酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

政府はかくして国民世論を操作する

またしても5回にわたる連載で裁判員制度についてダラダラと私見を述べさせて頂きました。件の制度はその中身からして本質を逸脱したインチキなハナシばかりで嫌になりますが、先月下旬に内閣府から発表された世論調査の結果もまた実にインチキ臭かったですねぇ。それまで各メディアの世論調査では70~80%の人が「参加したくない」と答えていたのに、いきなり71.5%の人が「選ばれれば行く」と答えたように聞こえる報道を引き出してしまいました。

しかし、この内容をよく見直してみますと、選択項目の設定の仕方で回答が誘導され、大衆メディアの報道もそれに引きずられただけと見るべきでしょう。そもそも、同じ内閣府の調査でも平成17年2月に行われたときの選択項目と今回とはかなり違った書きぶりになっています。まずは平成17年のときの選択項目とその内訳をご覧頂きましょうか。

・参加したい (4.4%)
・参加しても良い (21.1%)
・あまり参加したくない (34.9%)
・参加したくない (35.1%)
・わからない (4.4%)

「参加したい」と「参加しても良い」の合計が25.5%だったのに対して「参加したくない」と「あまり参加したくない」の合計は70.0%で、このときは民間の世論調査と大差ない結果でした。が、今回発表された内閣府の世論調査は選択項目とその内訳が以下のようになっていました。

・義務であるか否かにかかわらず行きたい (13.6%)
・義務だからなるべく行かなければならない (57.9%)
・義務だとしても行くつもりはない (25.9%)

ご覧のように、選択項目が減っているうえ、いちいち「義務」という言葉を付し、「参加したくない」と思っている人に対して暗にプレッシャーをかけていることがありありと解ります。「義務だとしても行くつもりはない」という背徳を匂わせるような項目を避けると、自動的に参加する意思がある項目を選ばなければなりません。これはかなり卑怯な項目設定であるように感じます。

もし、ここに「義務だから行かざるを得ないが、免除されるなら行かない」という項目を加えていたら、「義務だからなるべく行かなければならない」を選んだ57.9%のほぼ全員がそちらへ流れ、「参加したくない人」としてカウントされる結果になっていたのはまず間違いないでしょう。

「義務だからなるべく行かなければならない」の裏を返せば「義務でないなら行きたくない」ということになると見るべきです。要するに、この世論調査の結果で見えてくるのは、義務でなければ83.8%の人が「参加したくない」と思っているのが実態だということです。これは70%程度だった以前よりむしろ忌避したい人が増えていると考えるべきでしょう。

こうした結果に至ったのは、恐らくメディアも守秘義務だの量刑判断だの厳しい罰則と重い責任(※)を伝えるようになり、それが広く知られるようになったからだと思います。

(※裁判員が量刑判断にも加わるということから「重い責任」とイメージされ、メディアもそのように扱っていますが、何度も述べてきましたように、裁判所の考え方次第でこれを形骸化してしまうことが可能です。なので、私は裁判員にそれほど重い責任が課せられているとは考えません。ま、そういうことは世間一般に知られていないからこそ裁判員が重責とイメージされ、敬遠されがちなのでしょう。)

政府の犬であるNHKなどはあたかも71.5%の人が「参加する」と考えているかのように伝えていたのですから、笑止千万です。こういうインチキな情報を流布するのは「世論調査」ではなく、「世論操作」そのものです。ま、こういうインチキで国民を誘導しなければならないくらい、この制度は国民から望まれていないものだということですね。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://ishizumi01.blog28.fc2.com/tb.php/461-2ab0397d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

まとめ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。