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東洋経済のキヤノン叩きは明らかな虚偽報道である (その1)

以前、デジタル一眼レフカメラのキヤノンEOS 5D MarkIIの発表を受けて、私はこれを購入する予定だという旨をお伝えしました。実は既に入手して1ヶ月以上経つのですが、購入のタイミングをはかっているときに経済誌『週刊東洋経済』(以下、東洋経済)の記事がネット上でちょっとした火種になっていました。

キヤノンの一眼レフで不良事故が多発する理由、製造請負依存の死角(上)

(前略)

 2005年以降(製品発売時期ベース)、キヤノンは一眼レフカメラの新製品を12機種発売しているが、そのうち5機種で製品不良が発生している。品質不良のオンパレードと言っていいだろう(2ページ目下表参照)。その間、ライバルのニコンでは、製品不良は1機種も公表されていない。製造台数が少ないものの、オリンパス、ソニー(06年に旧ミノルタの事業を買収)などその他の一眼レフメーカーも、製品不良を公表していない。

(後略)

(C)週刊東洋経済 2009年5月14日


「2ページ目下表」というのは↓これです。

キヤノンで製品不良が多発
(注)EOS 1D MarkIIIの「AF、ミラー不具合」という標記では
AFとレフミラーの2点に問題があるように見えてしまいますが、
実際にはAF用ミラーに調整の甘いものがあるという内容です。
句読点を打ってあるのは不適切で、誤解を招くものです。
(といいますか、私はこの表を見て誤解してしまい、
キヤノンのサイト内を探しまくっても見つからず、
「EOS 1D MarkIIIのレフミラー不具合なんて出てないじゃないか!」
と東洋経済の捏造を疑ってしまいました。)


普通の人がこれを見ればキヤノンに対して「なんて酷いメーカーだ」と思われるでしょう。実際、この虚偽報道を鵜呑みにした人たちがネット掲示板などを中心に不毛な議論を重ねていたようですし。しかし、この記事は明らかにバイアスがかかったものです。見落としか故意に排除されたのかは解りませんが、実際にはニコンや他のメーカーからも不具合はちゃんと公表されています。にもかかわらず、東洋経済はキヤノンの不具合しか取り上げず、他社は「製品不良を公表していない」などという嘘の報道をしています。

まず、東洋経済は「2005年以降(製品発売時期ベース)」ニコンから「製品不良は1機種も公表されていない」としています。が、これは情報がコントロールされていると疑うべきでしょう。というのも、2003年に発売されたD2Hと2004年に発売されたD70に電子部品の不具合があり、回収して関連部品の交換を行っているからです。詳しくは以下のリンク先をご参照ください。

ニコンデジタル一眼レフカメラ D2H ご愛用のお客様へ
ニコンデジタル一眼レフカメラ D70 ご愛用のお客様へ

この回収の告知はいずれも2005年9月26日付になりますから、この記事を書くに当たってこの告知を見ていないということはまず考えられません。仮に見落としたというのであっても、それはそれでプロとして救いようのない間抜けな記者ということになるでしょう。いずれにしても、該当機種は2004年以前に発売されたものですから東洋経済が区切った「2005年以降(製品発売時期ベース)」にはかかりません。

こうしたデータは過去5年とか10年とかキリの良い年数で遡るのが普通だと思いますが、東洋経済が遡ったのは4年という中途半端な年数ですから、要するに「ライバルはゼロなのにキヤノンだけは不具合が起きている」とイメージさせるようなストーリーを作り上げるためにバイアスをかけたのはほぼ間違いないと思います。(あくまでも個人的な感想です。)

もちろん、製品の回収を要するハード面の不具合だけでなく、ファームウェアに係るもの、即ちソフト面での不具合も出ており、数としてはこちらのほうが遙かに多くなっています。例えば、上の表のにあるEOS 5D MarkIIの「画像に黒点」というのはキヤノンの公式発表で「特定の条件下で撮影した画像の一部に、黒点やバンディング(縦の帯状)ノイズが発生する」としているものに当たりますが、既にファームウェアのバージョンアップによって対策済みです。

一方、ニコンもD700(2008年発売)で「撮影メニュー内の [長秒時ノイズ低減] 機能を [する] にして撮影すると、まれに黒点が目立つことがある」という不具合が発生しており、ファームウェアVer.1.01で修正されています。

同様のトラブルがニコンでも発生していて、しかもメーカーはちゃんと公表し、キヤノンと全く同じようにファームウェアで修正しています。が、東洋経済はキヤノンだけしか取り上げず、ニコンのほうにはそんなトラブルなど起こっていないと報じているわけですね。これを虚偽報道といわずして何といえば良いでしょう?

また、EOS KissNの「画像消失」というのはEOS 1D MarkIIやEOS 20Dなどの上位機種にも発生していますが(製品発売時期ベースで2005年という東洋経済の集計基準にかからないだけですが)、これは高画質モードなどでファイルサイズが大きくなっているとき、カメラのバッファメモリからメモリーカードに書き込んでいる最中にディスプレイボタンを押すと稀にハングアップし、バッファメモリ内の画像が消失するというもので、これもファームウェアのバージョンアップで解決しています。

つまり、東洋経済が纏めた上の表はハード由来の不具合もソフト由来の不具合も関係なく集計されたものになります。が、上述のようにニコンでもD700の「黒点」をはじめとしてソフト由来の不具合は細かいものまで含めるとかなりの数が発生しています(詳しくは次回に)。東洋経済はそれらを一切取り上げず、キヤノンだけに不具合が多発しているという出鱈目な記事を平然と載せているわけです。

(つづく)

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