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電気自動車は遠い過去のクルマであり遠い未来のクルマである (その1)

最近、大衆メディアが大いに持ち上げている電気自動車ですが、以前にも述べましたように日産自動車は12年も前に市販車として世界初のリチウムイオン電池車を発売していました。極めて実験色の強い内容でしたが、彼らはその後も数年間、毎年のように電気自動車を単発的に市場投入してきました。そのときの大衆メディアはこれを大きく取り上げることもなく、世間一般にもそうした動きは全くといって良いほど知られていなかったと思います。

現在の話題の中心になっている三菱自動車のi-MiEV(アイミーブ)や富士重工のプラグイン・ステラといった軽自動車ベースの電気自動車は先月下旬からデリバリーが始まったそうですが、従前から電気自動車の市販に積極的だった日産は2000年に発売したハイパーミニに続いて今回も専用車を仕立て、昨日(8月2日)発表しました。

nissan_leaf.jpg
NISSAN LEAF
電気自動車もインバータやモーターなどから熱は出ますが、
内燃機関のそれとは比べものにならないのは言うまでもありません。
日産の新しい専用車のフロント開口部はバンパー下に小さくあるだけで、
放熱をあまり大々的にやる必要のない電気自動車らしい雰囲気ですね。
ルーフからテールに至る全般的なフォルムはティーダに似ていますが、
ショルダーラインの処理などはマーチに通じる印象です。
このリーフもi-MiEVと同じく航続距離が160kmとされています。
要するに「100マイル」がひとつの基準ということなのでしょう。


この日産リーフの発売は来年末とのことで、まだ少し先のハナシになります。が、既に先月下旬に発売されたi-MiEVはファーストロットとして49台、富士重工のプラグイン・ステラは3台が納入されるそうです。いずれも地方自治体や日本郵政グループ、東京電力やローソンなどの企業になり、i-MiEVの場合は個人向けの発売を来春としています。

が、個人でコレを購入するとしたら、それはスペックシートに謳われている160kmという航続距離が本当に得られると信じている酔狂なお金持ちくらいでしょう。この航続距離の表示はやや詐欺的ですから(詳しくは次回以降で)、マトモにクルマの性能を評価できる人の多くは相手にしないと思います。

以前から何度も述べていますように、メディアは電気自動車が近い将来を担うクルマとでも言わんばかりの騒ぎぶりですが、リチウムイオン電池の性能や価格に劇的な進歩があったわけではありません。なので、既に10年以上前に存在していたリチウムイオン電池車から現在のそれまで劇的な進歩があったわけでもありません。電気自動車を取り巻く状況はメディアなどの「期待感」と政府などから支給される「補助金の額」以外に大きな変化があったとはいえないのが実情です。

電気自動車を取り巻く環境はインフラ面も問題だらけですが、それを度外視してもメーカー単独での普及など絶対に不可能です。例えばi-MiEVの場合、ガソリンエンジンなら最上級グレードでも160万円弱の軽自動車ですが、それが電気自動車になれば300万円も上乗せされるわけです(その殆どがリチウムイオン電池のコストと見られます)から、そんなクルマを喜んで買う物好きな人など滅多にいないでしょう。

日産の場合、車両本体にはベラボウに高価なリチウムイオン電池を含まないカタチで販売し、電池そのものはリース契約とする独自の販売方式を検討しています。電池のリース料と電気代がガソリン代より安く済むようにとの青写真を描いているようですが、それとて道路特定財源となるガソリン税が免除され、かなりの下駄を履かせた状態だからこそ成り立つハナシです。

将来、本当に電気自動車が普及し、ガソリン車やディーゼル車が減少するとしたら、当然のことながら税収も減少します。が、その状態が放置されることはないでしょう。電気自動車が増加した暁には電気自動車にもランニングコストに係る何らかの方法で課税するか、別のところにしわ寄せが行くか、いずれにしてもこのままでは済まなくなるのは間違いないでしょう。

結局、政府やその外郭団体、地方自治体などの補助金を欠かすことができず、なおかつガソリン税のようにランニングコストに係る租税も免除され、上述のように自治体や企業などを中心としたタイアップである程度まとまった台数の販売が見込めなければ、過去に現われては消えていった電気自動車たちと同じ末路を辿るのは確実です。

補助金抜きだとほぼ460万円になるi-MiEVの場合、今年度の生産台数は1400台を予定しているそうですから、こんな少量生産では開発費の償却もおぼつかないでしょう。零細なバックヤードビルダーの商売ならばいざ知らず、三菱自動車レベルでこの台数ではそう簡単に黒字にできないと思います。もっと規模を拡大して何年かかけてモノになるかどうかといったところでしょう。が、それも「補助金ありき」で考えなければ成功の見込みなど万に一つもありません。

三菱自動車の益子修社長はi-MiEVの発売に当たって「2010年代半ばまでに顧客の負担額が200万円を切るレベルを実現したい」と語っていましたが、「顧客の負担額」と断っているということは、要するに補助金抜きでの勝負など初めから諦めているということです。やはりメーカー単独での普及など絶対に不可能というわけです。

(つづく)

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  • 2009/08/04(火) 09:53:03 |
  • 超旬ニュース

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