酒と蘊蓄の日々

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騙しのテクニック

先月の22日に警察白書の平成20年版が出ましたが、いわゆる振り込め詐欺の被害総額はこの3年間ほぼ横ばいの状態が続いているようですね。具体的には2005年が約252億円、2006年が約255億円、2007年が約251億円となっています。一方、手口を見ますと、いわゆるオレオレ詐欺や架空請求詐欺が減少傾向にあり、還付金詐欺や融資保証金詐欺(いわゆる貸します詐欺)の類が急増中といった感じです。

これほどメディアでも盛んに報じられているのに被害額が減少することなく、未だ多くの人が騙されてしまうのは何故でしょうか? 私はその手口に共通点があり、その共通点に対する警戒感がまだまだ緩いからだと思います。

ご存じのように、いわゆるオレオレ詐欺の場合は身内を装って「交通事故を起こした」といったパターンで引っかけ、まず冷静さを奪います。「相手方が妊婦で破水した」などの刺激的な言葉を続けることでさらにパニック状態を煽り、まんまと金を振り込ませるわけですね。

一方、最近増えている還付金詐欺の類ですが、これも基本的には同じことです。社保庁や自治体を名乗って保険料や税金などの還付があると切り出して食い付かせ、「還付手続きはどうすればいいのか」という段階で相手を陥れます。

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熊谷市の還付金詐欺抑止広告

詐欺グループはお役所仕事にありがちな複雑怪奇な手順を説明して相手を混乱状態に導きます。そこで「振込先の確認のため」などと称してATMへ誘導し、指示通りの操作をするように仕向けます。操作している本人は金を振り込んでいる自覚すらなく、言われるがままとなってしまうわけですね。

警察やメディアなどはこうした手口を明かして引っかからないようにと啓蒙していますが、これからも新たな手口は次々に開発されていくでしょう。最近ではATMではなく宅配便を利用するなど、金を受け渡す段取りも多様化しつつあるそうです。対症療法的な指導ではイタチゴッコになるだけで、根本的な解決には至らないように思います。そこで、まず認識しなければならないのはいずれのケースでも共通して

対象者をパニックに陥らせ、思考停止状態にする

というテクニックが駆使されていることです。身内が交通事故の加害者となってけが人を出したといった作り話でパニックに陥れるか、金を返すというストーリーで複雑な段取りを指示してパニックに陥れるか、いずれにしても被害者は自分で考えることをやめてしまい、その隙を突かれてしまうという格好になるわけですね。冷静に考えれば解ることでも、パニックに陥って考えることをやめてしまったら、誰でも引っかかる可能性があるということです。

かつて、電通PR(現在の電通パブリックリレーションズ)が提唱していた戦略十訓は以下の通りでした。

・もっと使わせろ
・捨てさせろ
・無駄使いさせろ
・季節を忘れさせろ
・贈り物をさせろ
・組み合わせで買わせろ
・きっかけを投じろ
・流行遅れにさせろ
・気安く買わせろ
・混乱をつくり出せ

これはヴァンス・パッカードの著書『浪費をつくり出す人々』が元になっているそうですが、ここにも「混乱をつくり出せ」という騙しのテクニックに通じるそれが盛り込まれています。

携帯電話や生命保険などのプランが複雑怪奇で非常に解りにくいのは、こうしたテクニックを駆使しているからではないかと私などは穿ってしまいますが、相手に深く理解されないほうが手玉に取りやすいのは間違いないでしょう。「何でこんなに複雑にする必要があるの?」と思われる物事の裏には、こうしたカラクリが潜んでいる可能性を意識しておいたほうが良いかも知れません。いずれにしても、

人間が最も騙されやすいのは自分で考えることをやめたとき

ということを常に意識しておくべきでしょう。政治家や官僚、メディアなどもよく嘘をついて大衆をミスリードします。当blogで何度となく取り上げている環境問題についてもこうしたケースは少なくないと思いますが、騙されたくないと思うなら、自分で考えて理解しようとする努力を怠るべきではありません。

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