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クライメートゲート事件を闇に葬ろうとする人々 (その1)

昨年11月、イギリスのイーストアングリア大学(以下UEA)のサーバーから電子メールほか諸々、合計3000点を超える電子ファイルが流出、その内容から地球温暖化問題の知見を形成する過程に重大な問題があったと疑われた事件、いわゆる「クライメートゲート事件」については当blogでも取り上げました。(関連記事『クライメートゲート事件は大山を崩すのか?』)

そのUEAへは当然のように疑いの目が各国(メディアが極めて小さな扱いでお茶を濁したゆえ殆どの国民に知られていない日本などは除くべきでしょう)から向けられ、彼らも事態を収拾させる必要に迫られました。そこで「独立レビュー組織」が設置され、外部の識者や科学者に調査を依頼したという体裁が整えられました。今月7日、その3回目の調査報告書が提出されましたが、前2回と同じく保身を目的とした自分たちに都合の良い結論を導いています。

今回の報告書でも事件の当事者たちについて「科学者としての厳格さ、誠実さは疑いの余地がない」としていますから、これにはもう笑うしかありません。ま、この種の茶番劇などどこにでもあるハナシですし、そもそもUEAは都合の良いように情報を操作してきた独善的な組織です。建前上は外部に調査を依頼したことになっていますが、結局のところ都合良くバイアスをかけたということなのでしょう。私はハナから期待などしていませんでしたが。

この調査報告について日本のメディアは当然のように触れず、事件そのものを有耶無耶にしたいようです。大きな話題にならずに済んだところで、いまさら蒸し返す必要はないと判断したのでしょう。メディア自身が喧伝に荷担してきた人為的温暖化説がこの事件を詳しく扱うことで揺らぐのは望ましくないという意思が働いたといったところでしょうか。

一方、環境省はこの調査報告を報道資料として発表しましたので少しはマシかも知れませんが、結局はUEAの発したそれをただ垂れ流したに過ぎません。

平成22年7月8日
英国イーストアングリア大学により設置された独立レビュー組織による「クライメートゲート事件」レビュー結果の公表について(お知らせ)

 英国イーストアングリア大学(UEA)に設置された独立レビュー組織(The Independent Climate Change Email Review)により、7日、昨年11月に同大学の気候研究ユニット(CRU)から流出した電子メールから生じた問題に関するレビュー結果をまとめた報告書が公表されましたのでお知らせします。

 昨年11月、英国イーストアングリア大学(UEA)の気候研究ユニット(CRU)から流出した電子メールから生じた問題流出に端を発するいわゆる「クライメートゲート事件」が報道され、データの捏造、IPCC評価報告書の結論への不信感などが報じられました。
 同大学(UEA)は、ミューア・ラッセル卿(元グラスゴー大学学長)を中心としたチームによる独立レビュー組織(The Independent Climate Change Email Review)を設置し、同組織は本件に関するレビューを実施し、7日、そのレビュー結果をまとめた報告書が公表されました。
 本レビューは、CRUの科学者への疑惑について、
・「科学者としての厳格さ、誠実さは疑いの余地がない。」
・「IPCC評価報告書の結論を蝕むような行為のいかなる証拠も見出さなかった。」
 と結論づけ、また一方でデータ処理の透明性や情報公開請求への対応の改善などについての提言を行いました。

(後略)


UEAはこうした報告をもって潔白が証明されたと主張していますが、欧米メディアの反応は極めて冷ややかで、この独立レビュー組織の人選からして胡散臭いという声が上がっています。

特に2回目の調査で委員長を務めたロナルド・オックスバーグ卿は風力発電の強力な推進派だと指摘されていました。地球温暖化対策から利益を得る団体とのつながりもあって、中立な立場ではない人間が委員長を務めている事に疑義が示されていましたし、調査期間がわずか3週間に過ぎなかったことから拙速な結論ではないかと欧米のメディアには酷評されていました。

今般発表された3回目の調査結果に対してもウォールストリートジャーナルはバイアスがかかっているのではないかと疑う声を以下のように紹介しています。

当初から、今回の調査はバイアスがかかっているとの疑いが持たれていた。調査に参加していたネイチャー誌編集長フィリップ・キャンベル氏は2月に辞任した。その2カ月前のインタビューで同大の研究者の行為を擁護したために公平さが疑われたためだ。

 また、やはり調査に参加していた著名地質学者ジェフリー・ブルトン氏について、1986年まで18年にわたり同大で働いていたことを挙げて批判する声もある。ただ、同氏は、その後は仕事関連で大学と接触したことはないとしている。


そもそも、この事件では学術誌に圧力をかけるなどして人為説に対抗するような論文の発表を妨害しようとしたり、データの開示請求を如何にして拒むかといった相談が繰り返されてきたことが流出したメールによって明らかになっています。

また、IPCCの評価報告書に採用されるには、既に発表されている査読付き論文でなければならないという条件が課せられています。彼らは自分たちに向けられた異論に反駁する論文の完成が遅れ、IPCCが規定してる締め切りに間に合わないといった状況の中で条件をクリアさせるため、かなり強引な手段で裏工作を重ねてきたことも件の流出メールで明らかになっています。

これらのメールが本物であることはUEA自身も認めていますから、その時点で「科学者としての厳格さ、誠実さは疑いの余地がない」などという結論には絶対になり得ず、この報告書にバイアスがかかっているのは明白です。

メールは本物でも書かれている内容が実はフィクションで、関係者たちが膨大な手間暇をかけて事実無根の空想物語をメールでやり取りしていたというならハナシは別です。が、メールに書かれた内容と実際の手続きのタイミングやその方法が符合しているのですから、これは動かしようのない事実です。それでいて「科学者としての厳格さ、誠実さは疑いの余地がない」というのは、この調査報告をした人間に厳格さと誠実さが備わっていないということに他なりません。

(つづく)

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まとめ

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