酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

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喰い損ねたボタ餅

先日のF1開幕戦で表彰台に上がったトヨタのヤルノ・トゥルーリ選手ですが、その約2時間後にペナルティが科せられて12位へ繰り下げとなり、マクラーレンのルイス・ハミルトン選手が繰り上げの3位になった旨は当blogでもお伝えしたとおりです。当初、トヨタはこの判定を不服としてFIAの国際控訴裁判所に異議を申し立てるとしていましたが、覆る見込みがないと判断し、この裁定を受け容れると発表したばかりでした。しかし、FIAサイドが新たな証拠を確認し、トゥルーリ選手への処分を撤回、逆にマクラーレンチームを失格とすることになったそうです。

そもそも、このペナルティが科せられることになった顛末はこうです。オーストラリアGPのレース終盤、2位争いをしていたレッドブルのフェテル選手とBMWザウバーのクビサ選手が絡み、セイフティーカーが導入されました。ご存じのようにこの状態での追い抜きは禁じられており、トゥルーリ選手はこれに反したと見なされていたんですね。

ペースカーが導入された直後の段階で1~2位はブラウンGPの二人、3位がトゥルーリ選手、4位がマクラーレンのハミルトン選手でした。このとき、トゥルーリ選手はタイヤが冷えたせいかホイールロックを犯してコースアウトしてしまい、結果的にハミルトン選手が前に出てしまいました。この後、ハミルトン選手がスローダウンしたため、トゥルーリ選手はハミルトン選手のマシンにトラブルが生じたものと思って前に出たと主張していましたが、これが「セイフティーカー導入中の追い抜き」と判断されてしまったんですね。

表彰式では3位の表彰を受けたトゥルーリ選手でしたが、その後この問題でレーススチュワードに呼ばれ、ハミルトン選手やマクラーレンチームも同様に事情聴取されましたが、やはりトゥルーリ選手に違反があったと判断され、25秒のペナルティが科せられることになったわけです。

しかし、レース直後のインタビューでハミルトン選手がチームからトゥルーリ選手を前に行かせるよう無線で指示があったと語っていたことが問題になりました。レーススチュワードの事情聴取でハミルトン選手もチームもそのような指示はなかったと証言していたからです。そこでFIAは無線の交信記録を確認したところ、マクラーレン側の証言は虚偽であったことが確認され、マクラーレンをチームごと失格処分(ハミルトン選手だけでなく、序盤でリタイヤしたコバライネン選手も含む)とし、トゥルーリ選手に対するペナルティを撤回することになったというわけです。

マクラーレンが何故トゥルーリ選手を前に行かせるようハミルトン選手に指示したのかよく解りませんが、相手のミスだったとはいえセイフティーカー導入中に順位が入れ替わってしまったことを追い抜きと見なされたらペナルティが科せられると判断したからかも知れません。

レーススチュワードは4輪ともレーシングサーキット上から外れたトゥルーリ選手の前にハミルトン選手が出たことは問題なしとし、その後にトゥルーリ選手がハミルトン選手を追い抜いたことを問題視して両者に事情を聴いたようですが、このときマクラーレンは口裏を合わせて本当のことを言わなかったわけですね。FIAはこれを「故意に誤解を招くような情報を提供した」と見なし、悪質な判定妨害に当たると判断したようです。失格という厳しい処分を下したのはそれ故でしょう。

正直に証言していれば、彼等は少なくとも4位(5ポイント)をキープできていたハズで、順位1つと1ポイントの上乗せという欲を出したばかりにチャラとなり、さらにメディアなどからは「ウソつき」の誹りを受けることになってしまったわけですね。

そもそも、マクラーレンはトゥルーリ選手に順位を譲る指示を出す前にFIAのレースディレクターに確認していれば、そのまま何の問題もなく3位をキープできていた可能性が極めて高かったと思われます。ですから、この段階でつまらない判断ミスを犯していたともいえるでしょう。実際、無線の交信記録を見てみますと、トゥルーリ選手を前に行かせるよう指示した後にFIAのレースディレクターに確認するというようなことをチーム側は言っており、それに対してハミルトン選手はトゥルーリ選手をもう前に出してしまったと返答しています。

ま、後味の悪い結果となりましたが、マクラーレンがこうした棚ボタに食い付いたのはそれだけ現状のマシンでは戦闘力が不足しており、シーズン序盤で失うポイントを少しでも小さくしておきたいと考えていたのかも知れません。


MP4-24(発表時のモデル)
リヤディフューザーと大きなフロントウィングによってダウンフォースを得、
リヤウイングを小型化してドラッグを減らそうという空力コンセプトだと
見られていますが、まるで80年代初頭までのウイングカーを彷彿とさせる
小さなリヤウイングがひときわ目を引きます。
しかし、本来あるべきダウンフォースが得られていなかったようで
2月のへレス・テストでは昨シーズン用のリヤウイングを引っ張り出し、
不足するそれを補ってテストを行う有様でした。
3月のバルセロナ・テストにはフロア形状を大きく変更して周囲を驚かせましたが、
結果を見る限りはあまり好転していないようです。
こうした状況からチーム代表のマーティン・ウィットマーシュ氏も
「上位で戦えるような技術的パッケージを持っていないことを完全に認識している」
と述べ、MP4-24のコンセプトが失敗だったこと認めているようです。


今日もマレーシアGPの予選でブラウンGPとトヨタの速さが目立ち、マクラーレンは13~14位に沈んでいます。ま、このチームはマシンの開発が遅れるスロースタートも多く、中盤以降から実力を発揮し始めたシーズンも過去に何度かあります。勝ち方を熟知し、チームの立て直しも心得ている老舗ですから、このまま最後まで低迷を続けるということはないでしょう。また、低迷しているのはマクラーレンだけでなく、フェラーリやルノーなども同じで、むしろこうした実力のあるチームの巻き返しが期待できる分だけ、今後の混戦が楽しみともいえます。

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