酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

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サイクルモード'09 (その5)

MERIDA_MIYATA.jpg

スペシャライズド、スコット、GT、マングースといったそうそうたるブランドのOEMを手掛け、ジャイアントに次ぐ台湾第二のメーカーとして充分な実力を持っているメリダですが、日本国内の展開はあまりパッとしませんでした。それは常々ビジネスパートナーとして選んだブリヂストンサイクルのアンカーブランドとマーケットの傾向や価格帯が被っているからではないかと言われ続けていました。

今年の8月にブリヂストンはメリダとの販売契約を解消するとプレスリリースしました。リンク先にあるブリヂストン側の理解も全くその通りで、契約解消の理由を“当社のトップブランド「アンカー」の成長と、メリダ社の高級化路線のバッティングによるもの”としています。

これでメリダが何の断りもなくいきなりミヤタと組んでいたら何だかえげつない感じになっていたところですが、ブリジストンのプレスリリースにも“新代理店として「宮田工業株式会社」を起用したいとの申し入れがあり、当社もこれに同意した”と書かれているように両者は決して喧嘩別れしたわけではなく、至って紳士的だったようです。

メリダのほうがブリヂストンより国際的なシェアや競争力を持っているのは間違いありません。こうした立場を考えれば、ブリヂストンとのビジネスが上手くいかないなら日本市場の戦略を見直すに当たってメリダ側から一方的にブリヂストンとの契約を打ち切るといったパターンもあったと思います。

が、彼らは新たなパートナーと組みたい旨を申し入れるなどブリヂストンに対してキチンと筋を通しました。こうした真摯な態度は非常に好感が持てますね。中国や韓国のように反日教育を施したり反日感情を煽るような情報操作をしている国と異なり、台湾は親日的と言われますが、そうした国民性によるのでしょうか? それとも、単にメリダの社風がそうなのでしょうか? ま、その辺はよく解りませんが、この一件で私はメリダを大いに見直しました。

ミヤタは古くからオランダのコガと提携しており、コガ・ミヤタというブランドは私が中学生のとき初めてロードレーサーを買うとき、ボロボロになるまで見たミヤタのカタログ(ロードレーサーやランドナーなどスポーツサイクルの専用カタログ)の中でも最高級モデルとして掲載されており、ただただ憧れるしかなかった雲の上のような存在でした。いまでもコガ・ミヤタはFullPro2Lightを筆頭に中~高級モデルが中心ですから、アンカーほどメリダのラインナップとぶつかることもないでしょう。

メリダもジャイアントに倣って早くからヨーロッパに拠点を置きました。ドイツのシュツットガルトにメリダ・ヨーロッパを設立し、デザイン・設計・開発部門を完全にヨーロッパへ移管して既に10年以上が経過しています。台湾資本ながらヨーロピアンブランドと変らないブレインが設計しているのはジャイアントと同じです。今度こそはメリダも日本で確固たる足掛かりが得られるよう期待したいところです。

CHERUBIM_SPEEDMASTR.jpg
CHERUBIM SPEEDMASTR

細身のクロモリチューブを生かした流麗なフォルムでセンスの良いフレームワークを見せてくれるケルビム(今野製作所)ですが、今年はハンドルやステム回りもオリジナルパーツとした見事な仕事ぶりを見せつけていました。写真のスピードスターはアームレストが存在しないゆえ普通にDHポジションをとれるのか微妙ではありますが、この造形はもはや現代彫刻というべき領域に踏み込んでいるような気がします。

CHERUBIM_SPEEDMASTRステム部

ハンドルとフレームとの接合部はご覧の通りで、職人技炸裂といった感じです。こういう造形は擦り合わせで仕上げられるハンドメイドならではでしょう。逆に、大半を機械で作ってこのレベルのクリアランスを管理しようと思うと、かなりの工作精度を求められるでしょうから、生産台数によっては却って高くつくかも知れません。

ケルビムは『ロードバイクインプレッション』などのムックでも度々取り上げられますが、こうしたメディアはどちらかというとオーソドックスなモデルに集中しがちです。ケルビムのフレームはそちらも非常に素晴らしい内容ですが、他のフレームビルダーと決定的に違う個性を発揮するのは今回ご紹介したような分野かも知れません。

マスプロメーカーと違って様々な要望に柔軟に対応できるこうしたフレームビルダーのほうがトレックの色だけスペシャルなそれよりずっと高いレベルのオリジナリティを表現できるでしょう。いつかは町田にあるショップへ行って、今野さんとジックリ検討しながら私の自転車哲学を注いだ入魂の一台を作りたいと考えています。

(つづく)

コメント

ケルビムの今野社長

ケルビムの今野社長は私の出身、東海大学工学部金属材料工学科の先輩です。
クロモリパイプはじめ鋳鉄のラグ、アルミ部品など理屈にはとてもお詳しいです。
また伝統的に東海大学自転車部の公式サプライヤーでもあります。
先日お亡くなりになられたロックバンドの忌野清志郎さんのお気に入りのブランドでもあります。
ケルビムは老舗ブランドで息が長いですね。ギャンブルの競輪には昔からフレームを供給しないという頑固さ(笑)も筋が通っていますね。


今野社長の弟さんもフレームビルダーで今野義さんとおっしゃいますが、3Rensho(三連勝)というモロ競輪選手向けのブランドでした。私が敬愛する滝澤正光選手のブランドです。

  • 2009/12/26(土) 22:53:20 |
  • URL |
  • 林宏 武蔵野市 #-
  • [ 編集]

林宏さん>

弟さんのほうはDH系MTBとか、アルミチューブとか、色々柔軟にやられているようですが、お兄さんのほうはケルビムという看板を引き継いだこともあるのか、強い拘りを貫いている感じですね。特にフレームマテリアルとしての鉄には強い拘りがあるようです。

ま、最近はカーボンフォークを組み合わせたりもしているようですが、カイセイに特注のクロモリチューブを作らせるといった拘りは貫かれているようですね。

>東海大学工学部金属材料工学科

これは知りませんでした。ケルビムの今野社長は「鉄の特性を知り尽くしている」と評されることがありますが、なるほど、ちゃんと基礎から専門的な勉強をされているわけですね。

  • 2009/12/29(火) 20:42:49 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
  • [ 編集]

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