酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

マイナスの経済効果はカウントされない

例の高速道路休日1000円乗り放題をはじめとした料金値下げは、経済効果があると試算されています。実施前に報じられたMSN産経ニュースの記事によりますと、国土交通省は2年間で7300億円、第一生命経済研究所も2年間で7900億円と似たような値を弾いていました。

しかし、ゴールデンウィークを経て公共交通機関、とりわけ高速バスなどから利用客が減少していると不満の声が相次いでいます。

「高速千円」バスに打撃 乗客減少、大渋滞で延着も

 地方の高速道路の大幅値下げの影響で高速バスの利用客が減っていることが、日本バス協会の調べでわかった。渋滞のあおりで大幅な到着遅れも報告された。協会は「想像以上の影響。高速バスは収益力が比較的高く、一般道の路線バスを補う側面もあるだけに痛い」としている。

 協会がJRバス関東や名鉄バス、神姫バスなど大手5社から大型連休を挟む11日間の状況を聞き取ったところ、運行回数あたりの輸送人数は前年同期比で10%減。マイカーが「上限千円」となった土日祝日の7日間は同12%減で、平日4日間の同6%減に比べて落ち込み幅は2倍だった。

 到着遅れも各地で相次いだ模様だ。名鉄バスによると、ゴールデンウイーク中の同社の到着遅れの幅はおおむね例年の2倍に達し、定刻なら約6時間20分で結ぶ名古屋―香川・丸亀では最大で4時間遅れた。「リピーターが離れないか心配」という。

 国土交通省は「景気後退だけでなく、高速値下げも影響したことがうかがえる」(自動車交通局)と副作用を認める。(山本精作)

(C)asahi.com 2009年5月23日


西鉄社長 1000円高速に怒り バス乗客減、4時間遅れも

 西日本鉄道(福岡市)の竹島和幸社長は26日の定例会見で、自動料金収受システム(ETC)利用による高速道路料金割引について言及。大型連休中に九州の高速バス乗客数が約12%減少したうえ、渋滞により到着が4時間以上遅れる便もあったとして、怒りをにじませながら「1000円高速」施策を批判した。

 国土交通省がお盆期間など平日の割引実施を検討していることに対し、現行の土日祝日以外への適用拡充をしないよう、九州の82社が加盟する九州バス協会会長として、同省に要請していることも明らかにした。

 竹島社長によると、西鉄高速バスの4月24‐5月6日の乗客数と収入を前年と比較したところ、乗客は約3万6000人、収入は約5400万円減った。また福岡‐鹿児島線では、渋滞に巻き込まれ、通常の倍となる8時間以上かかった便もあった。「尋常でない遅延で、こういう状況が続けば客離れにつながる」と強い危機感を示した。

 九州の他のバス事業者も同様で、乗客が平均12.3%減少。中には20%を超す減少率だったところもあったという。

 お盆のほか正月期間の割引適用拡大については「(西鉄の)減収が2億円くらいになるのではないか。赤字路線は見直しを考えざるをえないかもしれない」と指摘。「環境問題の観点からも、おかしいのではないか」と不満をあらわにした。

 高速バス対象の割引もあるものの「十分ではない」として、九州のバス業界を代表して22日、国交省に(1)上限1000円施策の拡充防止(2)高速道渋滞緩和策の検討(3)バス事業に対する支援措置‐を求める要請書を提出。6月中に具体的な改善策を提示する考えを示した。

(C)西日本新聞 2009年5月27日


もちろん、鉄道会社からも同様に乗客を奪われたとか、トラック輸送業界からも渋滞で業務に支障をきたしているとか、不満の声がアチコチから上がっています。こうした副作用の影響を集計すれば、少なからぬマイナスの経済効果をもたらしているのは間違いありません。が、それが一体どのくらいの金額になるのか、この政策を推進してきた人たちが積極的に試算することはないでしょう。要するに、都合の良い数字だけを拾い集め、政策の正当性を誇示する一方、都合の悪い部分は無視するといういつものパターンですね。

当blogでは「高速道路の値下げは逆モーダルシフトを引き起こした 」と題したエントリで主に環境面についての矛盾を指摘しましたが、NHKのように「明日のエコでは間に合わない」などと毎日せっせと宗教的な擦り込みを行っているメディアもこうした矛盾点についてはあまり厳しい批判を展開していません。(余談になりますが、NHKがいつも手本としているイギリスのBBCは至って冷静に「most commentators say it isn't too late to do anything about it」として、「明日のエコでは間に合わない」などと煽るNHKとは全く逆の主張を展開しており、格の違いを感じさせます。)

中国や北朝鮮などは国策的に情報が操作されてしまいますが、日本はNHKのような政府の犬を別にしても、大衆メディアは阿吽の呼吸で足並みを揃えてしまいます。同じ情報鎖国であるにしても、日本は自由報道の雰囲気を漂わせている分だけ却ってタチが悪いといえるのかも知れません。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://ishizumi01.blog28.fc2.com/tb.php/406-1f351804
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

まとめ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。