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この電気自動車ブームはメディアが創作している (その1)

間もなく三菱自動車から軽自動車のi(アイ)をベースとした電気自動車i-MiEV(アイミーブ)が、富士重工から同じく軽自動車のステラをベースとした電気自動車ラグイン・ステラが発売されます。これに加えて政府や自治体などから高額の補助金が支給されるといった状況も受け、メディアは過去に例がないほど大騒ぎ(というより空騒ぎ)していますね。今朝もNHKの『おはよう日本』で神奈川県が国とは別に独自の補助金を出すということでこの2台を登場させつつ中継で報じていました。

imiev_plug-in-stella.jpg
i-MiEV(左)とプラグイン・ステラ(右)

i-MiEVの場合、政府の補助金などで320万円ほど(さらに神奈川県独自の補助金を加えれば250万円ほど)になるとはいえ、本来の車両価格はほぼ460万円と決して現実的なレベルではありません。プラグイン・ステラも472.5万円ですから全く同様です。こうした補助金は例外なく「期間限定」ですから、それを過ぎてこれらのクルマを買おうなどと思う酔狂な人は滅多にいないでしょう。いえ、320万円でも普通の個人は買わないでしょうけど。

思えば、あまり遠くない過去においても電気自動車は何度か実験的に市販されてきました。私の印象としましては、日本で最も積極的だったのは日産だったように思います。1997年には市販車として世界初のリチウムイオン電池車となるプレーリージョイEVを発売していますし、翌年にもルネッサEVを発売していますし、その翌々年にも超小型電気自動車のハイパーミニを発売しています。私は当時仕事で東京都庁へ行く機会が多く、すぐ脇にある東京都道路整備保全公社の駐車場にこの充電施設があったので、ハイパーミニをよく見かけたものです。

日産ハイパーミニ
日産ハイパーミニ
改造車ではなく、電気自動車の専用車として日本で初めて
国土交通省の型式認定を取得したのがこのハイパーミニです。
2座のみというパッケージングはスマートに近い感じでしょうか。
リチウムイオン電池で10-15モードの走行距離は115kmでした。
i-MiEVが160km、プラグイン・ステラが90kmですから
実力的には現在と大差ないレベルだったわけですね。
こうした電気自動車の存在が単に見過ごされてきたということと、
この10年くらいの間に大した進歩がなかったということ、
リチウムイオン電池を現実的なレベルで搭載するとこの程度が限界
といったことなどをこのクルマの存在が示しているように思います。


以前のメディアはこれらの電気自動車を大々的に取り上げることはなく、世間一般にも話題になることは滅多になかったと思います。しかし、このところのエコブーム(といっても多くは似非エコですが)は電気自動車を極めて好意的に受け入れ、メディアも手のひらを返したように盛んに取り上げています。(例のクレーム隠しが発覚したときは車両火災などの偏向報道で「三菱自動車を倒産に追い込もうとしているのでは?」と疑われるほど盛大なバッシング大会が繰り広げられたことを思うと、彼らの得意技「必殺・手のひら返し」炸裂といった印象です。)

その一方で、日刊自動車新聞の記者を経、現在は自動車関連のフリージャーナリストをされている池原照雄氏はこんなことを述べています。

 ありがたいことにメディア関係者からEVの展望について聞かれることがよくある。「軽自動車だが、価格はレクサス並みというクルマが普及しますか」とコメントすると、取材は大体終わってしまうし、筆者の談話が使われることもない。メディア側があらかじめ用意した筋書きにそぐわないからだろう。

(C)日経ビジネスオンライン 『電気自動車の「現実」が見えてきた』より


いま日本の大衆メディアは電気自動車をエコカーとして大々的に取り上げ、ブームを創り上げていますが、それは「悲観的な意見は排除される」という完全にメディアバイアスがかかった状態の上に成り立っているというわけですね。近年のエコブームが如何に都合の良い情報ばかりを寄せ集めた乱痴気騒ぎに過ぎないかを如実に示す証言と見ることもできるでしょう。

(つづく)

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