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都市伝説の巣窟

読売新聞の2008年2月8日の記事から抜粋します。(すぐに切れると思いますが、見出しにリンクを張っておきますので、原文もご参照ください。)

燃焼効率UPは根拠なし、公取がカー用品19社に排除命令

 燃費向上などをうたったカー用品16商品の表示に合理的な根拠が認められないとして、公正取引委員会は8日、「ギガスマルチパワータブレット」を輸入販売したソフト99コーポレーション(大阪市)や「マグチューン」を製造販売したコムテック(名古屋市)など全国の計19社に対し、景品表示法違反(優良誤認)で排除命令を出した。

(中略)

 各社は、公道での自社テストや運送業者に使ってもらった結果などを根拠としたが、公取委は、自動車工学の専門家に意見を求めたうえで、「道路状況やアクセルの踏み方などで走行条件が変わるため、合理的な根拠とは認められない」と判断した。

 16商品は数千円~3万数千円で販売され、約20億円を売り上げた。

(後略)


gigas_multipower.jpg

このソフト99の商品も公取委から排除命令(←リンク先はPDFです)が下された一つですが、その効能書きを見ればすぐにインチキであることが解ります。

ガソリン・ディーゼル燃料添加剤

1.オクタン価向上・ノッキング防止
2.燃費を10.3%改善
3.消煙効果で環境保護
4.完全燃焼を促進
5.バルブを摩擦から保護


そもそも、燃料としての性状が根本的に異なるガソリンとディーゼルを一緒くたにしているところで既に終わっていますね。「オクタン価向上」がディーゼル燃料にとっては粗悪化であるのは前回のエントリでご説明したとおりです。

以下、根拠不明なのでコメントのしようがありませんが、「燃費を10.3%改善」という謳い文句を信じる人がどれだけいたんでしょうか?

ま、こういう商品は昔からありましたが、理論が破綻しているものばかりですね。恐らく買って行った人たちの殆ども半信半疑でしょう。たまにプラセボ効果で信じちゃう人がいるという程度なのだと思います。が、それにしてもこんなインチキ商品群が20億円市場に成長していたとは、少々驚きました。

でも、よくよく考えてみますと、カー用品ショップのケミカルコーナーにはこの種の胡散臭い商品が山のように売られていますね。エンジンオイル添加剤だの、ATフルード添加剤だの、バッテリー液添加剤だの、燃料タンクの水抜き剤だの、タイヤの保護剤だの、ビタミンE配合本皮シートクリーナーだの、全部がインチキとまでは言わないにしても、無駄なものが非常に多いですね。

私が自動車業界にいた時分、メーカーで開発をやられている人たちと一緒に仕事をしたことが何度もあります。ここだけの話ですが、実際にエンジンのベンチテストをやっている実験室内へ特別に入れてもらったこともあります。石英ガラスで作られたピストンを使って、下から超高速度カメラで撮影して、火炎伝播がどういう挙動を示すのか観察するみたいな現場も見せてもらったことがあります。

こういう現場で仕事をされている方と話もしましたが、世間一般には風説といいますか、迷信といいますか、ま、この種のインチキなケミカルなどと共に自動車には都市伝説の類が蔓延しているとの旨、仰る方が少なくありませんでした。

でも、一口に開発の方といっても、エンジンをやられている方と、車体をやられている方とでは分野がかなり違いますので、自分の畑から外れてしまうと、あまり詳しくご存知でないこともあるようなんですね。現代の自動車ってのは生物みたいに高度で複雑になっているんだなぁと実感したものです。

となるとですね、それこそ妖しげな健康法やダイエット食品が受け容れられているのと同様に、世間一般の皆さんが騙されてしまうのもある意味では仕方ないのかな? とも思います。

添加剤や燃料タンクの水抜き剤やタイヤの保護剤やビタミンE配合本皮シートクリーナーがどうして無駄なのかは、別の機会に譲りたいと思います。

テーマ:自動車全般 - ジャンル:車・バイク

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まとめ

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