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東洋経済のキヤノン叩きは明らかな虚偽報道である (その4)

東洋経済はニコンやソニー(旧ミノルタ)などにも発生している不具合を取り上げず、キヤノンだけに不具合が多発しているという嘘の記事を載せています。それだけにキヤノンの元従業員の証言による工場内の様子も信憑性が疑われます。そもそも、この記者は取材対象の選び方が適切ではないように思います。初めからキヤノンを糾弾する(というより、実際には言いがかりを付けているだけですが)ストーリーを練り、それを感情的に煽るような証言を選んでいるのではないかと感じさせる部分があります。

例えば、冒頭にあるカメラマンのエピソードもトラブルが起こったという事実を冷静に伝えるものではなく、トラブルに遭った人が怒りをぶちまける感情的な描写が主体になっています。また、これによって読者の同情を惹こうとする意図も見え隠れしているような気がします。

 「あれ? なんで何も見えないんだ?」。都内に住む30代のプロカメラマンAさんが血の気の引く“恐怖体験”をしたのは昨年夏のことだ。愛用するキヤノン「EOS 5D」のシャッターを切っていると、前触れもなく急にファインダーの視界が真っ暗になったのだ。

 「何だ?」。もう1回シャッターを押すと、今度は「カラカラ」という軽い音。突然の異変にレンズを外してカメラの内部をのぞき見ると、基幹部品であるミラーが落ち、光を感知する画像センサーの上に覆いかぶさっていた。

 「仕事中に、エライことをしてくれたなという感じですよ」。Aさんは憤りを隠さない。同じカメラマン仲間には、今年初めに「5D」を購入し、使い始めた途端にミラーが外れてしまった例もあるという。「プロのカメラマンにとって、撮影中にカメラが動かなくなることが、どういうことを意味するか」――。憤ると同時にキヤノンへの信頼を失ってしまったという。


私の個人的な印象で言わせて頂くなら、このカメラマンはプロといっても大したレベルではありません。メイン機材として中級機であるEOS 5Dを使っている(仲間のカメラマンに至っては今年初めに購入したということですから、型遅れの店頭在庫か中古機になります)というのも何ですが、それ以前にちゃんとしたプロなら「機材トラブルはいつでも起こるもの」と想定していなければなりません。それに備えて常にバックアップ用の機材を準備しておくのが常識です。

秋山亮二
ドキュメンタリーやスナップを得意とする秋山亮二氏ですが、
食べていくためには広告写真もやらざるを得ないのでしょう。
前職で広報誌用の撮影のときご一緒させて頂いたことがあります。
当時の機材はEOS 1Nでしたが、予備に2台のボディを準備されていました。
上の写真はフォトグラファーの機材をクローズアップしたムックから
スキャナで取り込んだものなのでかなり荒れていますが、
比較的気軽な路上スナップでもマミヤ6とコニカ・ヘキサーの
2台体制になるそうです。


私などアマチュアとしても決して大したレベルではありませんが、フィルム時代に入れ込んでいたとき、本気の撮影に出かける際にはメインにEOS 1N、バックアップ用にEOS 5、さらにコンパクトカメラのコンタックスT2という布陣が普通でした。撮影中にカメラが動かなくなっても(昔は電子的なエラーが出てもバッテリーの抜き差しで解決することが多かったものですが)、フィルムが尽きてチェンジしている最中にシャッターチャンスが来ても、何とでも対応できるようにしていたものです。

デジタルでもメモリーカードが一杯になったり電池切れになったり、撮影の中断を余儀なくされることはあるでしょう。そういう意味でも「撮影中にカメラが動かなくなる」など日常的に生じることです。ま、メモリーや電池が尽きるというのは突然起こることでもありませんから、タイミングをはかることも可能でしょう。が、確実にタイミングが読めるとも限らないでしょうから、いかなる場合でも瞬間を逃せないというのなら、メインの他にバックアップをいつでも使えるようにしておくべきなんですね。

私のようなアマチュアでプロの使用頻度とはまるで比較にならなくても、これまでいくつものトラブルを経験しています。カメラが壊れたくらいで「血の気の引く“恐怖体験”をした」などと取り乱すのはアマチュアでも相当な初心者くらいでしょう。バックアップ用もEOS 5Dで、それも立て続けに同じトラブルを起こしたのなら解ります。が、もしそうだったら仲間のトラブルについて触れられる以前に鬼の首を獲ったかのように書かれているハズですから、そうした状況でなかったのは間違いないでしょう。

「プロのカメラマンにとって、撮影中にカメラが動かなくなることが、どういうことを意味するか」それは速やかにバックアップへスイッチしなければならないことを意味するだけで、仕事が続行不能になったり、そこまでいかなくとも暫く中断しなければならなかったり、支障をきたすようではプロとはいえません。確かに、ミラーの脱落というのは尋常ではないトラブルで、起こってはいけないことです。が、「カメラが壊れたので仕事になりませんでした」などという言い訳が通用するほどプロの世界は甘くないでしょう。

ま、この辺は単に誇張されていただけで、このカメラマンの言ったそのままのニュアンスが反映されていないのかも知れません。が、取材対象の選び方も得られた証言の中身としても、これでは有用なものといえません。こうしたエピソードを冒頭に持ってくることで読者の感情に訴え、キヤノンバッシングの流れを作るための枕にしているのでしょう。このように感情へ訴えかけるような手法というのは、客観的なデータや具体的な検証で根拠をキチンと示せないときにメディアが使う常套手段です。

実際、この記事では他社でも不具合が起こっている事実を的確にデータとして纏めることができていません。また、「品質不良のオンパレード」といっておきながら、その内容について具体的に検証していません。製造現場と無関係なものが大半であることに気づかず、この記事が導こうとしている「利益追求のため製造請負に依存し、現場の品質管理が低下しているゆえに不具合が多発しているのではないか?」というストーリーに結びつけることもできていません。

要するに、こうした感情論と噂話レベルの証言を並べる以外に論旨を補強する素材がなかったということなのでしょう。

(つづく)

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