酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

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北の海をゆく

東京から千歳へ出張と言ったら、普通は羽田から空路でしょう。が、諸般の事情がありまして、東北自動車道をひた走り、我が社の仙台営業所に立ち寄って荷物を積み込み、仙台港からフェリーに乗り込み、苫小牧港に上陸し、千歳入りしました。ま、3年前と全く同じパターンですが。

海路は太平洋フェリーになりますが、同社は3隻のフェリーを運航していますので、3年前に乗ったのがどれだったか覚えていません。当時もっとも新しいものでも就航して14年経っていたのは間違いありませんが。

kiso.jpg

今回乗ったこの「きそ」という船は二代目になるそうで、2005年に就航したばかりの非常に新しい船です。3年前に乗ったそれよりずっとキレイで設備もかなり良くなっており、なかなか快適な船旅になりました。

entrance.jpg

船内の雰囲気は観光ホテルをイメージして頂けばほぼ間違いないでしょう。ロビーやレストラン、ゲームコーナー、売店、自販機コーナー、展望大浴場などなど、まさに観光ホテルのそれです。

gamearcade.jpg
bathhouse.jpg

客室は等級次第ですが、私は観光ではなく業務としての移動ですから、A寝台相当のドライバー室でした。ここは1室が6つのベッドスペースに仕切られており、ロールアップカーテンを下ろすと各々が個室のようになります。雰囲気的にはカプセルホテルに似ていると思います。今回は同僚と2人で1室を独占する格好でしたので、全く気兼ねなくくつろげました。

bedspace.jpg

左側が通路で、ロールアップカーテン(ブルーのスクリーンがそれです)を下ろした状態です。ご覧のように14インチの液晶テレビが装備されています。沖合に出ると地上波は次第に弱まり、ノイジーになっていきますので、まともに視聴できるのは衛星放送が中心になります。

が、贅沢は言っていられません。3年前に乗った船にはこんな装備などありませんでしたし、ベッドも2段でした。今回のは1段で天井も充分に高く、ベッドの上に立ち上がっても私の身長(169.5cm)なら頭がつかえることもありませんから、この中で着替えも悠々こなせます。

これを宿泊と捉えるとかなりチープな印象になるかも知れません。が、ものは考えようです。例えば、飛行機と比べたら遥かに立派なものです。エコノミークラスのあのせせこましい空間に押し込められ、リクライニングシートに座ってろくに脚も伸ばせずに過ごさなければならない状態とか。あれを思えば、もうこれは天国のようです。国際線の旅客機にこんな個室を作ったなら、気が遠くなるような料金を取られるでしょう。

しかし、船の旅というのは優雅ですが退屈です。何せノロいですから。今回も海は非常に穏やかで、仙台港から苫小牧港までほぼ定刻通りの運航になりましたが、それでも15時間弱かかっているんですね。

豪華客船で世界一周とかありますけど、ああいうのはラウンジで色々な催し物があったり、乗客を飽きさせない工夫が凝らされているそうですが、それでも何ヶ月とか乗っているわけですからねぇ。時間がゆっくり流れていくことに慣れた人でないと耐えられないんじゃないか? なんて思ったりします。

lounge.jpg

ま、この船にもご覧のようなラウンジが備わっており、映画(このときはトム・ハンクス主演の『ポーラー・エクスプレス』でした)を上映したり、ピアノを生演奏するミニコンサートみたいなサービスをやっていましたけどね。


ところで、事前の予想に反して、昨日のPM10時頃の段階ではまだ辛うじて携帯電話が繋がる状態でした。が、それは会社支給のドコモのほうで私用に使うのは憚れますし、通信速度も絶望的に遅いムーバですし、いつ圏外になるか全く予想できない状態でした。

一方、私の自前はウィルコムのPHSで、俗に「アドエス」と呼ばれるシャープ製のスマートフォンを愛用していますが、出航後間もなく圏外になってしまいました。そんな理由で、当blogの予約投稿を取りやめる必然性はないと思いましたので、アクセスもせず、そのまま放置しておくことにしました。

outsidedeck.jpg

夜が明けて外部デッキに出てみますと、大海原が広がっていました。気温はさほど低くなかったかも知れませんが、猛烈な海風が吹き抜けていて、体感温度的には死ぬほどの寒さでした。所々に溜まっている水が凍っていて足をとられそうになりましたし、風に煽られそうにもなりましたので、外部デッキの後端まで往復したところで観念して船室に戻りました。

外は充分に寒かったですけど、凍えそうなカモメはいませんでした(連絡船でもありませんし、津軽海峡でもありませんが)。でも、こうしてみるとあの歌の風情は舞台が船でなかったら(羽田発の飛行機とかだったら)絶対に成立し得なかったと思います。


ということで、フェリーを降りて千歳に入ったら、諸々の準備で一日が終わりました。肝心の業務は明日からが本番です。その模様の詳しくはお伝えできませんが、ま、雰囲気くらいはご紹介出来ると思います。

コメント

kayは、宮崎→川崎の船にのりました。
ざっと20時間です。
でも飛行機で1時間30分のところ20時間かけていくわけですから
贅沢な旅といえます。
夜中のデッキはホント周りが見えない闇です。
?日間漂流という話をたまに聞きますが、同じ死ぬなら漂流は避けたいです。
海原に一人だと精神崩壊起こしそうな雰囲気を感じました。

  • 2008/01/31(木) 11:43:02 |
  • URL |
  • kay@ocha's+web #-
  • [ 編集]

kayさん>

時間をたっぷり使うのって確かに贅沢ですよねぇ。
私みたいにせせこましい人間にはふさわしくないかも知れませんが。

同じ航路でも定刻通りなら仙台→苫小牧より苫小牧→仙台の方が
25分ほど速いようで、どうも海流の影響らしいです。
こういうのも鉄道や自動車では考えられませんよね。
もっとも、私の帰路の予定は苫小牧→大洗で、約19時間の旅になりますが。

朝、外部デッキへ出たときに救命ボートが何艘も備えられているのが
見えましたけど、アレには絶対に乗りたくないと思いました。
今の時期にあの北の海で漂流となれば精神崩壊より
凍死の方が先かも知れませんけど、どちらも嫌ですねぇ。

  • 2008/01/31(木) 22:08:23 |
  • URL |
  • 石墨@北海道 #PxDbU/1w
  • [ 編集]

おおよそ20年前のある日、中学生だった僕は旅に出ました。
北海道には今は無き青函連絡船で上陸しました。夜出発し、明け方函館に到着。船の中は至ってチープでしたが、石墨さんの夜のフェリーの写真を見たとき、明け方函館に着いた当時がフラッシュバックされてきました。
綺麗な写真をありがとうございました。

  • 2008/01/31(木) 22:46:24 |
  • URL |
  • Ocha #-
  • [ 編集]

Ochaさん>

私が子供の頃はよく家族で房総半島へ出かけました。
東京湾アクアラインの開通で廃止された川崎~木更津のフェリーに乗って。

鹿野山の神野寺からトラが逃げ出した騒動
(なんて覚えている人は殆どいないかも知れませんが)
まさにあのときも房総半島を旅行中でした。

不思議なことに、規模も何もかも違う太平洋フェリーでも
子供の頃のあのイメージがフラッシュバックするんですよねぇ。

出航前のフェリーの写真は撮ったとき全く気付かなかったのですが、
ソフトな光条効果が出ていたんですよね。
別にフィルターとか使ったわけでもないのに、何でこうなったんだろう?
と思ってよく見ると、レンズに指紋がべったり付いていました。

そういえば、正月休みに妹家族が遊びに来たとき、
6歳の姪っ子が盛んにこのデジカメで写真を撮っていたので、
その時に付けられたものでしょう。

ま、ケガの功名といったところでしょうか?
(バラさないほうが良かったかな?)

  • 2008/02/01(金) 00:03:24 |
  • URL |
  • 石墨@北海道 #PxDbU/1w
  • [ 編集]

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