酒と蘊蓄の日々

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アメリカでは思うように売れていないらしい

日本では新型プリウスの発売後も受注ペースは落ちておらず、その影響は殆ど受けていないという(訂正:コチラの記事をソースとしてプリウスの影響は殆ど受けていないと書きましたが、実際には影響を受けているようです。関連記事「インサイトは日本でもジリ貧か」をご参照ください。やはりディーラーレベルのハナシはアテにならないようですね。)インサイトですが、アメリカでの売れ行きはあまり芳しくないそうです。目標とされていた9万台/年の達成は困難な状況のようで、5~6万台にとどまる可能性もあるといいます。

ホンダ「インサイト」:初年度の米販売台数、目標を33%下回る公算

 6月15日(ブルームバーグ):ホンダのハイブリッド車「インサイト」の米販売台数が目標を33%下回る可能性がある。ガソリン価格の下落や景気の落ち込み、トヨタ自動車の「プリウス」との競争が背景にある。

ホンダの米国担当執行副社長ジョン・メンデル氏は11日のインタビューで、3月後半に米ディーラーで発売されたインサイトの初年度の販売台数が5万-6万台にとどまる可能性があると説明し、目標の「9万台には届かないと思う」と語った。

米国のガソリン価格が過去1年間で35%下落したのを受けて、燃費の良い乗用車の需要は縮小している。トヨタはインサイトに対抗するためプリウスの基準価格を1000ドル引き下げた。

(後略)

(C)Bloomberg.co.jp 2009年6月15日


インサイトは当初の年産20万台から3月末の時点で25万台体制となり、4月にはさらに上乗せされているという情報もありました。私も色々想像を巡らせて数合わせをしてきましたが、5月の国内販売台数が私の予想より数千台多かったのは増産によるもののほか、アメリカでの不振の影響もあった可能性が出てきました。

日本ではプリウスに大差を付けられてしまったとはいえ、いまだ少なからぬバックオーダーを抱えて好調をキープしていますが、アメリカでは目標割れになっているとのことですから、その分が国内に振り向けられたと考えても全く不自然ではありません。

また、日本のメディアは「アメリカのビッグ3がコケたのは低燃費車を等閑にしてきたから」というストーリーを盛んに唱えてきましたが、当blogではアメリカの低燃費車市場は原油価格の下落に伴って縮小しており、コンパクトカーは軒並み長期在庫を抱えている状況から、こうしたストーリーは現実を反映していない旨を述べてきました。手前味噌で恐縮ですが、私の記事のほうが正しかったということがこのブルームバーグのレポートでも明らかになったわけですね。日本のメディアの妄想癖に付ける薬はなさそうです。

honda_insight.jpg

いずれにしても、インサイトの正念場はこれからでしょう。以前にも触れましたが、インサイトのエアコンはプリウスやシビックハイブリッドなどのように専用のモーターでコンプレッサーを回すのではなく、普通のクルマと同じようにエンジンの動力を直接利用する仕組みです。エアコンがフル稼働となるこれからのシーズンはアイドリングストップの機会が激減し、燃費の悪化が顕著になるのは間違いありません。ハイブリッド専用車でありながらシビックハイブリッドよりも全般的なシステムは簡易的というインサイトの中途半端さがこれから迎える初めての夏でどう評価されるか気になるところです。

また、かなり細かいところゆえ最近になって知ったのですが、インサイトは停車時に「Dレンジ+フットブレーキ」という状態でないとアイドリングストップが働かないそうです。酷い渋滞とか駐車場の空車待ちとか、停車時間が少し長くなりそうなときはNもしくはPレンジでパーキングブレーキをかける人が少なくないと思いますが、そうしたときインサイトはアイドリング状態のままになってしまうという仕様なんだそうです。

インサイトのハイブリッド用のバッテリー容量が小さく、アイドリングストップ状態で電装品を使っているとバッテリーが上がってしまうとか、そこまでいかなくてもモーターのアシストが不足してしまうとか、何らかのネックがあるのでしょうか? しかし、重ねて言いますがシビックハイブリッドもアイドリングストップ状態でバッテリーからの電力でエアコンを効かせられるくらいなのですから、それは考えにくいところです。もしかしたらマイナーチェンジなどで修正できるレベルのハナシかも知れませんが、現状のインサイトはアイドリングストップの仕様が全く以て意味不明です。

信頼できる筋のハナシに寄りますと、ディーラーへインサイトを見に来た客がフィットに流れるというケースも決して少なくないといいます。フィットも燃費の良いクルマですから、その差でトータルコストの逆転が難しいうえ、居住性などではフィットのほうが数段勝っています。インサイトよりフィットのほうが安くて実用的と判断する人がかなりの頻度でいるというわけですね。

環境性能もLCAで比較したらインサイトとフィットは大差ないかも知れません。新型プリウスのLCA先代に比べて劇的に良くなっているのでかなり胡散臭い感じですが、インサイトはそれすら示さないのですから、やはり大したことがないからでは? と勘ぐりたくなります。

常々述べていますが、私はハイブリッドカーなど世間一般に信じられているほどのエコカーだとは思っていません。そもそも、現在のエコブームの大半はイメージ先行の似非エコであると見ていますから、こうした軽薄な潮流に乗りたくないという抵抗感もあります。が、プリウスのよく練られたハイブリッドシステムはレクサスやエスティマやホンダなどの簡易的なシステムとは一線を画すもので、その面白さを楽しんでいたりします。案外、プリウスのユーザーには私のような「テクノロジー満喫派」も少なくないかも知れません。

本来、インサイトはプリウスと車格が違いますから、マトモにいけばインサイトの上位グレードとプリウスの下位グレードが価格的に重なるものの、装備など差でそれなりに棲み分けができたハズなんですね。しかし、トヨタは明らかにインサイトの中間グレード以上をターゲットに価格設定を引き下げてきました。アメリカではそれが顕著に結果として表れたのかも知れません。

日本国内においてインサイトはまだしばらくは売れ続けると思いますが、次第に話題性が薄れ、プリウスとの素性の違いが広く知られるようになっていったら、日本でも苦戦することになるかも知れません。クルマオンチ揃いの日本の大衆メディアはインサイトとプリウスをハイブリッドカーであるというところで一緒くたにする傾向を強く感じますが、そのときになって初めて両者のシステムの違いを認識することになるのかも知れません。

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