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日本あんな調達こんな調達 (プロローグ)

昨年の5月下旬、『官報』の「政府調達」をチェックしているときに私はふと思いました。

その人はどんなものを買っているのか? どんなことにお金を使っているのか? 消費行動を調べてみると、その人となりも浮かび上がってくるのではないか?

ならば・・・

日本という国がどんなものを買っているのか、どんなことにお金を使っているのかを調べてみれば、日本という国を様々な角度で観察できるかも知れない


個人的にはナイスアイデアと思い、このタイトルでこれに特化したblogを立ち上げようと思ったほどでした。

そこで、数週間(2007年5月下旬~6月上旬にかけて)試験的にネタ集めをしてみたんですね。ところが、思ったほど面白い案件が頻繁に出てくる訳でもなく、面倒になったといいますか、飽きてしまったといいますか、要するに私のやる気が萎えてしまって、結局お蔵入りさせたという過去があります。

しかしながら、当blogも話のネタが無尽蔵にあるわけではありませんので、とりあえず引き出しは多くしておいて、手詰まりになったら過去に拾ったネタを出すとか、何か面白いネタを見つけたら単発的に出すとか、柔軟に展開したらええやんけ、と思い直しました。

ただ、現実問題として「オマエごときが興味を引かれた政府調達案件でどこまで掘り下げられるのか?」「オマエごときの知識でどこまで真に迫れるのか?」と問われれば、「あまり自信はありません」と答えるしかありませんので、ま、ここは軽い読み物といった感覚でお付き合い頂いた方が良いかもしれません。


さて、前回のエントリでも触れた部分と少し重なりますし、やや小難しい話になってしまいますが、基礎知識をざっと纏めてみましょうか。

日本政府が使うお金、即ち国の歳出に関しては内閣がその予算を作成し、国会の審議を受け、議決を経なければなりません。(日本国憲法第86条)

しかしながら、そうした予算の枠組みは極めて巨視的なもので、具体的にどのような物品を購入しているのか、どのような役務(サービス)を受けているのか、そうしたディテールは日常的な新聞やテレビなどの報道では殆んど解りません。

日本政府や関連機関が物品・役務の調達を行う場合、通常は入札ないし随意契約が行われます。こうした政府調達は公正を期すため、また、WTO(世界貿易機関)の枠組みに沿うため(日本政府の調達に参加する機会を海外の企業などにも与えるため)、相応の告知が行われています。ある一定の条件に達すると、独立行政法人国立印刷局(旧財務省印刷局から改組)が発行している『官報』の「政府調達」に掲載されるんですね。

その「ある一定の条件」というのはかなり込み入った話になるため割愛しますが、中央政府機関の調達案件としては物品・役務とも現在の政府調達協定(有効期限は2008年3月末まで)の基準額で2000万円以上が対象となります。逆にいえば、基準額が2000万円未満の案件については官報の政府調達には載らないわけですね。

その場合は、個別に公告されることになりますが、通常は各機関の建物にある掲示板や各機関のサイトを用いて公告されます。

pronouncement.jpg
掲示による入札公告の例

実は他にも色々例外があるのですが、話がさらにややこしくなりますし、私も詳しく知らない部分が沢山ありますので、触れるのはやめておきます。


ところで、政府機関や特殊法人、地方自治体などは「競争入札」という調達方法が主流です。近年は「随意契約」が癒着の温床とみなされる傾向がどんどん強まっていることもあって、より一層、入札によって取引相手を決定することが多くなっています。

この「入札」という言葉は皆さんもよく耳にすると思いますが、具体的にどのようなことが行われているかご存知でしょうか?

以前、TBSの『噂の東京マガジン』という番組である地方自治体の調達案件について掘り下げていました。レポーターが「これがその仕様書です」などと示していたのですが、別の案件でも仕様書を示すといったことが何度か繰り返されると、パネラーの一人が「仕様書好っきやなー」という発言をしていました。勿論、好き嫌いで仕様書が作られるわけではありません。こうした発言が出てくるということは、競争入札というシステムを全く理解していない証拠です。

私が業務で関わった入札案件で仕様書が存在しないものは一つたりともありませんでした。というより、仕様書またはそれに類する書面がない政府調達案件など日本には存在しないでしょう。何故なら、競争入札というのは基本的に「仕様書の内容を満たした上で最も安い金額を提示した者が落札する」というのが常識なのです。ごく稀に予定価格に最も近い金額で落札となるケースもあるようですが、その場合も「仕様書の内容を満たした上で」という条件が外されることはありません。

要するに、お役所あるいはそれに順ずる組織というのは、入札案件の基本条件を一定に保って公正を期すため、必ず「仕様書」というものを発行しているのです。私たちが普通に物を買う感覚とは全く別次元の手続きが行われているということですね。

お役所というからには文字通り「お役所仕事」で買い物をしているのだろうという想像はつくと思いますが、このようにお役所独特の買い求め方というのはあまり世間一般には知られていないと思います。

この企画ではそうした部分も含めて、どのような物を買っているのか、どのように買っているのか、といった世間一般にあまり知られていないであろう部分をクローズアップしていきたいと考えています。

ということで、かなりの分量になってしまいました。具体的な例は次回からご紹介します。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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