酒と蘊蓄の日々

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レスキュー車こぼれ話

rescue2.jpg
機動救助車(できたて)

ご免で済んだら警察要らない?」のエントリでご紹介しましたレスキュー車(機動救助車)です。納入先が警視庁ということがバレていますので、あまり大っぴらには言えませんが、ま、非常に零細な当blogですから、あまり差し障りのない範囲でちょっとだけこぼれ話をご紹介しましょう。

件のエントリのコメント欄で「この時期にこんな姿であってはいけなかった」と書きました。あの作りかけの写真は納期が迫っているのに、間に合うのか? 大丈夫なのか? という不安を抱えながら撮ったものだったんですね。

この種の特殊車両はトラックやバスなどを生産している大型車メーカーから「キャブ付シャシー」という状態で工場からロールアウトしたものがベースになります。これに特別な機械や車体を架装したり、艤装を施したり、塗装を行ったり、幾つかの専門業者で各々の工程を経て完成に至る訳ですね。

例えば、フロントバンパーの部分にアルミ縞板で作られたカバーが見えますね。あのカバーも一品物なんですが、その中にはウインチが格納されています。これが、そんじょそこらのウインチとは能力が違います。普通のバンパーなんかに直付けしたら一発でバンパーがひしゃげてしまうでしょう。

そのため、このアルミカバーを開けてもフックとガイドローラーしか見えません。ウインチ本体は前方へ延長されたシャシーフレームの間にガッチリと固定されています。

rescue3.jpg

これはリフトアップした状態で下から見た写真ですが、件のウインチ本体はこれだけ奥まったところにあるんですね。ですから、大型車メーカーの工場からロールアウトしたキャブ付シャシーは、まずキャブを下ろしてフレーム延長の改造が行われ、このウインチの取付を行います。そうしないと次の工程に移ることが出来ないんですね。

これが鬼門でした。こうした特殊車両も充分にニッチなマーケットですが、こうした特殊なウインチの需要はさらに希ですから、取り付ける業者も極めて限られてしまうんですね。しかも、消防や警察での需要が毎年変動しないのならばともかく、実際にはかなりの波がありますから、業者としても工場のキャパシティを安易に拡大する訳にはいきません。

ということで、この機動救助車の場合はタイミングが非常に悪く、最初の工程で思いっきりつまずいてしまったんですね。その後の工程を担当する業者も納期最優先でこなしてもらいましたので、何とか指定の検収日には間に合ったんですけど・・・。

そうは言っても最後は突貫工事でしたから、色々と指摘事項がありました。この辺は関係各位の立場もありますので詳しくは書けませんが。事情説明で検査官には納得して頂けたので、とりあえず検収は合格となりました。が、指摘事項を補修するために車両を工場へ差し戻して、所属への引き渡しは後日となってしまいました。

検収段階でも基本的には仕様書の条件を満たしていましたが、「仕様書に記載されない細部については別途指示」といった部分で、かなり微妙な仕上がりだったのは認めざるを得ません。ですから、このときは寛大な措置を頂けたのだと思います。

私はつくづく思いました。警察は「世の中の事情に対する理解力がある」と。特に警視庁の調達窓口は殆どの方が外勤経験者です。トラブルを起こした酔っぱらいの相手をしたり、ごねる交通違反者をなだめながら切符を切ったり、そういう仕事をしてきた人達なんですね。我々善良な一般市民より、よほど世の中の表裏を見てきた人達なんですよ。

他の官公庁では、国公立大学在学中に公務員試験をパスし、大学の正門からそのまま入省入庁してきた人間も沢山います。そういうパターンの公務員には世間知らずで下らない机上論をこねくり回す杓子定規の頭でっかちも時々いるんですね。皆さんが想像する官僚タイプを絵に描いたような人間が実際に存在するんですよ。

ちょっとアブナイ領域に話が差し掛かってきましたので、これくらいにしておきますが、私が業務を通じてお付き合いしてきた中で、世の中というものをよく知っておられる彼らは最も敬愛すべき人達でした。

テーマ:自動車全般 - ジャンル:車・バイク

コメント

(できたて)写真、ありがとうございます。
って、期待していたのは僕だけ?(笑

しかし、本文を読んで思ったのですが、石墨さんのウインチのくだりを読むまで、この車が昔の電気機関車のようなデッキ部分を増設しているのには気がつきませんでした。
写真とは確かに真実を移すモノでしょうが、人間が画像として見る時、経験から知っている部分に注視してしまい、周辺を消してしまうという現象があるのではないかと考えてしまいました。
たとえば、人物が写っている写真を見て、人物を記憶しておくことは簡単ですが、その背景に広がる風景は、たとえ自分が知っている景色でも認識するのは難しいのでは無いかと。

面倒くさい事を書きましたが、実はうちの息子が、(できたて)写真を見て、最近ヤッターマンがリバイバルでやっていまして、
「ヤッターマンはここに乗るんだね」
と、ウインチを隠しているデッキ部分を指さして言いました。
子供の観察眼恐るべし、と思った今日このごろです。

また内容と関係ない話でした。脱線野郎の宿命ですね(笑

  • 2008/02/12(火) 23:12:12 |
  • URL |
  • Ocha #-
  • [ 編集]

Ochaさん>

確かに、子供は余計な先入観がない分だけ
画像に限らず様々な情報が素直に入っていくようですね。

あの機動救助車の乗車定員が何人だったか失念しましたが、
あのキャブは最大7人まで乗れるんですね。前席3人、後席4人です。

なので、改めてご説明するまでもないと思いますが
さすがに『ヤッターマン』のような乗り方はしません。
でも、昔はあんな感じで乗る消防車が本当にあったんですよね。

実は、超大手家電メーカーの工場に自衛消防団があって、
8年くらい前までとてつもなく古い古いポンプ車を持っていました。
ガソリンエンジンのボンネットトラックがベースで、
本当に車外にはみ出して乗れるステップとグリップがあって
サイレンも手回し式でした。

博物館から引き合いが来たほどです。(実話)

探してみましたが、残念ながらその写真は残っていませんでした。
デジカメでは撮っていなかったかも知れません。
代替えした新車のほうはあったんですけどね。
http://blog28.fc2.com/i/ishizumi01/file/fire_engine.jpg

  • 2008/02/13(水) 22:51:34 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
  • [ 編集]

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