酒と蘊蓄の日々

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BMDの宣伝に明け暮れた週末

弾道ミサイルと宇宙ロケットは紙一重です。実際、アメリカ初の有人宇宙飛行を成功させた「マーキュリー計画」は、先行するソ連の「ボストーク計画」を追って突貫工事で進められたミッションだったゆえ、その打ち上げには弾道ミサイルのレッドストーンやアトラスが転用されたものでした。

北朝鮮が発射した「飛翔体」がミサイルだったのか人工衛星だったのか私には解りませんが、弾道ミサイルの性能確認とそれを世界に誇示するのが狙いだったのは恐らく間違いないでしょう。ご存じのように彼等は「平和的宇宙開発」を主張していましたが、レッドストーンのような前例がある以上、彼等にとって都合の良い方便としてこの建前は利用され続けるのでしょう。

当blogでは以前にもミサイル防衛システム(以下BMD)など役に立たないと述べました。日本政府は昨年9月のテストで成功したと大喜びしていましたが、アレは標的となるミサイルの発射時刻も弾道も予め解っていただけでなく、通常想定される速度より低く設定した上での実験でした。ここまで実戦とかけ離れたユルユルの条件で15億4000万円もの経費を投じて何の意味があるのかという内容でした。

ましてや、今回のように誤探知があったり、予め展開されていたPAC3の射程内を通過しなかったりといった状況でこれを撃ち墜とそうなどと考えるのは、もはや楽観的とかそういうレベルの問題ではなく、いつぞやの「竹槍でB-29を墜とす」という発想に極めて近似していると見るべきでしょう。

北朝鮮が発射した飛翔体の経路
北朝鮮が発射した飛翔体の経路
2段目もしくは部品が本州上空を通過したようです。
が、これがもし地上に落下する恐れがあったとしても
秋田と岩手の駐屯地に展開されたPAC3では射程外だったため、
破壊は不可能だったようです。


北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の観測では衛星軌道に何も乗らなかったとしていますが、北朝鮮政府は国威発揚を狙ってこれを人工衛星の打ち上げ成功とプロパガンダしているようです。同時に、日本政府はこの騒動をBMDのテスト(実際に迎撃ミサイルを発射しなくとも、追尾システムのテストにはなっていたでしょう)と世間一般への知名度アップに利用したわけですね。メディアもこれを煽って便乗したといったところでしょうか。

そういう意味では日朝双方の利害が一致していたといえるのかも知れません。となれば、同じことが今後も繰り返される可能性は低くないような気もします。ま、北朝鮮の経済力ではそれほど頻繁にできないかも知れませんが。

今回は日本政府によるBMDの宣伝も誤探知による信頼の失墜で相殺された感が否めません。が、これを教訓に次はもう少しマシな戦略を練ってくるでしょう。差し当たっては今回のように展開されたPAC3の射程ではカバーできなかったということのないよう、予算をぶんどって配備を拡大する方向でハナシを進めていくのだと思います。実際、自民党内ではそういう議論が既に始まっているようですし、今回の騒動はBMD推進派にとって都合の良い口実になったでしょう。

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