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暴走知事、三宅島をゆく

三宅島復興の起爆剤として開催されている「チャレンジ三宅島モーターサイクルフェスティバル」で名誉会長を務める石原知事がスピーチしましたが、またいつもの調子で暴言を吐いていましたね。YouTubeにその模様がアップされていましたので、とりあえずご覧頂いたほうが早いでしょう。(いえ、最近はサーバーのキャパが不足気味のようですから、時間がかかるかも知れませんが。)



「何人かの人から聞きました」という噂(知事本人が「噂」と明言しています)で、ホンダがメディアに対して「もしこの取材(記事)を載っけたら、絶対に広告出さない」と圧力をかけ、このイベントを潰そうとしているといった主旨を述べ、大激怒しています。

知事本人も大相撲の八百長疑惑と同じく明確な根拠がないことを認めていますが、そんないい加減なことでホンダを名指しし、批判(というより誹謗中傷)を展開しているのが、また実に彼らしいところですね。

そもそも、このイベントは石原知事のいつもの「思いつき」で動き出したと記憶しています。私もザックリと経緯は見てきたつもりですが、ホンダがこれを妨害するメリットが何処にあるのか全く見当も付きません。

彼は「ホンダが反対するのにはそれなりに理由があったでしょう。しかし、違ったかたちでドラッグレースも含めてね、去年やってね、注目をある程度集めたら、それが気に入らなかったのかどうか知らんけども、(中略)何でホンダみたいな大企業がそれを潰そうとするんだよ!」と吼えています。

ご存じのように、当初このイベントは三宅島の外周路約30kmを閉鎖し、マン島TTレースを真似た公道レースをメインとして企画されたものでした。このとき、東京都と日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)はどのように運営すべきか、元ホンダワークスのライダー宮城光氏に意見を仰いだんですね。同氏が実際に三宅島へ視察に行って出した結論はこうでした。

・幅員が6~7mと狭く道路沿いに家屋や石垣などがある。緩衝材などで対策しても安全性は不十分。
・都内の総合病院まで最短40分かかり、救急設備も不十分。
・車両の安全地帯がなく、事故の場合は二次災害が懸念される。
・絶対に公道レースはやってはいけない。
・サーキットを作るべきだ。


また、世界選手権で入賞経験のある難波恭司氏も東京都に以下のようなリポートを提出しています。

現状では選手に「死ね」というようなもの。レースに危険はつきものだが、選手は安全性が確保されて初めて危険に挑める。命知らずとは違うということを石原知事に理解してもらいたい。


ついでに、この頃レースの実現可能性を私なりに考え、備忘録として纏めた雑文も紹介しておきましょう。

日本でモナコGPやマカオGPなどのような公道レースをやろうと言い出せば、反対意見は必ず出てくるだろう。ただ、これらは数十台のレースカーが同時に走行する普通のレースだが、マン島ツーリスト・トロフィーは1台ずつ走行するタイムトライアル方式のレースゆえ、転倒やコースアウトなど基本的に単独事故となる。他車との接触や多重クラッシュなどは走行間隔の空け方にもよるが、それら4輪の公道レースとは根本的に異なるだろう。

条件的にはWRCなどのラリーイベントに近似していると思う。日本でも既に北海道でWRCが開催されているが、オンボードカメラの映像などで見た限りでは幅員のない両側に木が立ち並ぶ林道もコースに設定されていたように思う。

しかし、こうしたレースを三宅島で開催するということ自体に疑問がある。

三宅島は現在(2007年2月)でも多量の火山ガスを放出しており、それに含まれる有害な二酸化硫黄の量は今月16~23日の観測結果でも2300~3600t/日に及ぶ。日本全体で人為的に排出されている(工場や自動車の排出ガスなどに含まれる)二酸化硫黄は3000t/日程度だから、これと同等の二酸化硫黄が日本の国土のわずか0.015%に満たないこの島で放出されていることになる。

また、現在でも三宅島へ上陸する際にはガスマスクの携行が義務づけられている。雄山から海岸へ向かう火山ガスの高濃度区域は2箇所あるが、いずれもコースを横切っている。開催時期まで火山活動の状況に変化がなければ、ガスマスクの携行ないし着用が義務付けられたオートバイレースになるかも知れない。こんなレースは前代未聞だ。私の目には奇行としか映らない。


現在でもホンダの関係者である宮城氏がレースの開催について意見を求められ、反対の立場をとったのは事実ですが、ヤマハのライダーだった難波氏も同様の意見を述べていますから、レース経験者として「反対」は共通見解だったのでしょう。

もっとも、「安全性に懸念なし」と太鼓判を押して死亡事故でも起こされたら、道義的に責任の一端を担わなければならないでしょうし、大衆メディアの吊し上げを食うことにもなるでしょうから、どうしても反対寄りになるとは思いますけどね。

ま、ホンダの関係者に反対意見を突きつけられたことに対する逆恨みからあのような発言に至ったのかどうかは解りません。が、ホンダのみならず、国内4メーカー全てが東京都の協力要請を断っている状況でホンダがメディアに圧力をかけたというのなら、明確に根拠を示さなければなりません。居酒屋で酔っぱらって吐いた言葉ならともかく、都知事として公の席での発言ですから、相応の責任というものがあるハズです。それにしても・・・

「どれだけ大きな会社か知らんけども、やっぱりホンダの広告欲しいから書かんでしょう。記者なんて今日一人も来てない。」「これだけのイベントに、関係者の、要するにメディアが一人も来ない。こんなね、おかしな現象ってないでしょ?」

と豪語していましたが、有名バイク誌を含む16社33名が取材のために現地入りしていた事実を彼は知らなかったのでしょうね。

ともかく、こんな風に単なる噂話を振りかざして怒りをぶちまけられたのでは、イベントの雰囲気を損なうだけだと私は思うんですけどねぇ。恐らく、参加者の中にはホンダユーザーもいたと思いますが、あれだけ悪し様に言われたら気分を害したのではないかと思います。

来年のこのイベントにホンダユーザーが何人参加するのか、私は非常に気になるところですが、彼の暴走状態の頭ではそうした配慮など全くなされていなかったのでしょう。

テーマ:気になるニュース - ジャンル:ニュース

コメント

マン島TTですら
101年の歴史で230人ぐらいのライダーが死亡している

これを多少のリスクという石原都知事のオツムは大丈夫かと…
単独のモータースポーツイベントではずば抜けて死亡事故をだしてるのに

  • 2008/10/21(火) 14:07:22 |
  • URL |
  • 鍋同心 #-
  • [ 編集]

鍋同心さん>

初めまして。コメント頂き有り難うございます。

仰るとおりだと思います。
YouTubeの動画に「別にね、三宅はそんな(マン島ほど)際どいレースを
やろうと思ってるわけじゃないけども」というシーンもありますが、
企画段階では125cc以下のバイクで認定ライダーがタイムトライアルを
行うことになっていました。

1977年から2000年までマン島TTで様々なクラスに出場し、
26勝もしている最多勝選手のジョイ・ダンロップは
2000年にエストニアで行われた公道レースで事故死したとき
125ccのバイクに乗っていました。排気量は関係ないということですね。

三宅島でマン島TTもどきのレースを開催することに
極めて協力的だったレーサー、前田淳選手も
一昨年のマン島で後続車に追突されて帰らぬ人になりました。

それでもなお、「レースは危険があるからエキサイトする。
ある程度ライダーの自己責任もある。」との主張を繰り返すばかりです。

「あの島に活力を与えるには、これしか方法がない。これしか活路がない。」
彼の短絡的で思い込みの激しい性格は世界最強かも知れませんね。

  • 2008/10/21(火) 23:39:27 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
  • [ 編集]

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