今年の気温低下は特に顕著で、WMO(世界気象機関)も今年の平均気温が最近5年で最も低くなることを確実としています。皆さんも日常生活で「夏の暑い時期が短く、冬の寒さが早く来た」と実感されているかと思います。ま、これが長期的な気候変動と関係あるのか否かは解りませんが(WMOもラニーニャ現象の影響を示唆していますし)。
日本の大衆メディアは人為的温暖化説を盲信していますので、気候に関わるニュースには確実にバイアスがかかります。私たち一般的な市民がごく普通に新聞やテレビの報道番組を見ているだけでは人為的温暖化説にとって不都合な真実を見聞きすることは滅多にありません。が、海外のサイトには日本のメディアバイアスで弾かれてしまうような情報が山ほど転がっています。先日、こんなデータを見つけました。

これは平均海水面の推移を示したものですが、2006年くらいをピークとして下降に転じている印象です。ま、本当に長期的な傾向として下降に転じているのか、短期的な揺らぎに過ぎないのか、予断を許すことはできませんけどね。
いずれにしても、日本の大衆メディアは短期的な揺らぎや局地的な現象であっても地球温暖化にイメージをつなげられるソースがあれば鬼の首を取ったように大騒ぎします。しかし、最近2年くらいの傾向としてみられる平均海水面の下降は一切伝えません。以前取り上げたように北極海の海氷面積が減少したときは大騒ぎし、それが回復しても一切報じません。こうした一方的な取捨選択をメディアバイアスと言わずして何と呼べば良いのでしょうか?
彼らが如何に「地球温暖化が進行している」と呪詛のように毎日唱え続けても、現実はその通りになっていません。もし、このまま気温も海水面も下降を続けていったとしたら、地球温暖化問題はどのように幕引きをされるのでしょうか?
オゾンホール問題の場合、20年近くも前からフロンの生産や使用が規制され、代替フロンへの切り替えが進められ、確実にその量を減らし続けてきました。

世界におけるフロン類の生産量の推移(1980~2003年)
ご覧のようにオゾン層を破壊すると宣伝されたCFCは
現在殆ど生産されておらず、オゾン破壊係数
(CFC11を1としたとき何倍オゾンを破壊するかという係数)
0.001~0.52とされる代替フロンのHCFCも生産量が減らされ、
オゾン破壊係数0のHFCへ代替が進められています。
(が、いずれも強力な温室効果ガスということで、
総量は減らされる傾向が強まっています。)
しかし、オゾンホールが生じなくなる気配は微塵もありません。

今年のピークとなった10月4日のオゾンホール
20年近くも前からフロンの削減を続けていながら、
今年も巨大なオゾンホールが生じています。
「オゾンホールは厳冬の年に大きく発達し、暖冬の年にはあまり発達しない南極固有の季節現象」ということは専門家の間でよく知られていることです。今年の寒さでもそれは再認識できます。ちなみに、南極が暖冬だった年はご覧の通りです。

南極が暖冬だった2002年のオゾン減少のピーク
最近10年で最も気温が高かった2002年には
ピーク時にもオゾンホールと呼べるようなレベルの
オゾン濃度の低下は見られませんでした。
しかし、メディアはこうした事実を全く報じることなく、既に過去のことであるかのように忘れ去ろうとしています。オゾンホールは肉眼に見えず、南極上空でしか起こらないことですから、このように何年も黙殺し続けることで大衆の記憶から消し去ることが出来るのかも知れません。
地球の気候変動の今後がどうなるのかそれは私にもよく解りません。が、もしこのまま気温も海水面も下降傾向を続けていったとしたら、地球温暖化問題はどのように展開していくのでしょうか? フロンのときのように徐々にフェードアウトしてシラを切り通し、忘れ去ろうとするのでしょうか?