酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

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環境問題はいつも霧の中

今年の2月、ヴァージン・アトランティック航空がボーイング747-400をバイオ混成燃料で飛ばしたというニュースが流れました。今年の3月にはアメリカ空軍ダイエス基地所属のB1-B爆撃機も同様に超音速飛行実験に成功したそうです。航空関連でもこの手のトピックが珍しくなくなってきましたね。

バイオ混成燃料で超音速飛行に成功したB1-B
今年3月、混合比率50:50のバイオ混成燃料を用い
ニューメキシコ州にあるホワイトサンズ・ミサイル実験場上空で
このB1-B爆撃機は超音速飛行に成功したそうです。


しかしながら、以前にも取り上げたとおり、バイオ燃料に対する悪影響も多く語られていますし、却って逆効果だとするレポートもよく見かけます。

例えば、イギリス保守系シンクタンクのポリシー・エクスチェンジが一昨日、『The Root of the Matter (問題の本質)』という政策提言白書を発表しました。イギリス政府は年間1100億円におよぶ研究費をバイオ燃料開発のために投じていますが、彼らはそれを中止するよう求めています。

問題の本質
The Root of the Matter

ま、具体的な内容はこれまでにも散々指摘されてきたことの繰り返しといった印象で、主にバイオ燃料の生産拡大によって農地確保のために熱帯雨林が伐採される傾向が強まるとするものですけどね。

一方、昨年の9月にはドイツの大気化学者、パウル・クルッツェンが化学誌『ケミストリー・ワールド』にバイオ燃料の利用促進は地球温暖化抑制には逆効果になる場合もあるとするレポートを寄せています。

パウル・クルッツェン
Paul Jozef Crutzen

彼はこのレポートの中でバイオ燃料を使用すると亜酸化窒素(N2O)の排出量が化石燃料の約2倍となることを突き止めたとしています。亜酸化窒素は非常に強力な温室効果ガスで、GWP(地球温暖化係数:CO2を1としたとき、何倍の温室効果があるかという係数)は310とされており、この排出量の状況によっては却って地球温暖化を促進する可能性があるとしています。

もっとも、このクルッツェンという人物はオゾンホールの研究で1995年にノーベル化学賞を受賞しています。以前、オゾンホールの問題も矛盾だらけで恣意的に歪められている可能性を当blogでも論じました(詳しくはこちら→「フロンはオゾン層を破壊できるのか?」)。なので、個人的には何処まで彼の研究を信じて良いのやら微妙なところではあります。

殊に、現在の彼は大気の上層に硫黄を散布し、太陽光を遮ることで人為的に気候を制御する地球工学的手法を提唱しています。ですから、こうした研究が注目されるよう(そして、その研究予算を獲得しやすいよう)、彼にとって都合の良いデータを示しているだけかも知れません。

こうした問題は得てして特定の人たちに都合の良いツールとして利用されがちですから、真実がどうなっているのかは実に混沌としています。が、最近は日本の脳天気なメディアもバイオ燃料の弊害について、ある程度は認識するようになってきました。なので、バイオ燃料を巡る問題はあまり悲観しなくてもよいのかも知れません。

ただ、彼らは飽きたら忘れ去ってしまうという悪癖を持っています。あれだけ大騒ぎしたオゾンホールやダイオキシン、環境ホルモンなどのように地球温暖化問題も忘れてしまう可能性がないとは言い切れません。

少々ハナシは横道に逸れますが、いま太陽活動は不活発な状態で、黒点の数も著しく減少しています。そうした状況から地球の平均気温は下降局面にさしかかっているとする専門家(例えば、地球物理学者の赤祖父俊一氏など)もいます。

今日の太陽
今日(2008年8月28日)の太陽
ご覧の通り、黒点がありません。

WMO(世界気象機関)は今月20日に「2008年上半期は、少なくとも過去5年間で、最も気温が低かった」と発表しました。「通年でも近年では最も気温の低い年になる見通し」だといいます。もっとも、彼らはその要因をラニーニャの影響によるものとしていますけどね。

ま、短期的なトレンドで長期的な気候変動を語るのはナンセンスだということは重々承知していますので、今年の気温についてこれ以上深く論じません。が、1998年くらいをピークに最近10年の地球の平均気温はほぼ横ばいかやや下降気味に推移しているようですから、仮にこのまま気温の下降が続いていったとしたら、温室効果ガスがどうのこうのとゴタクを並べたところでさすがに大衆もついて来なくなるでしょう。

もし、そうなったときはメディアもお得意の「手のひら返し」で地球温暖化問題からは潮が引くように撤退すると思います。そして、何か別の新たな環境問題に鞍替えし、地球温暖化問題について論じてきたことはすっかり忘れ去ってしまうのでしょう。

こうした霧の中でつぎ込まれている莫大な国家予算(日本の場合は地球温暖化対策に毎年1兆円超)が実は無意味なものだったとしても、メディア自身が扇動してきたその過去に触れるようなことはしないでしょう。真実もまた霧の中に置き去りにされるということですね。

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