酒と蘊蓄の日々

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ホンダはインサイトで多くのことを学んだに違いない (その1)

4月6日に自販連から新車乗用車販売台数ランキングの確定報が、同日に全軽自協から軽四輪車通称名別新車販売速報が発表され、昨年度(2009年4月~2010年3月)の販売台数が纏まりました。プリウスが277,485台でトップとなり、2002年に261,420台でトップとなったフィット以来7年ぶりに25万台超を記録したということで話題になりましたね。

例のリコール騒動でもキャンセルはわずかで大した影響がなかったことも多くの報道で言い添えられていました。ま、あの程度であれば普通ならリコールどころか改善対策に該当していたかも微妙なところで、もしかしたらサービスキャンペーンでも済んでいたかも知れません。その程度の内容ですから、あそこまで莫迦騒ぎする必要はなかったでしょう。これは当然の結果だと思います。

また、インサイトも96,616台で10位に入り、トップ10に2車種のハイブリッド車が入ったこと、ハイブリッド車が全体の1割に達したことも話題にされました。しかしながら、今年1月からインサイトの販売台数がガタ落ちとなって以来、プリウスとインサイト各々の置かれている状況が大きく違っていることについて触れていたのは専門メディアを除いて皆無に等しく、一般紙やテレビのニュース番組でも話題にされることはありませんでした。まずは私が作成したいつものグラフをご覧下さい。

主要車種の登録台数推移09.02-10.03
主要車種の販売台数推移(軽自動車を除く)

ご存じのように3月は年度末の追い込みでいずれも台数が跳ね上がります。その反動で4月は落ち込むというのが常で、昨年の4月はそれを利用してインサイトが瞬間的に首位に躍り出るようなオペレーションをホンダはやっていたのではないかと私は想像しています。が、今年はそういう小細工ができるほどのバックオーダーはないでしょうし、それ以前にどんな手を使ってもプリウスは抜けないでしょう。

3月にはやはり年度末の追い込みでインサイトも5,397台となり、1~2月の平均3,500台弱から少し回復しました。当初の国内販売計画が5,000台/月だったことを思えばそれほど酷い数字とは言えないかも知れません。が、プリウスは昨年の3月に5,997台売っていたことを考えると安心もできないでしょう。

昨年の3月というと、プリウスは2代目の発売から6年が経過したモデル末期で、新型のCMがかなりの頻度で流されている状況でした。その発売が2ヶ月後に迫っている段階で、しかもエコカー減税/補助金も始まる直前です。買い控えにつながる悪条件が幾重にも重なっていた昨年のプリウスの状況を考慮すれば、発売からまだ1年程しか経過していない現在のインサイトの凋落ぶりが際立ってきます。

ネット上ではインサイトの販売台数が落ち込んだ原因を「CR-Zの生産による影響」とする意見も見られます。が、それでは台数が全く整合しません。CR-Zの当初販売計画は1,000台/月でその10倍以上を受注したと報じられましたが、それでもたかだか10,000台強です。

上図のようにこれまでインサイトの国内供給能力は約10,000台/月をキープしていました。1~3月の3ヶ月で30,000台供給できていたハズですが、その間の販売実績は12,344台でした。CR-Zの影響だとしたら、18,000台近い生産能力をそれに奪われたということになります。が、10,000台程度しか受注していないCR-Zの納期は3ヶ月程度といわれていますから、どう考えてもこれがインサイトを圧迫したと考えるのは無理があります。

そもそも、インサイトは欧米での当初販売計画に対して35%位しか売れていないのですから、かなりの余力があるハズです。その余力を無駄にして好調だった国内販売を大きく圧迫するような間の抜けた生産計画をホンダのような大メーカーがするとはとても考えられません。

インサイトの販売台数が激減した1月は22位でしたが、2月は24位、3月は25位と着実に順位を下げています(いずれも軽自動車を除く順位です)。トップ30から陥落する可能性も現実味を帯びてきましたが、そうなると自販連のサイトで確認できる通称名別の販売台数ランキングに載らなくなり、どの程度売れているのか具体的な数字が非常に把握しにくくなってしまいます。

思えば、発売から猛ダッシュで話題をさらったインサイトは軽薄なメディアから二輪車の覇権をヤマハと争ったあの「HY戦争」に準えて「TH戦争」という言葉まで引き出しました。が、私はインサイトの販売台数が落ち始めるのは昨年9月頃(試乗車の登録状況次第では10月頃)と予測していました。断片的な情報を元にしていたせいか3~4ヶ月遅くなったものの、私の予想は大筋で的中したといって差し支えないでしょう。

昨年4月の販売台数でインサイトがトップになったことが報じられた5月初旬、「TH戦争」などと煽動したメディアは、それから8ヶ月ほどで販売台数が激減してしまうことも、海外では最初から大不振が続いてきたことも、察する能力がなかったというわけです。

私の個人的な感想としましては、インサイトがハイブリッド車の価格を引き下げた功績は評価したいところですが、その内容はやはり「安かろう悪かろう」でした。最廉価モデルの価格差はインサイトの189万円とプリウスの205万円でわずか16万円、装備の違いを考慮すればむしろプリウスのほうが割安なのに、ハイブリッドシステム他諸々の内容も全く次元が違うということに気付かない人があまりにも多かったことに私は少々驚いていました。

昨年末までインサイトが月販1万台前後をキープしていたほうが私にとってはむしろ予想外で、それだけ直感的にクルマを買う人が多い(あるいは心情的なアンチトヨタが多い?)ことを改めて知らされたといったところです。

(つづく)

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