酒と蘊蓄の日々

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東京モーターショーは何処へ行くのか? (その1)

東京モーターショーが始まったのはいまから55年も前で、私が生まれるずっと以前のことですから、当時のことは資料などで読んで知っている限りです。第1回の東京モーターショーは日比谷公園で開催され、254社が参加、展示車両は267台だったそうです。が、そのうち乗用車は僅か17台のみだったといいます。まだクルマは庶民にとって高嶺の花で、そのときのモーターショーはトラックとモーターサイクルが主役だったそうです。

晴海の見本市会場に移ったのは1959年からだそうで、この時点でも私が生まれるずっと前です。私の親はそれほどのクルマ好きではないゆえ子供時代には縁遠く、私が初めて東京モーターショーに行ったのは中学生の時でした。当時親しかった友人と連れだって行ったのを昨日のことのように覚えています。私が知っている晴海の東京モーターショーは終わりのほうの3回だけですが、クルマの見本市なのにクルマでの来場を禁止するというチグハグさが自動車評論家の間で酷評されていたそんな時代です。

それが千葉県の幕張メッセに移転したのはいまから丁度20年前です。このときはまだ京葉線が東京駅まで乗り入れておらず、しかも最寄りの海浜幕張駅には鈍行しか停車しませんでした。都心からは総武線もしくは京成線の幕張本郷駅のほうが早かったのですが、会場まで2km以上ありましたから徒歩では往復で1時間以上かかりました。現在はメッセの会場に隣接している巨大な駐車場も当時は存在せず、電車で行ってもクルマで行っても多くの人はシャトルバスのお世話になるという、そんなアクセス面が未熟な状態だったんですね。

しかしながら、一気に広がった会場は圧巻でした。ホンダのNSX(このときは発表だけで発売は翌年からですが)や日産のスカイラインGT-R(R32)をはじめとして、フェアレディ300ZX(Z32)、二代目MR2(W20)、セリカGT-FOURラリー(T180)、後に私の愛車となったユーノス・ロードスター(NA6)等々あの年はスポーツカーやその種のハイパフォーマンスカーの当たり年でした。それだけに絵に描いた餅のようなコンセプトカーが並んでいる例年のモーターショーよりずっと興奮したのを覚えています。

私にしてみれば自宅から遠くなり、足代が高くつくようになった上に当時はあのアクセスの悪さですから、会場へ着くまでは晴海の方が良かったと思っていました。が、あのバブル全盛期のイケイケ状態は自動車メーカーをも確実に狂わせ、あの広い会場なのに内容はむしろ濃くなっているという状態に私もついつい浮かれてしまいました。

幕張メッセに移転してから3回目となった1993年はバブル崩壊後の不況下でしたが、コンセプトカーなどはむしろ増え、東京モーターショーだけは不況をものともしないといった感じでした。基本的には拡大路線が続いたこともあって1999年~2004年は乗用車と商用車を交互に毎年開催としてみたり、2005年から隔年の総合モーターショーに戻したり、途中には色々ありました。が、今年ほど急激に規模を縮小したのは55年・41回に渡る東京モーターショーの歴史の中でも前例がないでしょう。

ということで、今年の会場の雰囲気がどうなっているのか実際に見ておきたいと思いました。最近は変わり映えしない展示内容とコンパニオンのお姉さん目当てのカメラ小僧に辟易していましたので、ここまで積極的に会場へ行きたいと思ったのは久しぶりです。

で、結論から言いますと「大して変わらなかった」というのが率直な感想です。いえ、変わった部分も沢山あったのですが、全体の雰囲気そのものは良くも悪くも例年通りという印象なんですね。

事前に想像できた状態は三つありました。一つは会期が短縮され展示スペースも大幅に縮小されたことから混雑が激しくなっている状態、一つは内容が薄くなったことから興味を失った人が増えて混雑が緩和されている状態、一つは規模の縮小と来場者数の減少がバランスして例年と大差ない混雑具合に保たれている状態、結果は例年と大差ない混雑具合だったと思います。ついでにいえば、コンパニオン目当ての忌々しいカメラ小僧どもの密度も例年並みといった感じです。

前回は乗用車と部品に南側の1~8ホールを用い、北側の9~11ホールを二輪車および商用車に割り振っただけでなく、タイヤ・オーディオ館としてアリーナまで利用し、要するに幕張メッセをフル活用していました。しかし、今回は1~8ホールのみとなり、会場の延べ床面積はほぼ半減しています。

それでいながら、フェラーリや現代自動車など撤退の判断が遅れたメーカーがいくつかあったせいか、スペースを持て余しているといった印象を強く感じました。ラウンジがやけに広かったり、子供の描いたクルマの絵の展示など従来ならホールを繋ぐ中央モールなどに設けられていたようなものまで展示ホールにドーンと大きなスペースを取ったり、TOKYO FMのサテライトスタジオなどは観覧席が設けられ、ヤマハのブースよりも広いくらいでした。

従来のようなスペース配分であれば1~6ホールでも足りていた(東京モーターショーのガイドマップでいう東ホールは不要だった)かも知れないと思わせるような状態でしたね。

幼児くるま絵画展
幼児くるま絵画展
今年参加した海外メーカー3社(ロータス、ケーターハム、アルピナ)
のブースを足したくらいの広大なスペースを割いていました。
これだけ広くする必然性が何処にあったかといえば、
それは余っていたからとしか考えようがないでしょう。
ご覧のように展示された作品を見ている人は殆どいませんでした。


前回は輸出が堅調で多くのメーカーが増収増益という好況だったと思います。それゆえ、国内メーカーは特にボリュームがあって、ブースを二階建てにするというのも上位メーカーではすっかり当たり前になっていました。二階建てにするメリットは、展示スペースを大幅に増やせることと、立体的な空間設計でゴージャスな感じがすること、メインステージを吹き抜けにして二階からも見下ろせるようにし、より多くの人が同時にそれを見られるといったところでしょうか。

TMS2007日産のメインステージ
前回の日産のメインステージ
メインステージにはGT-Rが置かれていてご覧のような人垣に囲まれ、
よほど根気がなければステージに近づくことができませんでした。
が、吹き抜けになっている二階なら一階ほど多くない人垣を抜ければ
比較的容易にメインステージを見下ろすことができました。
この写真もそうして二階から撮影したものです。


こうしたレイアウトを最初に始めたのがどこだったかは覚えていませんが、ここ何年かはこの二階建て構造が国内大手メーカーではよく見られる手法になっていました。しかし、今年はこの二階建てをやっているところが一つもなく、トヨタでさえ昔ながらの平屋に戻ってしまいました。浮ついた感じのコンセプトカーも激減しており、各社とも大幅に予算を絞ったということがありありと解る状態でしたね。

もっとも、市販の可能性を秘めたデザインスタディのような試作車などは別ですが、コンセプトカーの多くは中身がなく、出品されていようがいまいが私にとってはどうでも良いようなものばかりでした。これが大幅に減ったといっても私には喪失感など微塵も感じられず、かえって余計なものがなくなった分だけスッキリしたというのが率直な感想です。

(つづく)

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