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毎日新聞は妄想で記事を書く (その1)

東京都のオリンピック招致活動に関する欺瞞「カーボン・マイナス・オリンピック」について「似非エコを公共事業に利用する東京都」と題し、2度にわたってお送りしましたが、この執筆に当たって色々調べていた際、とんでもない妄想で書かれた毎日新聞の記事に出くわしました。

暖かな破局:第1部・温暖化の政治経済学/7止 「一石二鳥」作戦の石原都知事

 石原都政が地球温暖化対策に積極的だ。今年6月に「気候変動対策方針」を策定、「国に代わって先駆的な施策を提起し、温暖化対策をリードする」と意気込む。20年に00年比で二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを25%減らす計画だが、別の狙いもある。

(中略)

 石原都政の特徴は、国との対決姿勢と環境問題重視だ。就任直後のディーゼル車NO作戦はその典型で、スス入りペットボトルを手に「都民はこれを毎日、吸わされている」とアピール。国の排ガス対策強化につながった。

(後略)

(C)毎日新聞(東京版) 2007年12月18日


「石原都政の特徴は、国との対決姿勢と環境問題重視だ。」とありますが、「国との対決姿勢」はともかく、「環境問題重視」というのは現実とかけ離れています。先のエントリでも述べましたが、彼が進めている環境対策は殆どが似非エコロジーの類であったり、実効性が伴うのか疑問を残すものばかりです。

彼が強行した有明北地区旧貯木場の埋立事業に至っては環境破壊以外の何ものでもありません。この計画が実施される前、WWFジャパンは「東京湾の環境保全の観点から根本的に見直し,市民参加のもとで環境保全計画を立てるべきである.」とする公式見解を表明していました。

旧有明貯木場は東京湾の深奥部に残された貴重な江戸前の海でした。絶滅危惧種であるエドハゼを筆頭に20種近いハゼが生息しており、他にもスズキやボラなど様々な魚の幼魚が多数生息し、「東京湾のゆりかご的な役割を担っている」とする評価もありました。このため、釣り人や釣り船業者、自然保護団体などがこの計画に反対運動を展開し、都議会にもそうした声が伝えられました。

具体的には平成11年の第4回定例会で日本共産党の渡辺康信氏の質問に含まれていたもので、このように述べられていました。

有明北地区は、東京湾の貴重な海面であるばかりでなく、今日、東京湾に残された唯一最大の江戸前のハゼ釣り場、ハゼの産卵場であります。釣り人の間では「十六万坪」の呼び名で親しまれています。埋立計画は、この貴重な自然、江戸前の風物詩を台なしにするものでしかありません。だからこそ、屋形船や釣り関係者を初め、多くの都民が憂慮の声を上げているのであります。

   (実際にはもう少し続きます。質疑応答の全文はコチラ)

これに対して石原知事はこう言ってのけました。

有明北地区埋立事業は、臨海副都心の発展のみならず、東京の活性化にも資するものであり、着実に事業を進めてまいりたいと思っております。多分、ハゼはどこかに移るでしょう。


「ハゼはどこかに移る」などという発言は自然保護のタガを根本から外してしまうものです。こんな台詞で許されるのなら、沖縄の西表島でリゾート開発のために絶滅危惧種であるイリオモテヤマネコの生息地が奪われる懸念があっても「ヤマネコはどこかに移るでしょう」の一言で済まされてしまいます。この莫迦げた発想で反対意見は完全に無視され、強行された埋立工事は既に完了しています。こんな出鱈目な都政のどこが「環境問題重視」なのでしょうか?

ついでに言えば、この有明北地区の埋立地は18,500人を収容できるオリンピックの選手村建設予定地になっています。東京都は盛んに「エコ」を売り文句として招致活動を展開していますが、一皮むけばこんなものです。

オリンピック選手村の構想図
オリンピック選手村の構想図
東京都の選手村に関する謳い文句はこうです。
「みどりと水に囲まれた自然の中で、選手が安全、安心、快適に滞在できる居住空間」
しかし、それは東京湾に残された自然環境を破壊し、「東京湾のゆりかご」と評された
貴重な生態系を潰した上に建設される予定になっています。
ま、既に埋立は完了していますから、招致に失敗してもあの豊かな海は戻ってきませんが。


(つづく)

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