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電動シフト今昔物語 (その2)

2年前にゲロルシュタイナーやスキルシマノでテストされていたプロトタイプの電動デュラも基本構成は市販モデルと大差ない印象です。ただ、見た目についてはCNC切削の一品モノといった感じで、商品としての付加価値を高めるようなデザイン性は完全に無視されていました。

電動デュラ(プロトタイプ)RD

リヤディレイラーもパンタグラフは78デュラの流用っぽい感じですが、全般的にプロトタイプ然とした無骨なつくりで、このときは市販を予感させない佇まいでした。が、中身はそれほど大きく変わってはいないと思います。一方、市販モデルとプロトタイプとで最も異なっているのはコントロールレバーでしょう。

電動デュラ(プロトタイプ)インジケーター

以前にも触れましたが、ブラケット上端に液晶の表示部を持ち、バッテリー残量とギヤポジションを示すインジケーターが仕込まれていました。こんな位置に表示されても見難く、デザイン的にも無様で、一目で電動シフトだということを周囲にアピールできる以外、良いことなど何もないと思います。

電動デュラ(プロトタイプ)シフター

また、写真のプロトタイプの場合、シフト操作の方法が市販モデルとは全く異なっていました。市販モデルは従来のSTIレバーと全く同じ感覚でブレーキレバー横のスイッチを押せば右手側はリヤのシフトダウン、左手側はフロントのシフトアップとなり、サブレバーのスイッチはその逆の動きになります。が、このプロトタイプはレバー内側に付いた小さなスイッチを指先でクリックする方式でした。

スイッチが大きくなるほどアクションも大きくなりますから、指先だけのほうが楽に操作できます。が、TTなどのようにポジションが殆ど決まっていればともかく、そうでない場合はスイッチが小さくなるほどそこへアクセスする動作が大きくなり、またとっさの動きで操作ミスを犯しやすくなります。また、全力でもがくなどダイナミックに身体を動かしているときに小さなスイッチに指を伸ばすという小さなアクションではあまりしっくり来ないような気もします。

ま、こうした操作系は色々な方法が試されてきたのでしょうが、最終的には「慣れ」の問題も小さくはなかったように思います。従来のSTIと同じであれば意識しなくても身体が自然に動くという人のほうが圧倒的に多いでしょう。

また、市場性を考えた場合、慣れを無視して理想を追うのは案外リスキーなものです。例えば、パソコンのキーボードなども「QWERTY」が人間工学的にベストとはいえないということで、これに替る提案は色々ありました。しかしながら、タイプライター時代からのディファクトスタンダードを突き崩すことはできずに現在へ至っています。

操作系がSTIのまま継承されたということは、STIがすっかり王道になったという自信の表れかも知れません。が、そもそも上の写真のプロトタイプはマヴィックのメカトロニックの影響を大きく受けたものといって差し支えないでしょう。

現在、ホイールメーカーとして活路を見いだしているマヴィックはキャリパーブレーキなどのパーツも細々と生産を続けていますが、昔はその名を轟かせるコンポメーカーでした。しかし、カンパやシマノ、サンツアーなどに圧されまくってジリ貧状態へ陥っていきました。スキー関連で有名なサロモンに買収されようとしていたその頃、彼らは乾坤一擲の画期的なコンポを発表しました。

それが電動メカの「ザップシステム」で、それをワイヤレス化するなどさらなる進化を遂げた「メカトロニック」でした。

メカトロニック01

電動デュラのプロトタイプとスイッチレバーの向きは90度異なりますが、考え方はほぼ同じと見て良いでしょう。シマノがマヴィックに対するオマージュとしてあのようなスイッチにしたというより、単なるパクリと考えるべきですね。シマノは1990年代に現れたこの電動メカに少なからぬ衝撃を受けていたゆえ、非常によく似た操作系を試したということなのでしょう。

(つづく)

テーマ:自転車 - ジャンル:趣味・実用

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