
昨年のサイクルヨーロッパ・ジャパンのブース
ところが、今年は偉く見違えました。

今年のサイクルヨーロッパ・ジャパンのブース
昨年見られなかったトップレーシングモデルの928カーボンと、オシャレな実用車オパールを前面に並べていますが、ビアンキを象徴するグッドチョイスだと思います。歴史と伝統のあるビアンキブランドをアピールするなら、こうでなければいけません。
昨年のように試乗待合所みたいな格好で出展し、貧相なイメージを与えてしまうくらいなら、いっそのこと出展を見合わせたほうがマシだったのでは?と思いましたが、今年は全く文句ありません。マルコ・パンターニも草葉の陰でホッと胸をなで下ろしている・・・かどうかは解りませんが、個人的には良かったと思います。
一方、いつもゴージャスな雰囲気のコルナゴは何やら古代ローマ風にブースを仕立ててきました。

しかし、今年は明らかに失敗ですね。石柱をイメージした白い柱はただの合板で、凸部は細長い合板を無数のステープルでバシバシと留め、その上に白いペンキを塗りたくっただけです。しかも、ステープルのところはペンキが弾かれ、無数に打ち込まれた鉄のそれがアバタのごとく無秩序に散在し、近くで見ると如何にも貧相でした。中央に配された噴水のようなオブジェからは本当に水が滴っていましたが、これも本物感が全くないだけに却ってチープな印象につながってしまいました。
何と言いますか、某高級焼き肉チェーンの店内といいますか、高速道路脇のラブホテルといいますか、「作りもの」感タップリの似非ゴージャスな雰囲気はただただケバイだけで、少々悪ノリが過ぎたように思います。

EPS
昨年のトレックに続き、コルナゴもいよいよインテグラルヘッドになってしまいました。独自規格とのことですが、インテグラルヘッドは規格乱立状態ですから、いまさら文句を言う気にもなりません。チューブも一層太くなり、結局のところレーシングモデルにありがちなトレンドをそのままなぞることになってしまいました。
ジャイアントに廉価版を作らせるなど、マーケットの拡大を期しているコルナゴだけに、何らかの特色を出していかないと伝統のブランドというだけではいつの日かじり貧に追い込まれてしまうかも知れません。デ・ローザのように拡大路線を捨てて頑ななビジネスを保持するのが良いのか、ある程度の規模に拡大させておいたほうが良いのか、その辺の判断は非常に難しいところだと思いますが。

Master X-Lite
でも、その一方でフォークやラグをメッキ処理した魅力的なクロモリフレームも健在です。私のような古い人間はこういう古典を見せつけられると単純にホッとしてしまいます。しかも、個人的には昨日のコメントでもちょっと触れた通り、いまクロモリフレームで1台組みたいと考えていますので、かなりそそられるものがあります。殊にコルナゴやデ・ローザなどは中高生のころ憧れたブランドで、大人になったら手に入れたいと思っていましたから尚更です。
この種のクロモリフレームのマーケットは、いまの私が抱いているような「若い頃の憧憬」に支えられている部分が少なくないかも知れませんね。
(つづく)