酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

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Allez! Japonais!

インターマックスの会社案内を見ると、こうあります。

インターマックスは、日本人として初めてツール・ド・フランスに出場した今中大介が、1998年に自転車と関連商品の輸入を業務の中心として発足させた会社です。


同じページにある今中大介氏のプロフィールにはこうあります。

1996年 日本人のプロロードマンとして唯一、ツール・ド・フランスに出場する。


しかし、これが誤りであるのはそれなりにサイクルロードレースを知っている人の間では有名でしょう。

日本人として初めてツール・ド・フランスに出場したのは川室競(かわむろ・きそう)さんという横浜生まれの人物です。彼は兵役を終了すると川崎造船に入社、2年後の1918年(大正7年)に完成した船の引き渡しのためマルセイユへ渡り、そのままフランスに留まりました。エンジニアだった彼はファルマン航空社に入社、1923年(大正12年)に航空機や自動車などのメーカーだったサルムソンへ移り、パリ周辺で開催されていたアマチュア自転車レースに参戦し始めたといいます。

それから3年後、国際自転車競技連盟にプロ資格の申請をし、これが認められると、彼は間もなくプロデビューしました。そして、その年(1926年)のツール・ド・フランスに日本人として初めてエントリーしました。当時はまだ現在と違ってアドベンチャーレースの趣が強く、この年のツールは史上最長となる5745kmで、これを僅か17ステージに割り振っていましたから、1ステージの平均が340km近くにもなっていました。

オービスク峠のリュシアン・ボイセ
オービスク峠を駆け抜けるリュシアン・ボイセ
パヴェ(石畳)を走るツール・デ・フランドルやパリ~ルーベも真っ青
現在なら確実にMTBのコースとなるであろう山道を
当時はロードレーサーで駆け抜けていました。
この年は雪が降り、史上希に見る悪コンディションだった
と伝えられています。


チーム参加が44名、個人参加が82名の計126名だったこの年は、ツール史上初となるパリ以外でのスタートで、ミネラルウォーターで有名なエヴィアンから北上するコースだったといいます。残念ながら、川室選手は第1ステージでリタイヤしたそうですが。

彼は翌1927年(昭和2年)にもツール・ド・フランスに個人参加しますが、やはり第1ステージでリタイヤとなってしまいました。後にトラックレースへ転向すると、誘導用モーターサイクルを追走するドミフォンの選手として活躍したそうです。

川室競
トラック転向後の川室選手

今中大介氏は日本人としてツール・ド・フランスの出場を果たした2人目の選手です。川室選手も既にプロ登録されていましたから、プロロードマンとしても今中選手は2人目です。ま、時代が違うといえば全然違います。ツール・ド・フランスは何度か国別対抗だったこともありますが、プロチームでの対抗戦として定着してからは本当に実力のある選手しかチーム内で選抜されませんから、出場までのハードルが格段に上がったのは確かです。

しかも、今中氏が選手時代に所属していたチーム・ポルティは、シャトーダックスから始まって現在のチーム・ミルラムに通じる一流チームです。典型定期なオールラウンダーでスプリントも得意だったジャンニ・ブーニョ選手をエースとし、史上屈指のスプリンターといえるジャモリディネ・アブドジャパロフ選手も擁するイタリアの強豪チームだったポルティですから、それはもう、このチームのメンバーとしてツールの出場を果たしたというだけで日本人としては大変な快挙です。

ですから、「日本人として初めて」などというウソのプロフィールなど書かなくとも、全く色褪せることのない名誉のハズなんですけどねぇ。

今中選手のツールでの内容はあまり芳しくなく、風邪を引いて体調を崩したり、膝の故障なども重なって第14ステージで残念ながらタイムオーバーのリタイヤとなりました。つまり、いまのところ日本人でツールを完走した人は一人もいないということです。

ブイグテレコムの新城幸也選手に続いて、今日(6月29日)、スキルシマノの別府史之選手もツールの出場が決まりました。彼らはアシスト役の選手となるわけですから、求められるのは完走ではなく、アシストとして良い仕事をすることです。が、やはり日本人である私としては7月26日にシャンゼリゼを疾走している彼らの姿を見たいものです。

コメント

ヨーロッパ人からの蔑視

今中選手がツールドFで頑張っているのは立派ですね。
私が欧米へ行って感じることはいつも日本人や東洋人に対する差別感です。
アメリカやイギリスでは日本人はまぁまぁ一目置かれています。(教養あるアメリカ人イギリス人からは)でもイタリアだのスペインだのメキシコだのでは日本人という東洋人は明らかに蔑視されています。
その差別の中で生活しツールドFに参加されているのは立派です。差別というのは筆舌に尽くしがたい程不愉快なことです。

日本では自転車レースはギャンブルの競輪があるがためか?あまり注目されませんし日本の道路事情にはロードレースは似合わないですけどね。
国体のロードレースなんざ日曜日の朝6時30分スタートとかですよ。朝9時にはレース終わっているという観客のことなんか全く考慮に入れてない競技。


今中選手は立派です。戦前にもツールの日本人選手がいたなんて知りませんでした。事故や怪我しないで活躍していただきたいものです。

  • 2009/06/30(火) 03:05:21 |
  • URL |
  • 林 宏 #GHYvW2h6
  • [ 編集]

林 宏 さん>

確かに根強い差別はあるようですね。特にヨーロッパは保守的なところがありますから、同じ白人でもアメリカ大陸出身の人は低く見られるというハナシも聞きます。アイルトン・セナもグレッグ・レモンもそうした差別意識を感じていたといいますし。

ただ、ヨーロッパ人の差別意識が人種や出身地だけに係るものかというと微妙な部分もありますね。総中流を好しとする日本と違って向こうはステイタスに対する意識が強いようですし。この点について自動車評論家の福野礼一郎氏が興味深いコラムを書いています。少し長くなりますが、引用してみますね。


(前略)

ヨーロッパは階級社会で服装の歴史も長いですから、TPOに合わせた服装の選択は日本よりもう少し厳密に適用されます。郷に入れば郷に従えということでそれになるたけ沿うように服を準備していくとどうしたって大荷物になってしまうと。

 海外旅行のハンドブックなんてもんを読みますとね。旅行のときの服装は、「動きやすくて疲れないもの、例えばジーンズとかスニーカー」なんて書いてある。「荷物は小さくコンパクトにまとめるのが旅行上手」とも書いてある。で次のページをめくると高級ブティックと三つ星レストランの名がズラズラ並んでる。

 バッカ野郎って思いますよ。そんな恰好してそんな店行けばどこの国でだってバカにされるに決まってるじゃないですか。ガイドブックを信じた素直な日本人がコジキの恰好をして年に20万人もやってくるから、いつしか日本人はヨーロッパで徹底的にバカにされるようになっちまったのです。本当の話ですよ。

 人間の価値は洋服なんかじゃ決まらないだとかね。私がこういう話をするとときどきそんな反応が返ってきます。旅行中はラクな恰好しないと疲れるし、ルイ・ヴィトンなんか持ってると強盗に付け狙われるし……そういうことを言う人もいます。そんなことは分かってんだって。当ったり前だから。しかし人間を恰好で判断する奴がこの世にいる限り、そういうバカにバカにされないためにはどこに行ってもその国の文化風習TPOそれなりのきちっとした恰好してないと。そうでしょ。

 一度とにかくやってみてください。スモーキングでも何でもいいからぴしっとキメて一流のレストラン行って常識的なチップ払って席を取る。席が気に入らなかったらチップを重ねる。ニタニタ笑わずイエスイエスと連発せず堂々一回やってみる。そうすると慇懃で高慢で人を見下したようなフランスのレストランのマネージャーもタダのミーハー野郎だってことがよーく分かります。これはやらんと分からんね。やってどこの国にも服とカネでしかモノを見ないバカはおるんだという事実を知る。そして第一歩を踏み出す。服装がきちっとしていれば、きちっとした人たちがきちっと対応してくれる。そうしてどこの国でもきちっとした人はきちっとしているんだなあということを知る。第二歩ですな。

(後略)

福野氏はこうして4~5日のヨーロッパ滞在ならガーメントとハードケースに何着もの衣装と何足かの靴を詰め、本や資料やグルーミング用品などをアタッシュケースに入れて出かけるそうです(特に服が嵩張る冬場の場合)。1週間以上ならハードケースの代わりにスーツケース、10日以上になるとこれら4つ全て持って行くそうです。それも全てルイ・ヴィトンだそうで。これだけの大荷物を持って、しかも全部ルイ・ヴィトンということで成田じゃバカみたいに見えてみっともないという自覚もあるようですが、そこまでやればヨーロッパに行ってもバカにされないそうです。

ま、かなり極端なハナシではありますが、なるほどと思い当たる節もありますよね。

  • 2009/07/01(水) 01:39:50 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
  • [ 編集]

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