酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

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愚者は同じ過ちを繰り返す

これまでも何度となく触れてきましたが、三菱ふそうのクレーム隠しが発覚した2004年、三菱車に車両火災が発生する度にメディアはこれを大きく取り上げ、あたかも三菱車だけが頻繁に燃えているといった誤った印象を形成してしまいました。しかし、毎日平均20台くらいが燃えていながら、報じられたのが三菱車だけだったことから、この一件は偏向報道の具体例として松永和紀著『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学』やWikipediaの「偏向報道」の項にある「一方的なバッシング・過度の肩入れ」でも紹介されています。

いまメディアが大きく報じている新型プリウスのブレーキ関係の不具合(トヨタはまだ正式に不具合とは認めていませんが、ここでは便宜上「不具合」と標記することにします)も結局はABS絡みの制御系プログラムに原因があったとのことで、一般的なABS装着車にも見られる不具合と大きな差異は認められません。

これは車両火災の実態を知らぬまま三菱車の火災だけしか扱わなかった偏向報道と全く同じで、ABSに関する不具合の前例を全く調べず、実態を知らぬまま新型プリウスの一件のみを問題視するという状況になっています。彼らに進歩を期待するのは無理なことなのでしょうか?

ABSの不具合については先にもご紹介しましたようにいすゞエルフ(および同型のOEMである日産アトラス)やシトロエンC3およびC2のようなハードウェアに因むものも何件かありましたが、今回のプリウスと同じく制御プログラムの問題、即ちソフトウェアに因んでリコールやそれに準ずる改善対策となったケースはさらに多く、決して希なことではありません。ABSの制御プログラムの不具合でリコールおよび改善対策となった実例を以下に列挙してみましょうか。

1999年に届出のあったダイハツ・ミラ等の26,166台、2000年に届出のあった日野中型トラック・中小型バス等の14,766台、2005年に届出のあった三菱ふそう大型バス等の2,243台、2006年に届出があったトヨタ・エスティマの18,149台、2007年に届出のあったジープ・チェロキー等の1,985台などです。

全てのリコールおよび改善対策をしらみつぶしに確認するのは大変な手間がかかりますので、ここで取り上げたのはサーチエンジンで「ABS リコール」「ABS 改善対策」で検索してヒットした案件だけです。なので、漏れがある可能性も低くないと思いますが、少なくとも最近11年の間にABSの制御プログラムの問題で制動距離が長くなる恐れがある不具合は以上のように5件ありました。2年に1回くらいのペースで起こっていたということですね。

また、トヨタの対応に批判が集まっていますが、「対応が遅い」というのは当たらないでしょう。上に挙げたリンク先をご覧頂けばお解りのように、発売から1~2年して対応しているケースが殆どで、三菱ふそうのケースでは最大で16年経過しているものもあります。要するに、こうした前例を全く把握せずに新型プリウスの発売からまだ9ヶ月弱しか経過していない段階でトヨタへの批判を高めているという状況です。

確かに、トヨタのメディア対応も酷いものでした。当初「調査中」としておきながら一夜明けたら「先月出荷分からプログラムを修正して対策済み」と翻してしまったのはお粗末としか言いようがありません。トヨタ内部でもマトモな意思疎通ができていなかったということで、こうした点は批判されても仕方ありません。それに加えて、修正を行ったからにはやはりプログラムが適切ではなかったということですから、国土交通省への報告をしておくべきでした。この点は私もトヨタに対して大いに批判しておきたいところです。

しかしながら、不具合そのものは直接の原因がABSの動作を制御するものか、ABSを働かせるために回生ブレーキから摩擦ブレーキに切り替える際の動作を制御するものかの違いこそあれ、全く同種の問題であって、新型プリウスのそれだけが問題視されるのは公平性を欠くものです。無知は偏向報道に直結するという、三菱車の火災問題と同じ過ちをそっくりそのまま繰り返してしまったわけです。

また、こんな出鱈目な報道が横行しているのも笑止千万です。

不具合の改修方法には、不具合の原因が設計や製造段階にあったことを認める「リコール」と、自主的な改修である「サービスキャンペーン」などがあるが、トヨタの今回の対応には国内でも批判が強まっており、「リコールせざるをえない」(業界関係者)との見方もある。


この「業界関係者」がどういうレベルの人なのか解りませんが、日本における自動車のリコール制度のイロハも知らないようなド素人の意見を拾ってどうするのかと思いましたね。

(2月8日追記) 今般の新型プリウスの件でトヨタはまだ欠陥を認めていないということが頭にあって書き進めていたため、少し言葉が足りませんでした。以下のように赤字の部分を付け加えさせて頂きました。

日本の制度では自動車メーカーが国土交通省に不具合情報を報告したら、その処置をどうするかメーカーと見解が食い違っていても最終的には国土交通省が決めます。それには「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」の3つありますが、メーカーが「サービスキャンペーン」に該当すると主張してもどれに該当するかを最終的に決めるのは国土交通省であって、メーカーが勝手に判断することはできません。

「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」の違いは何なのか、メーカーの報告以降の手続きがどうなっているのか、詳しく述べていると長くなってしまいますので、いずれ別にエントリを設けることにします。が、日本のメディアは3度も繰り返されたクレーム隠しの問題を経、三菱ふそうのときはあれだけ猛烈なバッシング大会を繰り広げておきながら、リコール制度については何一つ勉強してこなかったということです。

ちなみに、ABSに関するリコールや改善対策の前例からしますと、制御プログラムの改修で済んだものは殆どの場合がリコールに準ずる「改善対策」になっています。私が知る範囲ではジープ・チェロキー等の1件が「リコール」になりましたが、上記5件中4件は「改善対策」となりました。一般にハードは「リコール」、ソフトは「改善対策」になる傾向が強いように見られますが、この辺は紙一重なのでしょう。

なお、ABS絡みの不具合で「サービスキャンペーン」となった前例は、ABS警告灯が誤作動するとか、通常のブレーキとして正常に作動するもののABSが働かなくなるといったケースがありました。いずれも欠陥とはいえないレベルの軽微なものですね。

こうした前例に照らしますと、プリウスのケースも「改善対策」もしくは「リコール」に該当する可能性が高いと思われます。が、いずれにしても国土交通省に届け出て正式に対応するとなれば、トヨタが「サービスキャンペーン」を主張してもどのカテゴリーに属することになるのか最終的な判断をするのはトヨタではなく、国土交通省自動車交通局技術安全部審査課の仕事です。

こうしたことは専門家に聞けばすぐに解ることですが、そうした取材も行わず、前例の確認も怠って、ただ流れてくる情報の受け売りに終始しています。日本中がこうした低レベルな報道に翻弄されるのは実に情けないことです。もう少しマシな報道ができるようになって欲しいと望むのは無い物ねだりなのでしょうか?

コメント

いろいろ勉強させていただいております。今回のトヨタの件に関しては、さすがの
あなた様でもメディア批判に偏りすぎ、
判断停止状態に陥っておられるように
思います。

  • 2010/02/07(日) 17:23:47 |
  • URL |
  • ikaru #-
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ikaruさん>

>メディア批判に偏りすぎ

私は今回も過去の類例を挙げるなど出来る限り根拠を示しながら論を進めています。本文をキチンとお読み頂けばメディアが偏向報道を繰り返しているのは事実だとご理解頂けるハズです。また、メディアが不勉強である理由も明らかにしています。トヨタに非がある部分もちゃんと批判しています。が、それでも偏りがあるとするなら何処がどう偏っているのか具体的にお示し下さい。

そうした指摘もないままただ「判断停止状態」と批判されるのでは、アナタがご自分の主観を押しつけているようにしか見えません。

  • 2010/02/07(日) 18:17:17 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
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ご指摘のとおり主観を押し付けています。
過去の類例云々はどうでもよいことだと
思っております。判例主義は好かん。
機動性に劣ることが多すぎるのでいらいらさせられる。
あらゆる事象を論駁するのが好きな方
は概ねアナタと同じような特徴をもっておられるのでおっしゃりようはよく理解できます。

  • 2010/02/07(日) 18:52:05 |
  • URL |
  • ikaru #-
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ikaruさん>

>ご指摘のとおり主観を押し付けています。

了解しました。

申し訳ありませんが、私は誰かの主観に迎合して記事を書くつもりはありません。ですから、ikaruさんの主観にそぐわない場合は適当にスルーして下さい。客観的に見て問題があるようでしたら遠慮なくご指摘下さい。

  • 2010/02/07(日) 19:37:23 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
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ブログ主さん自身への批判はわかりました。
ところで、今件でikaruさんはどのようなご意見をお持ちなのかお聞きしたいです。
できれば、他所様の場所を使うのでは無く、ご自身で場を設けるか、不特定多数の方が参加される場所で。

  • 2010/02/07(日) 20:50:00 |
  • URL |
  • #WCSj23LI
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やはりリコールはメーカーが決めるのでは

日本の制度では自動車メーカーが国土交通省に不具合情報を報告したら、その処置をどうするかは国土交通省が決めます。それには「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」の3つありますが、どれに該当するかを最終的に決めるのは国土交通省であって、メーカーが勝手に判断することはできません。

私は自動車業界の人間ではありませんが、リコールに該当するかどうかは一義的にはメーカーが判断し、国土交通省に処置内容を届けるのではないかと考えます。 なぜなら技術的に瑕疵の程度がリコールすべきか、サービスキャンペーンで対応可能化などは車の中身を知っているメーカーでなければ判断できなと思うからです。

国土交通省は届出内容が不適切であると何らかの方法で判断された時は修正命令を出せるでしょうが、そのような特殊なケースでなければ、取りあえずメーカーの言う通りりコールを公示するのではないでしょうか。

もしそうなら、「トヨタがリコールを決断」という報道は間違いとは言えないと思います(法的には完全な最終毛一定ではないのかもしれませんが)

RealWaveさん>

ご指摘有り難うございます。RealWaveさんがお示し下さった私の記述を読み直して言葉が足りないことに気付きました。

確かに、メーカーが「リコール」として届出た場合、国土交通省が「改善対策」に該当する案件だからそちらに修正しなさいとは言わないで、そのまま受理してしまうでしょう。が、普通のメーカーは今回のトヨタのように「リコール」とするのを避けたがります。特に今回はトヨタも欠陥であるということを認めていない段階でしたし、このようなケースはABSの不具合の前例に照らせば「改善対策」で済ませられる可能性が低くありませんし。

そうした頭で書いてしまったので、少々不正確なものになっていました。(投稿したとき少し眠くなっていたので充分に気が回らなかったのかも知れません。)


さて、「リコール」に該当するか否かの判断ですが、日本における自動車のリコール制度にはちゃんと「リコール」の定義があります。詳しくはいずれ別にエントリを設けてご説明しますが、ここではザッと概要を申し上げます。

まず、日本における自動車の「リコール」の定義ですが、本文で引用した記事にあるような「不具合の原因が設計や製造段階にあったことを認める」か否かで決まるものではありません。「改善対策」も「サービスキャンペーン」も「不具合の原因が設計や製造段階にあったことを認める」ところから始まるのですから。

「リコール」に該当するのは「道路運送車両の保安基準」(以下、「保安基準」と表記します)に適合していない若しくは適合しなくなる恐れがあるという場合になります。この保安基準というのは、「自動車が公道を走るための要件」と読み替えて頂くと解りやすいでしょう。最初からこの保安基準に不適合であると解っている場合は車検を通すことができず、ナンバーも付きませんから、公道は走れないということになります。

今回の新型プリウスの場合、ABSが作動する際に回生ブレーキから摩擦ブレーキに切り替わる段階で若干のタイムラグがあるとされています。この状態が保安基準を満たさなくなる恐れがあるか否かの判断が「リコール」に該当するか否かの判断になります。

もし、トヨタがこれを「サービスキャンペーン」として届出ても、国土交通省が保安基準を満たさなくなる恐れがあると判断したら「リコール」に該当する案件であることをトヨタに「通知」します。それでもトヨタが「リコール」を届出なかった場合、途中何段階かありますが、最終的には国土交通省が「リコール」を届出るよう「命令」します。トヨタが「サービスキャンペーン」だと主張しても最終的に国土交通省がそれを認めなければ、その主張は通らないということです。

自動車の場合、「リコール」に該当するか否かは技術的な瑕疵の程度ではなく、その不具合によって想定される状態が保安基準を満たさなくなる恐れがあるか否かによって決まるというわけです。

ただ、保安基準を満たさなくなる恐れがあるか否かの判断は微妙な場合も多く、見解が別れることもあるでしょう。三菱ふそうの一件を受けてリコール制度が見直されたときも、それまで常々問題視されてきた曖昧なリコールの判断基準をより明確化させたり、メーカーから届出のあった不具合情報でリコールに至らない案件についてその理由を公表するといったカタチに見直されたりしました。こうしたことはリコール制度の運用当事者である国土交通省にとって当然の義務と考えられるようになったわけです。

ま、ここに至るまでは不備だらけの制度でしたし、現在でも昔に比べればかなりマトモになったものの、まだまだ充分とはいえませんが。

  • 2010/02/09(火) 00:42:26 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
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トヨタに深刻な問題があるのかも

アメリカの自動車評論家のマリアン・ケラーがトヨタに対しかなり厳しい見方をしています。
http://web.diamond.jp/rd/m595094
プリウスの話とごっちゃになっている報道も多いのですが、フロアマットの問題は死亡事故が起き、アメリカのマスコミが大きく取り上げているのにトヨタの対応は鈍いとしか言いようがありません。

豊田社長もなかなか本人が登場しなかったことも含め、マスコミとの会見は十分、準備され練られたものではありませんでした。「神々は仔細に宿る」と言いますが、トヨタ全体がおかしくなってきているのではと危惧されます。

RealWaveさん>

アクセルペダルのリコールに関するトヨタの対応は私もかなり酷いと思いましたし、経営陣の動きや初期の対応にも問題が多く、そうした部分が批判されるのは当然でしょう。が、メディアが煽動して一方的なイメージが先行しすぎているのも大いに問題だと感じます。マリアン・ケラー氏は私も信頼するモーターアナリストの一人ですが、ご紹介頂いたインタビュー記事ついてはかなり不勉強だと感じました。例えば、彼女はこう述べています。

“先ほどリコール自体は珍しいことではないと言ったが、今回のトヨタのケースは数モデルにわたり、しかも何年もの製造年にわたってリコールされるという大掛かりなものである点では、やはり珍しいと言わざるを得ない。”

当blogでもご紹介していますが、昨年10月にフォードはクルーズコントロールのスイッチから発火する恐れがあるという不具合で約450万台をリコールしていますが、2007年にも同じ不具合で約360万台、最近10年間に同種の不具合で約1600万台リコールしています。これを棚に上げてはいけません。
http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-539.html


>フロアマットの問題は死亡事故が起き、アメリカのマスコミが大きく取り上げているのにトヨタの対応は鈍いとしか言いようがありません。

マリアン・ケラー氏のインタビュー記事もその点を指摘していましたが、皆さんもう少し事故の詳しい経緯を把握されたほうが良いかと思います。

これも当blogでお伝えしていますが、死亡事故に繋がった車両には不適切なフロアマットが装着されていました。それは被害者が自分で装着したものなのか、被害者に代車としてその車両を貸し出したディーラーが装着したのか明らかになっていません。が、いずれにしてもトヨタが想定していないフロアマットが装着されて事故に繋がったというのではトヨタに直接的な責任があったかどうかはかなり微妙な判断になります。

また、向こうでは社外品の分厚いマットを装着するユーザーも多数いるそうですから、何処までがトヨタの責任範疇になるのかハッキリしているわけではありません。
http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-535.html

こうした消費者不在/企業利益優先という点でいえば、ブリヂストン・ファイアストン製タイヤのリコールを巡る事件はこれよりももっと酷い内容だったと思います。フォード側に何の問題もなかったか否か現在に至るもグレーな部分は残されていますが、彼らは一貫して自分たちに全く非はないと言い張り、責任をブリヂストン・ファイアストンに押しつけました。


>マスコミとの会見は十分、準備され練られたものではありませんでした。

最初の会見はまさに仰る通りだったと思います。トヨタのこうしたメディア対応の甘さはかなり酷い有様だったと私も感じました。しかしながら、2月9日に行われた新型プリウスなどのブレーキに関する説明会見である程度は挽回できたと私は考えます。実際に不具合を再現したテストの結果も含め、かなり詳細に内容を説明していましたし、問題発覚から1週間と経っていない段階でしたから、この辺の対応はまずまずかと思います。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20100210_348129.html

それにしても、主要なメディアは何故この2月9日の説明会見を詳しく伝えなかったのでしょうか? 詳しく伝えるとトヨタが当初から言っていたように大した不具合ではないと多くの人が理解してしまい、あれだけ煽ったのが莫迦みたいに映ってしまうことを危惧したのでしょうか? それとも、内容なんてどうでも良く、誠意を見せるか否かが大事だという単なる感情論で満足しているのでしょうか?

いずれにしても、あのような報道姿勢は大いに問題です。あれだけ不安を煽っておきながら、具体的な説明内容を丁寧に伝えたところは専門的なメディアを除いて皆無に等しかったのですから。これでは土足で踏み込んで辺り一面を踏み荒らして、何も片付けずに引き上げて行ったようなものです。


>トヨタ全体がおかしくなってきているのではと危惧されます。

トヨタを買いかぶりすぎていたのでは? 彼らは以前からこんなものでしたよ。といいますか、業界全般に多かれ少なかれ似たような傾向があると思います。

トヨタは1996年にハイラックスサーフワゴンの不具合を認識しながら、リコールに該当するクレーム情報を8年間も放置していたとされ、2006年に国土交通省から業務改善命令を受けています。似たような例は1999年にダイハツでもありました。やはりクレーム情報の放置ですが、当時は制度上の問題でリコールを届出るよう運輸省が命令できませんでした。なので、改善措置勧告書が出されています。

富士重工や三菱自動車および三菱ふそうには闇改修を伴うクレーム隠しがありました。富士重工の一件は今回のトヨタよりずっと悪質でしたが、メディアはその重大さに気付かず、殆どスルー状態でした。三菱のクレーム隠しが発覚してメディアが袋叩きにすると、各メーカーとも大慌てでリコールや改善対策を連発し、平均届出数がそれ以前の4倍近い件数に跳ね上がるという有様です。
http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-536.html

ついでにいえば、いすゞは公道での試験走行を行う際、解っているだけでも40年近くに渡って不正なテストを繰り返していました。車検証記載事項の変更を伴う改造車で申請を怠っていたものが74台、そのうち保安基準に適合しないものが1台、適合するか否か不明なものが45台もありました。この一件が明らかになると、日産、ホンダ、スズキ、ダイハツにも同様の違反があったことが発覚しました。

各社ともモラルという点では多かれ少なかれ問題があり、叩けばホコリが舞うという状況に違いはないと私は感じています。言うまでもありませんが、これは自動車メーカーに限ったことではなく、製造業にとどまることでもなく、メディアだって頻繁にモラルを問われる不祥事を起こしています。

もちろん、「みんなやっていることだから問題視する必要はない」と言いたいわけではありません。みんな似たような状況にあるのなら、表面化した一社をケーススタディとするのは良いとしても、その一社のバッシングに明け暮れるだけでは根本的な解決にはならないと言いたいのです。

そもそも、日本における自動車のリコール制度は「性善説」に立ってつくられたものでした。三菱ふそうの一件で見直しがかかる以前はかなりの部分をメーカーの自己申告に頼り切っていたんですね。

実際には富士重工や三菱自動車のように闇改修で隠蔽されたり虚偽報告があったり、ダイハツのように放置されたり、何度も裏切られて三菱ふそうの時ようやく重い腰を上げ、「性悪説」を踏まえたものに大きく制度が見直されました。ユーザーから直接情報収集を行うホットラインが設けられたり、メーカーのOBを起用した検討委員会を立ち上げて報告に虚偽がないかある程度は見抜けるようにしたり、一応の改革はなされました。

しかしながら、新型プリウスのブレーキについてユーザーからの情報が13件も国土交通省へ寄せられていたのに、彼らからトヨタに対して調査や報告の指示は出ていなかったようですから、ちゃんと機能していたかといえば大きな疑問符が付きます。

やはり自動車だけにとどまるハナシではありませんが、不祥事をしでかした企業なり個人なりをメディアがバッシングしても大した進歩はないと私は考えます。確かに一罰百戒といったカタチである程度の抑止力にはなると思います。が、それも記憶が薄れていけば元の木阿弥でしょう。実際、富士重工のクレーム隠しから同じようなことが何度も繰り返され、三菱ふそうがサンドバッグ状態になっても結局は似たようなことが繰り返されてしまったのですから。

「性善説」に立ってモラルを説いても同じことが何度も繰り返されてしまうのなら、「性悪説」に立った法的な規制を強化し、監視の目を強めるしかないでしょう。国土交通省にもう少し大きな権限と予算を与え、リコール制度全般の強化を図るべきかも知れません。もちろん、他にも良い対策はあるかも知れませんが、何故そのような議論がなされないのでしょうか?

その答えは自分で上に書いていましたね。メディアの多くはリコール制度そのものを正しく理解していないのですから、そのリコール制度が抱えている問題点に気付けるわけがありません。

食品の表示を巡る偽装問題のときも「性善説」で設けられた制度の甘さはあまり主題にならず、偽装を行った企業を叩くことにメディアは熱中していましたが、そんなことを繰り返しても忘れた頃に似たような不正が繰り返されるだけでしょう。もちろん、問題を起こした企業が批判されるのは当然のことですが、その何割かのエネルギーを業界の構造や制度の問題点、それらを根本的に改善していくための議論に振り向けたほうが私は遥かに建設的だと思います。

そういう意味でも、リコール制度について何の議論にも発展しなかった今回のトヨタのリコール騒動もまたメディアは無駄に事件を消費しただけだと私は感じましたし、そういう風潮こそ危惧すべきだと思います。

  • 2010/02/16(火) 00:46:56 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
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SWのオンライン保守

石墨さん、
ご丁寧な回答ありがとうございます。この件はアメリカのマスコミがやや過剰に反応し、それを80年代の日本たたきのトラウマか日本のマスコミが得意のアメリカの陰謀論で応酬するというねじ曲がった展開になってしまいました。

ところで、PCや携帯ではSWのオンラインでの保守が当たり前なのに、自動車はなかなかそうならないですね。メカとの絡みがあるので何でもかんでもオンラインにするのは困難かもしれませんが(ちゃんと修復したかという検証も含め)、今回のプリウスのブレーキのタイミングのようなものはオンライン保守ができたらディーラー、ユーザー双方に大きなメリットがあるのにと思います。

自動車にインターネット接続をどうやってさせるかも問題かもしれませんが、ナビの地図の更新も含めてオンライン保守のサービスパッケージにすれば結構ユーザーも食いついてくると思うのですが。

RealWaveさん>

>アメリカのマスコミがやや過剰に反応し

あれを「やや」というのであれば、それ以上の反応というのはどういう状態でしょう? ワシントンポスト紙など「日本で謝罪の際に必要とされるお辞儀の角度は75度」豊田社長のお辞儀の角度は「そこまでまだ足りていない」といった莫迦げた論評まで飛び出す始末です。

また、陰謀と言えるかどうかは微妙ですが、GMやフォードの大規模リコールを棚に上げ、フォード・フュージョンなどのハイブリッド車にもプリウス同様にブレーキの問題が生じていながら殆どスルー状態という明らかな差別があります。その上でGMやフォードはトヨタからの代替えを優遇するキャンペーンを実施するなど明らかな便乗商法を展開しています。政府の関与があったかどうかはともかく、全体の流れとして何らかの意志が働いていると疑われても仕方ない状況だと思います。


さて、オンラインでの保守ですが、私は自動車には馴染まないと考えます。

この辺は専門的な知識が不充分ですので何とも言えない部分は多々ありますが、少なくとも現在のリコール制度でオンライン改修というやり方は無理ではないかと思います。まず、日本における自動車のリコールは「自動車を回収し無償で修理する制度」ですから、回収を伴わない状態が認められるのかという根本的な問題があります。

また、メーカーは回収実績を把握し、それを国土交通省に定期報告しなければなりません。これは保安基準に関わる「リコール」だけでなく、安全性の問題に繋がる「改善対策」も、製品の品質向上を目的とした「サービスキャンペーン」も同様です。メーカーがその完了を確実に把握できる方法が確立されなければ制度として認められないでしょう。

そもそも、この種の改修を要する頻度はさほど多くありません。日本車の国内におけるリコール率は10%程度(輸入車は30%程度)だといいます。そのうちどれくらいが制御コンピュータのソフトに因むものなのか解りませんが、該当するケースは極めて少ないと思います。

自動車の場合、12ヶ月毎に法定点検を実施しなければなりません。これはユーザー自身がやっても良いのですが、指定工場や認証工場などでテスタを借りるなどしないと個人では対応できませんから、普通は業者に委ねることになります。ですから、年に1度はサービス工場へ持ち込むことになるわけですね。こうしたユーザーとサービス工場が密接な関係にある中で確率的には極めて希な不具合を改修するためにわざわざオンラインでの保守環境を整えるメリットがあるのか、かなり微妙な気もします。

カーナビの地図データのアップデートに関しては既に開発が進められていますから、いずれ上級モデルやオプション対応で普及するのではないかと思いますが。

  • 2010/02/17(水) 00:02:10 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
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シンドラー扱い?

>あれを「やや」というのであれば、それ以上の反応というのはどういう状態でしょう?

アメリカ世論の実体を把握するのは私には難しいのですが、ネットで読む限りそれほど全米あげてのトヨタ批判という感じは受けませんでした。

ただ豊田社長が公聴会の出席を自発的にしなかったあたりから、かつての日本でのシンドラーエレベーターのシンドラー社に対する反応に近くなってきたかもしてません。

アメリカは全体として世論が日本より冷静な国ではありません。建前として日米は対等でも、世論が感情的になれば、世界中がアメリカの法に従うのは当然という空気になります。トヨタ、豊田社長がそのあたりのアメリカ世論の動きを読んでいたかどうかは疑問です。

ここまでくると技術論は瑣末な話で、どう収拾するかが大きな問題になります。豊田社長にそんなことができるのでしょうか。そう不安に思っているのはトヨタ社員自身のようです。

RealWaveさん>

>アメリカ世論の実体を把握するのは私には難しいのですが、ネットで読む限りそれほど全米あげてのトヨタ批判という感じは受けませんでした。

私もそうした部分はある程度印象で判断せざるを得ません。が、メディアのトヨタバッシングやアメリカ政府の対応が全米を巻き込んだ過剰なものであるのは間違いないと思います。

トヨタは一連の騒動で新車の販売が落ち込み、ケンタッキーとテキサスの2工場の稼働を2週間停止することになりました。こうしたトヨタの工場を抱えているケンタッキー州、インディアナ州、ミシシッピ州、アラバマ州の知事が連名で議会へ書簡を送り、トヨタの擁護に回ったのも過剰なトヨタバッシングを看過できないと感じたからでしょう。
http://www.asahi.com/business/update/0212/TKY201002110384.html

リコール該当車種の生産を一時中止してまで対応を優先させたことは他社に前例がないといったカタチでトヨタの姿勢を高く評価しながら、トヨタばかりが吊し上げられている状況を「不公平だ」とした書簡を彼らは議会に送りました。常識的な範疇で冷静な批判がなされている程度なら、こうした擁護も必要ないでしょう。しかも、4州の知事の連名ということは、どれだけ地元は危機感を抱いているかを物語るものだと思います。


>ただ豊田社長が公聴会の出席を自発的にしなかったあたりから、かつての日本でのシンドラーエレベーターのシンドラー社に対する反応に近くなってきたかもしてません。

私はブリヂストン・ファイアストンという最悪の前例があったため、トヨタは公聴会に対してかなり慎重になっていると直感しました。少しして実際にトヨタの幹部がメディアにそう漏らしましたから、私の直感は正しいものだったと見て間違いないでしょう。

上でも少し触れましたが、ブリヂストン・ファイアストン製タイヤのトレッド面が剥離するという不具合からフォードのSUVが転倒する事故が多発し、問題のタイヤをリコールしたとき、やはり同じように米議会で公聴会が行われました。

その席でブリヂストン・ファイアストンの小野正敏会長は素直に謝罪した一方、フォードは一貫して自分たちに非はないと主張し、頭を下げることを終始拒みました。結果、技術的にはグレーな部分が残っていたにも拘わらず、謝罪したブリヂストン・ファイアストン側が非を認めたと見なされ、ほぼ全ての責任がブリヂストン・ファイアストンに押しつけられる展開になってしまいました。

産経新聞の『豊田社長、公聴会出席は“もろ刃の剣” 苦悩深めるトヨタ 誤解与えるリスクも』(http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100212/biz1002121808022-n1.htm)という記事はそうした経緯を踏まえ、トヨタの置かれている状況を伝えています。

この記事によりますと、「トヨタはファイアストンの議会対応を研究」とありますから、豊田社長の出席を安易に決めなかったのは最善を模索していたからではないかと考えるのが自然でしょうね。

シンドラーエレベータのときも同社のトラブルばかりが取り沙汰され、過去に他社でも類例がなかったのか報じられた記憶がありません。が、実際には他社でも人身事故は少なからず起こっており、単に死者が出たか否かでいつもの偏向報道となり、集団ヒステリー状態に陥ったわけですね。そうした部分でも今回のトヨタのケースとかなり似ているように感じます。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b170303.htm
(四の3についての答弁にシンドラーエレベータ以外の事故が列記されています。)


>ここまでくると技術論は瑣末な話で、どう収拾するかが大きな問題になります。

まさに仰るとおりだと思います。豊田社長は経営の責任者であっても技術面には大して精通していないでしょう。公聴会で最も重要なポイントが技術論であるなら、その席に豊田社長を引っ張り出す意味は薄いハズです。が、米議会はその豊田社長の出席を要請しました。現地法人の稲葉社長では不足だということは、企業としての誠意といった精神論的な方向へハナシを進められてしまう可能性も低くないでしょう。

4州の知事らが公平な議論を求めた書簡を議会に送ったのも、技術論など客観的な議論にとどまらず、どちらへ転ぶか解らない精神論でトヨタが追い込まれてしまう最悪の事態を危惧してのことでしょう。産経新聞は社説で

“米議会の公聴会は政治ショーになりがちだ。今年秋には中間選挙を控え、トヨタ批判で世論にアピールする機会を狙う議員も少なくない。”

と書いていますが、そうした流れも考え得ることです。

今回のようにGMやフォードの大規模リコールを棚に上げてトヨタだけが吊し上げを食らっている極めて不公平な状態では、彼らの一方的な理屈でやり込められてしまう恐れがあります。トヨタに非があるのは確かですから、反論しにくい状況をつくるのも難しくはないでしょう。彼らが用意した場所に誘い込まれ、そうした流れの中で追い込まれてしまっては、豊田社長だろうと誰であろうと、抗うのは難しいかも知れません。

この公聴会でアメリカの政治家たちの傲慢さがどのレベルにあるのか観察できるでしょう。既にGMやフォードのリコール問題をスルーし、トヨタだけを特別扱いしている時点で十二分に傲慢といえますが、少しでも彼らに紳士的な部分が残されていることを望みます。

  • 2010/02/23(火) 00:39:45 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
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豊田社長泣いちゃいましたね

豊田社長が公聴会の後、トヨタディーラーの集まりで、ディーラーの代表が「われわれはあなたを100%支持し応援する」と言われて感激のあまり泣いちゃいましたね。
私も日本人ですから豊田社長の気持ちは判りますが、これってアメリカでは凄くまずいすね。正しい反応は、大袈裟に笑って「ありがとう」と握手を求めることです。
そんなことは純粋な日本人には難しいとは思いますが、アメリカ人のディーラーは豊田社長に対し相当不安を持ったと思います。アメリカ人は男はそうのような場合泣かないように教育されています。うっかり泣いて大統領候補から脱落した人もいます。

RealWave さん>

私にはアメリカ人の知り合いがいませんから、彼らのメンタリティについてよく解りません。

公聴会で激しい追求を受けていたときに泣いてしまったのなら、それは古今東西を問わず女々しいと誰からも軽蔑されたでしょう。が、トヨタの身内の集まりで従業員から暖かい言葉をかけられて思わず感涙を流してしてしまっただけで「頼りないリーダー」という烙印が押されてしまうものなんですかねぇ?

マイケル・ジョーダンが殿堂入りの式典でスピーチする際に冒頭から感極まって泣いてしまいましたけど(http://www.nba.com/video/channels/hall_of_fame/2009/09/11/nba_20090911_hof_jordan_speech.nba/)、そのとき会場を包み込んだ拍手はとても暖かいものに感じました。今回も豊田社長が感涙にむせんで言葉に詰まらせたとき拍手が起こりましたけど、それも彼を励ますような暖かさを感じましたが、それは私の勘違いなのでしょうか?

  • 2010/02/26(金) 01:03:13 |
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泣くのはやはりよくありません

マイケルジョーダンが泣いたのは構わないでしょう。いずれにせよジョーダンはリーダーではないからです。

アメリカはリーダーシップにパターナリズム的な強さを求めるので、泣くのは女々しい奴と思われて、リーダー失格の烙印をあっさり押されてしまうのが普通です。

日本がアメリカで企業経営ができるか、トヨタは大丈夫かということで意外な日米の違いが出てしまいました。まぁ、この件はアメリカで大きな話題にされない限る、日本人がきにしないので話題になることはないでしょうが。

RealWaveさん>

>アメリカはリーダーシップにパターナリズム的な強さを求めるので、泣くのは女々しい奴と思われて、リーダー失格の烙印をあっさり押されてしまうのが普通です。

状況などは一切斟酌されず、とにかく泣いたらアウトということでしょうか?

私も山一証券の野澤社長が「社員は悪ありませんからっ!」と言いながら大泣きしたときは少々引きましたけど、周囲の声援に感極まったり、相手の心情を思いやって涙してしまうのも「女々しい」とか「リーダー失格」といったところに直結するものなのでしょうか?

先のリプライを投稿した後に思い出したのですが、公民権運動で圧倒的なカリスマだったキング牧師などはアメリカ史においても屈指のリーダーだったと思います。が、彼も有名な「I Have a Dream」の演説のとき感極まって泣いてしまいましたよね。それから彼が暗殺されるまで7ヶ月余りありましたが、その間に彼の評判が落ちたというハナシを私は聞いたことがありません。

ブッシュ前大統領も横田早紀江さんらと面談したとき涙を流しましたが、そのことが原因で支持率が下がったでしょうか?

こうしたキング牧師やブッシュ前大統領の涙を思い出したので他にもないか調べてみました。

ブッシュ前大統領は、イラク戦争で仲間をかばって手榴弾の上に身を投げ死亡した海軍下士官に名誉勲章を授与したときにも涙を流したといいます。

ヒラリー・クリントン氏がニューハンプシャー州の予備選前に小集会で涙を流したときもメディアには人間味が強調されて逆転勝利に繋がったと言われましたが、それは女性だったからなのでしょうか?

オバマ氏も大統領選投票直前のノースカロライナ州で行われた演説のとき、その当日の朝に亡くなった祖母について語りましたが、やはり聴衆の前で大粒の涙を流しています。が、彼は見事に当選を果たしました。

アメリカでは「泣いたらリーダー失格」という説はあまりにも例外が多すぎるように感じます。


トヨタの場合、まだ社内の風通しが悪いようで、「何が起こっているのか解らない」「情報はメディアからしか入ってこない」といった不満の声も聞こえてきます。豊田社長の涙などより、そちらのほうが遥かに問題でしょう。

  • 2010/02/26(金) 22:25:37 |
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こちらのブログにも書きましたが

この件は自分のブログにも書きました。
http://realwave.blog70.fc2.com/blog-entry-239.html

日本でもアメリカでも人間の感情は変わりませんが、「感情表現」は違います。最近は大分日本人の文化的表現も変わってきましたが、それでも「抱きしめる」というのはかなり特殊な感情表現です。たとえば、トンネルか何かに閉じ込められた人が助かった時、子供が思いっきり抱きしめなくても日本人は奇異に感じないと思いますが、アメリカ人には相当奇妙な光景です。

アメリカ人の涙腺が日本人より丈夫だということはありませんが、「泣く」という行為への受け止め方が違います。感情表現は文化の違いの代表的なものの一つですからこれはいたしかたありません。

あくまでも私の印象ですが、平均的白人アメリカ人男性は、キング牧師が泣くのは黒人だからOk。クリントンは女だからOk。ブッシュはダメな奴だけど、そこが親しみが持てる、という反応ではないでしょうか。

豊田社長も「外人」ですから許されるかもしれませんが、アメリカディーラー、従業員はあまり嬉しくないと思います。

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