酒と蘊蓄の日々

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何故、モンキー?

輪業界と自動車業界は工具に対する考え方が若干違います(恐らく、建設業界はもっと違うと思いますが)。まず、輪業界では六角棒スパナ(日本工業規格番号:JIS B4648)のことを「アーレンキー」といいますが、自動車業界では大抵「ヘックスキー」と呼び、私の知る範囲で「アーレンキー」と呼んでいる人はいませんでした。

ま、そんな呼び名などはどうでも良いのですが、輪業界で気に入らないのは専用工具/特殊工具(自動車業界では SST:Special Service Tool といいます)の扱わせ方なんですね。

最近のスポーツサイクルは日常的なメンテナンス程度なら殆どがアーレンキーでこなせますが、そこから一歩踏み込むと勢い専用工具が炸裂する世界になります。ま、これは自動車業界にも似たところはありますが、大きく異なるのはその専用工具をどうやって使うかということです。

自動車業界はソケットレンチが浸透していますので、1/2ないし3/8インチの差し込み角に対応し、ラチェットハンドルやスピンナハンドル、あるいはトルクレンチ等で使えるようになっているケースが多いと思います。特に近年は締め付けトルクの管理がシビアになっていますので、トルクレンチの使用を前提としている場合は例外なく差し込み角があります。これは非常に合理的ですね。

ところが、輪業界はこの期に及んでモンキーレンチで専用工具を扱わせようとするんですね。何故かはよく解りませんが、自動車業界ほどソケットレンチが普及していないからかも知れません。

例えば、スプロケットカセットの脱着工具、いわゆる「スプロケ抜き工具」ですね。

ちなにみ、昔は「フリー抜き工具」ということのほうが多かったように思いますが、これは恐らく「スプロケットをフリーホイールから抜く」という意味だったのだと思います。単に「フリー抜き」というとフリーホイールをハブから抜くようなイメージになってしまいますから、現在の「スプロケ抜き」のほうが明確に工具の目的を示しているでしょう。

いきなり脱線してしまいましたが、専用工具としてはかなりベーシックな、このスプロケ抜き工具がまさに「モンキーレンチで回せ」という工具なんですね。ま、別にメガネレンチで回しても良いのですけど。

TL-HG16_1.jpg

これがシマノ純正のスプロケ抜き工具TL-HG16です。以前はシャフトが付いていなかったので、一度クイックシャフトを装着してから回すことが推奨されていました。このシャフト付になって使い勝手は格段に良くなりましたね。2006年7月にはさらにマイナーチェンジして、無用に長かったシャフトが短くなり、さらに使いやすくなったようですが、写真はマイナーチェンジ前のものです。

パークツールからはFRW-1フリーホイールリムーバーレンチという、これを装着する専用のハンドルが売られています。が、定価で9,355円(税込・2008年1月現在)と、どこの酔狂な金持ちが買うのか、パークツール(というより、日本代理店のホーザン)は何を考えてこの値段にしたのか私には理解できません。

機械モノでアフターサービスなどのコストがかかるような製品ならともかく、この種の工具はせいぜい補修パーツの供給くらいですし、この製品については補修パーツといっても別部品はロックボルトくらいですし、それでこの価格はちょっとボリ過ぎじゃないかと思うんですけどねぇ。アメリカでも43.35ドルと決して安くはないようですが、日本の半額程度なのでまだマシです。

BBBなどからはハンドル付のものも売られています。もっとも、肝心のハンドルが妙に短くて締めるときはともかく、固く締まったそれを緩めるには少々力不足という、何とももどかしいものなんですね。

実は、シマノからTL-LR10という1/2インチの差し込み角付が発売されています。

TL-LR10.jpg

ご丁寧にエアーインパクトレンチでも使えるようにピンを通す穴まで設けられています。でも、クイックシャフトが不要となるシャフト付ではありませんし、これにクイックシャフトを通すと差し込み角が塞がれてしまいます。ま、要するに、これは互換性のある12ポイントのスプラインが切られたMTBのセンターロック式ブレーキローター向けの着脱工具なんですね。

私はモンキーレンチのようなプリミテヴな工具はあまり好きではないので、何とかソケットツールで使えるようにならないかと思案しました。例えば、シャフトには殆ど応力がかからないのでTL-LR10を改造してシャフトを取付けてやろうか? とか、二面幅23mmのソケットにアルミ箔か何かをシムにしてTL-HG16を叩き込んで固定してみてはどうだろうか? などといった構想を練っていたわけですね。

でも、ある日、理想的なツールがジャグワイヤーから出ていることを知りました。

WST-015.jpg

WST-015という1/2インチの差し込み角がついたシマノ用のスプロケ抜きです。

WST-015+4768N.jpg

コーケンのスピンナハンドルと組み合わせるとこうなりますが、パークツールのFRW-1フリーホイールリムーバーレンチよりずっとスマートですし、高級に見えます。それでいて定価は1/2以下、実売価格はもっと安く、私の購入価格は2,800円でしたからFRW-1の1/3にもなりません。もちろん、モンキーレンチなどより使い勝手も数段上です。

WST-015+72110.jpg

言うまでもなく、トルクレンチも使えます。スチール製のフリーボディならあまりナーバスになる必要はないと思いますので、私もトルクレンチなど使わずにグイッと締めてしまいます。が、シマノも上位モデルになるとフリーボディがアルミ製やチタン製になったりします。そういうときはシマノの指定トルク(30~50N-m)を守るためにトルクレンチを使用して中位値の40N-mで締めます。

いずれにしても、最近は自転車部品の世界もマニュアルで締め付けトルクを指定しているケースが殆どですから、メーカーが専用工具を発売するなら率先してトルクレンチ対応可能な構造にすべきなんです。

輪業界は現在もなおモンキーレンチに依存し続け、その一方でトルク指定をするという支離滅裂な状況です。私にはメーカーの意図が全く理解できません。合理的な理由がないのなら、もういい加減に考えを改めるべきときが来ているように思うんですけどねぇ。

テーマ:自転車 - ジャンル:趣味・実用

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