
東京都の報道資料によれば、「東京都は、オリンピック招致を目指している2016年に向けて、全公立小中学校の校庭の芝生化に取り組んでいます(平成19年度末74校実施)。」とありますが、やはりオリンピックとの接点が明確になることは一切書かれていないんですね。小中学校の施設を大会運営に利用するというのなら解りますが、そういうハナシも聞こえてきません。ま、現実問題として小中学校を大会運営に利用するとなれば授業などへの支障も懸念されますけど。
私も個人的な印象として校庭を芝生にすること自体は特に悪いことだと思いません。恐らく小中学生の子供を持つ父兄の多くには好印象を与えるのだと思います。要するに、このキャンペーンをオリンピックと絡めるのは、招致の賛同を得るための人気取りを目的としたバラマキの一種ということでしょう。純粋に東京の都市環境や子供たちの生活環境のことを考えて校庭を芝生化したほうが良いというのなら、オリンピックの招致活動とは関係なく推進していけば良いことです。
そもそも、こうした校庭の芝生化ブームは鳥取県在住のニュージーランド人、ニール・スミス氏が2002年にNPO法人を立ち上げたところから始まったようです。鳥取県が管理していた2万平米の牧草地を借り、専門の大学教授と地域住民の力を借りながら、維持管理が容易で安価な芝生化の手法を確立したそうです。現在、この手法は「鳥取方式」と呼ばれるに至り、全国的に広まっているといいます。このように、校庭の芝生化は他の自治体でも同様に進められている事業です。東京都に限って「オリンピックをきっかけに」しなければならない合理的な理由など存在する訳がありません。

東京都の校庭芝生化キャンペーン
私の母校の校庭は在学当時アスファルトだっただけに、
こうしてみるとチョット羨ましいような気もします。
が、低コストといっても土ほど維持費がかからないわけではなく、
雑草や虫害、猫の糞害など様々な問題から大変な手間もかかります。
実際、私の実家の庭も一時は芝生にしていましたが、
近所の野良猫の便所と化し、夏場には悪臭を放つこともありました。
手入れは園芸好きの母がやっていましたが、それでも手に余り、
現在はそれを潰してカーポートになっています。
ここで私のスタンスを明らかにしておきますと、オリンピックの開催には反対です。道路や公共交通機関の混雑が予想されますから、都内の移動など日常生活に支障をきたすというのは私にとって非常に迷惑なことです。ま、あくまでも個人的な都合ではありますが、東京でオリンピックが開催されても私には直接的なメリットなど何もないでしょう。
あの高慢な石原知事は3兆円の経済効果があると豪語していますが、これも見込める限り最も都合の良い数字を積算し、交通渋滞などによる経済損失といったマイナスの要素は一切計上していないと思います。破綻確実の新銀行東京の例を見れば、彼等のいい加減な事業予測を信ずるのはカルト教団へ入信することに匹敵するといえるでしょう。
また、東京都は「大会開催によって排出されるCO2の総量を大幅に上回るCO2削減を達成する。」として、これを「カーボン・マイナス・オリンピック」と称しています。が、その中身を見てみますと、結局のところこれまで様々なところで繰り返されてきたことと同じ欺瞞に満ちた似非エコのオンパレードです。
校庭の芝生化も緑化事業の一環とされています。この他にも東京湾で開発が進められている「海の森」で約88ヘクタールの森林をつくるという計画や、街路樹を100万本に増やすという計画など、校庭の芝生化と合わせて約1000ヘクタールの緑地を創出するといいます。が、これも「植物は光合成でCO2を吸収する」という断片的な捉え方でCO2排出削減効果があると無邪気に信じているのでしょう。
(つづく)