ウーゴの三男クリスティアーノ曰く、「ラグ構造はスケルトンオーダーを可能にし、プロの要求にも応えることが出来る。レースを走るには何が必要か。それらを考えたとき、ロードバイクの原点に返ることもときには必要」だそうです。要するに、彼らがこの構造を採用した狙いは細かいサイジングが可能という点にあるようです。もっとも、日本総代理店の日直商会で正規にスケルトンオーダーを受けるかどうかは未定のようですが。

NEO PRO
キング3とアイドルの間くらいのグレードということで、
フレームセットは562,800円(税込)になるそうです。
モノコックは設計の自由度が高く、軽量化や空力面、個性的な外観をデザインしやすいといった点で有利といえるでしょう。が、大規模な金型の製作が求められますので、サイズを細かく設定するとその分だけ大変なコストアップに直結します。
4~5くらいの大雑把なサイズ展開でも、トップチューブをスローピングさせればシート高の調整幅を持たせられますから、あとはステムの長さや高さなどで合わせてもらおうという傾向が近年では常識化しています。結果、高価なフレームでもサイズ合わせに苦労するケースが少なくないわけですね。
「一に軽さ、二に剛性、三四がなくて五に見た目」みたいな風潮もありますが、一番重要なのは乗り手のパフォーマンスを発揮させるのに適切なポジションを得られているかどうかにあると思います。そういう意味でクリスティアーノの「原点に返ることもときには必要」という主張は正鵠を射ているといえるでしょう。が、日本でスケルトンオーダーを正規対応しないのであれば、その御利益も半減といったところですね。
どれだけの需要があるかというビジネス的な側面もあると思いますが、欲しい人は多少のアップチャージも厭わないでしょう。何せ、レディメイドでも50万円を超える高級フレームなのですから。ここはやはり正規対応すべきでしょう。逆に、大手マスプロメーカーとの差別化を図り、プレミアムブランドとしての存在感を際立たせるには、この種のきめ細かいサービスこそ重要ではないかと思います。

AVANT
デ・ローザのフルカーボンモデルとしては安価な(といってもフレームセットで30万円超ですが)アヴァントはカラーリングを一新しました。ネオプロで掲げられた理想とは真逆で、概ね3cm刻みの5サイズというありきたりな展開です。旗艦モデルのキング3が約2倍の価格となっているのは、素材や工法などが高度なだけではなく、約2cm刻みの10サイズ展開ということも無関係ではないでしょう。デ・ローザも魔法使いではないということですね。

NEO PRIMATO
コテコテの古典的クロモリフレーム、ネオプリマートはもはや変わらないことに意義があるのかも知れません。ラグ溶接のこれはクリスティアーノのいう「原点」に最も近いせいか、サイズは48cmから61cmまで1cm刻みで14も用意されています。ま、全てのサイズが各色毎にストックされ、日直商会の契約ショップまでスムーズにデリバリーされるかどうかは別問題でしょうけど。
私ならホリゾンタルに似合う73度のステム、ハンドルもアナトミックではなくシャロー、ボトルケージもカーボンではなくエリートのチウッシあたりをチョイスしたいところですね・・・などと妄想しはじめると本当に欲しくなってしまうので、この辺にしておきます。
(つづく)