツバルは地球温暖化による海面上昇によって沈む島」という世間一般の認識と全く同じ先入観を持っているようです。が、そんな彼をしても『ごみに埋まるツバル』というレポートでこう述べています。

海面上昇の前にごみによって滅びやしないかと思わせるほどごみの島だ。


また、同レポートにはこうあります。

 海面上昇に対しては熱弁を振るうイエレミア首相だが、ごみに関しては質問してもさほど関心がなかったように感じられた。首相に限らず島民にごみに関して意見を聞いてみてもやはり気にしている様子がなかった。これは環境教育がなされてこなかった事と、以前は捨ててもごみになるような物がなかったのが、急激に生活習慣が変化し、以前と同じようにプラスチックやガラス、金属を捨てればすぐに土に戻るものだと考えているようだった。温暖化による被害でツバルは日本、台湾を筆頭に豪州やニュージーランド、イギリスなどからあらゆる援助を受けているが、ごみ問題に関しての援助はなされていない。またツバル政府にもごみ処理計画なるものはないに等しいとのことだった。


何故、ツバルではゴミ処理を行わず手当たり次第に投棄し、汚水処理を行わず海に垂れ流し、サンゴ礁を掘削して道路建設の骨材にしたり、元々洪水が発生していた低地の沼を埋め立てて居住区を拡大するなど無計画な土地利用を行っているのでしょうか? 『Newsweek(日本版)』のレポートによれば、それはツバル政府が腐敗しているからのようです。

(前略)

 今では住民1万2000人の半数近くが、増え続けるゴミと青い海のはざまで暮らしている。政府はゴミ問題に対処する力あるいは意思がなく、外国の支援もほとんど無駄になっている。
 昔ながらの生活の術は忘れられ、食料は輸入食品(大半が缶詰)に頼りきっているありさま。食品の包装材は、フォンガファレ島を中心とするフナフティ環礁を汚染する主要な原因の一つとなっている。
 今では小さい島や環礁を離れたり、外国へ移住する人が後を絶たない。ツバル政府は彼らを「温暖化難民」と呼ぶが、政治の失策をごまかす言い逃れにすぎないとみる向きもある。

(中略)

 この国では、政府が経済を牛耳っている。政府は漁業権やインターネット上のドメイン名「.tv」の売却益などでも稼いでいるものの、主な収入源は外国からの援助だ。

(中略)

 外国援助への依存は腐敗を生みやすいが、ツバルも例外ではない。ドイツのNGO(非政府組織)トサンスペアレンシー・インターナショナルは04年の報告書で、ツバルの「閣僚は国内外の会合などに出席する際、滞在期間を延ばして不当な日当を受け取ったり、私的な海外旅行に公費を流用している疑いがある」と指摘している。
 南太平洋諸島の大半の国で、政府関係者は毎年かなりの期間を海外出張にあてる。収入はそれほどでもない彼らの多くがオーストラリアやニュージーランドに別荘を持ち、子弟を海外で学ばせている。
 政府関係者の懐は潤っても、緊急に対処すべきゴミ問題に外国からの援助金が投じられる気配はない。ゴミの山はどんどん大きくなるが、ゴミ処理計画を実施しようという政府の動きはみられない。

(後略)

(C)Newsweek日本版 2007年7月11日号


ツバルのサンゴ礁の白化現象やマングローブの森が失われようとしている状況を生んでいる直接の原因がゴミや汚水、無計画な土地利用によるものなのかどうか、具体的なデータを見ていませんので私には判断できません。が、昔から高潮時に洪水が発生していたその場所に居住区を拡大したことが、洪水による被害を拡大している要因の一つとなっているのは間違いなさそうです。

こうした状況を鑑みれば、各国のメディアがツバルで起こっている被害の全てを地球温暖化による海面上昇のせいにしているのは、偏向報道というより誤報というべきかもしれません。政府の無策から誰が見ても解る環境破壊が進んでいても、それは世界中どこにでもあることゆえ目して語らず、海面上昇との因果関係が不明瞭な洪水を「先進国が引き起こした気候変動による被害だ」と断定的に伝えるのは、誠実なジャーナリズムの対極に位置する姿勢ではないかと思います。

もっとも、虚構で大衆をミスリードするパターンは、地球温暖化を彩るエピソードとして決して珍しいものではありませんが。

(おしまい)

テーマ:環境問題 - ジャンル:ニュース

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