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日本のメディアは世界の将来より大相撲の将来のほうが大切らしい

当blogで何度も批判してきましたように、日本のメディアは地球温暖化問題を巡るスキャンダラスな事件となったいわゆる「クライメートゲート事件」についてお得意のバイアスをかけ、極めて小さな扱いにとどめました。

その後、IPCCの評価報告書には科学的根拠を逸したいい加減な記述が幾つもあると指摘され、その信頼性が地に墜ちたといわれたり、パチャウリ議長の個人的な利益誘導疑惑などを含めて風当たりが強まったり、様々な批判にさらされていました。しかし、日本のメディアはごく一部を除いてそうした情勢についても軽くいなし、IPCCに向けられたこれらの批判を重大な問題とは見なしませんでした。

実際には、こうした批判に抗しきれなくなったIPCCは世界の学術団体からなるIAC(インターアカデミー・カウンシル)にIPCCの組織や評価プロセスに問題がないか検証を委託をしていました。一連の騒動が極めて小さく断片的にしか報じられなかった日本ではその流れもあまり知られていないと思いますので、ここでザッとおさらいしてみましょうか。

「クライメートゲート事件」と呼ばれたメールなどの流出事件が昨年11月、コペンハーゲンで開催されたCOP15で各国の意見集約がままならず、ポスト京都議定書の策定に失敗したのが同12月でした。ヒマラヤの氷河消失などIPCCの評価報告書に明らかな誤りや科学的根拠が不充分な記述が多数あったことを指摘されたのが今年の1~2月くらいでした。

こうした不祥事もあって欧米のメディアや世論からの批判がいよいよ強まり、単なる弁解では収拾が付かなくなっていったのもその頃です。潘国連事務総長とパチャウリIPCC議長がIACに検証を依頼したのが3月、その委員の人選に手間取ったこともあって実際に調査が始まったのが5月、結果が出たのが8月30日です。

日本の大手新聞もこの週末くらいまでにIACの検証結果を伝えたようですが、その扱いの多くは単発的で至って小さなものにとどまり、状況としてはクライメートゲート事件のときと大差ありません。結局は日本国民の殆どに知られないまま終わってしまいそうな勢いのなさです。唯一、読売新聞だけは今日(9月6日付)の社説『気候変動パネル 組織・運営の抜本改革を急げ』で取り上げていますが。

当blogで何度かご紹介してきましたように、読売新聞はこのところ改心したのか、他紙に比べて地球温暖化問題を巡るバイアスのかけ方が緩やかなようです。この社説でも「不信が広がっては温暖化対策は停滞しかねない」と人為説を支持するスタンスこそ相変わらずですが、IPCCの現状を批判したIACの報告とその改善勧告に触れながら「勧告を確実に実行していくことが肝要だ」と結んでIPCCの現状に懸念を示す論説を展開しています。この件について読売新聞はジャーナリズムとして最低限の仕事はできていると評すべきでしょう。

いずれにしても、IACは現在のIPCCに幾つもの注文を付けており、組織として早急に改善すべき点を示しました。日本のメディアはこうした一連の流れをマトモに伝えないというバイアスをかけましたが、これは明らかに公平性が求められるジャーナリズムにあるまじき状態です。

私の個人的な感想としましては、IACの勧告もまだ手緩いという印象が拭えません。また、この結果から懸念されるのは、IPCCの組織としての脆弱さが示されたことでこれを逆手に取られ、予算と権限の拡大にハナシをすり替えられてしまう可能性です。

地球温暖化問題という使いでのあるツールを手放したくない人は世界中にゴマンといますから、そうした人たちの思惑が強く働けばあり得ないことではないと思います。そのようなことを許さないためには私たちも常に厳しく監視していなければなりません。その際にメディアの果たす役割は決して小さくないでしょう。

ところが、全世界の人々に大きな影響を及ぼし、日本でも毎年1兆円を超える莫大な国家予算が投じられているその根拠に疑念が生じていても、それを示してきたIPCCという組織の置かれている状況にも、日本のメディアの殆どはあまり関心を示しません。

彼らはIPCCという極めて大きな影響力を持つ組織の不祥事よりも、賭博や薬物などで揺れた日本相撲協会の不祥事を桁違いに大きく扱ってきました。当事者である親方などが記者会見を開いただけでもテレビのニュース番組はこれをトップで扱い、異様な入れ込みようでした。大手新聞各紙も相撲界に何か不祥事かあると一斉に社説でその批判を展開しましたが、IPCCの不祥事については実に等閑です。

この出鱈目なプライオリティの付けかたには小さからぬ意図が働いていると見なさざるを得ないでしょう。もし、ここに何の意図も働いていないとしたら、日本のメディアにとっては地球温暖化問題を巡る世界の将来よりも大相撲界の将来のほうがずっと大切だとということになってしまいます。

コメント

IPCCは解散すべき

私も基本的に同意見ですが、問題噴出のIPCCは欧米では市民や学界の信頼を失っており、解散すべきだと思います。
もし気候変動を扱う組織が必要であれば、政治と切り離し学会レベルで議論を行うべきでしょう。

私は日本には税金で教育してもらった恩がありますが、その日本の税金が温暖化対策や排出権取引で大量に浪費されるのは残念でなりません。

  • 2010/09/08(水) 12:14:39 |
  • URL |
  • nytola #z8Ev11P6
  • [ 編集]

nytolaさん>

>問題噴出のIPCCは欧米では市民や学界の信頼を失っており、解散すべきだと思います。

本当にIPCCを解散できるものなら私もそうすべきだと思います。が、それを望んでも現実的には無駄でしょう。そもそも、IPCCが組織された動機そのものが政治的な思惑であると言われますし、私もその通りに違いないと思います。各国とも政治ツールとして利用しがいがあるからこそ、IPCCはあそこまで大きな影響力を持つに至ったと見るべきでしょう。人為説に懐疑的な人たちが声を上げたくらいで解散に追い込むことは、少なくとも現段階では不可能でしょう。

しかしながら、懐疑的な人たちがIPCCの評価報告書を科学的に精査した結果、出鱈目な記述がいくつも見つかりました。欧米のメディアがそれを大きな問題として扱ったことで彼らのいい加減な仕事ぶりを世に知らしめることが出来ました。

こうして今般のような流れを作ることが出来たのですから、現時点として一番の良策は監視を徹底することでしょう。そうすればIPCCも下手なことはできなくなるハズです。これまでの大袈裟で一方的な内容の評価報告書が戒められるようになっていけば、人為説に対する盲信状態も解かれ、地球温暖化問題に対する熱も自然に冷めていくのではないかと思います。

  • 2010/09/11(土) 22:19:38 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
  • [ 編集]

>私の個人的な感想としましては、IACの勧告もまだ手緩いという印象が拭えません。また、この結果から懸念されるのは、IPCCの組織としての脆弱さが示されたことでこれを逆手に取られ、予算と権限の拡大にハナシをすり替えられてしまう可能性です。

おっしゃるとおり。これほどの詐欺を平気でやる連中ですので都合のいいように話をすり替えるでしょうね。

また温暖化脅威終末論者の多くは

気象の変動=
全て人為的CO2排出による温暖化である

と自己暗示を科学者までも掛けてしまっているので彼らの言うことはもはや当てにならない。温暖化問題が騒がれていなかったころのデータの方が信憑性があると思いますね。

クライメートゲート事件にかんして日本で報道されるものとして代表的なものが「ヒマラヤ氷河消失予測年の2350年を2035年に間違えた」程度ですが、HS曲線の捏造、年輪や指標値の問題、スクリプトデータの温度加算問題、マッキンタイアらがHS曲線で使ったデータや計算方法の開示を求めたが出さない問題、世界各国の気温の補正と生データの乖離などCO2温暖化問題を根底から揺るがすものに関しては見ざる、言わざる、、聞かざる状態ですね。
ですから多くの日本の温暖化論者はヒマラヤの年数の記載を間違えた程度なのに懐疑論者が馬鹿みたいに騒いでいる思っているいるでしょうね。

洗脳や催眠は簡単に掛けられるようなので本当に注意が必要ですね。

博士も知らないニッポンのウラ 30 超天才Dr.苫米地英人の「洗脳」秘録 苫米地英人
http://video.google.com/videoplay?docid=-707769785683613840#

  • 2010/09/17(金) 17:00:00 |
  • URL |
  • excelsior #-
  • [ 編集]

excelsiorさん>

アメリカではケネディ大統領暗殺事件を契機に銃規制の声が高まりましたが、犯人とされたリー・ハーヴェイ・オズワルドがカルカノM91/38というイタリア製のライフルを使用していたことから(ご存じのように、この通説にも疑惑は色々ありますが)、途中から輸入銃が問題視されるような筋書きも加わるようになっていきました。

彼の死から5年後に制定された1968年銃規制法(Control Act of 1968 : GCA)には「財務長官に対する競技用以外の銃器の輸入を禁止する権限の付与」という項目が盛り込まれ、アメリカ国内の銃器メーカーに有利な輸入制限がかけられることも度々あったといいます。本来の主旨がねじ曲げられ、保護主義的な色合いを持った規制にハナシがすり替わってしまったという印象が拭えません。

日本でもありがちですが、欧米社会もこうしたハナシのすり替えが疑われることはよくありますから、注意深く監視していく必要があるでしょうね。

ご紹介下さった動画ですが、大変興味深く拝見しました。ありがとうございます。

  • 2010/09/25(土) 00:43:56 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
  • [ 編集]

ご無沙汰しております。
面白い記事を拾いました。
http://oka-jp.seesaa.net/article/165248975.html#more
お目汚し失礼。

  • 2010/10/14(木) 19:45:01 |
  • URL |
  • sibukou #qNXjQhIg
  • [ 編集]

sibukouさん>

今回も大変興味深い記事をご紹介下さいまして有り難うございます。

IPCCなどでもその偏向した取り組みに付いていけず、関係を解いた科学者は結構いると聞いています。中にはその後もしばらくリストに名前が残っていて、いい加減な仕事に荷担していると思われたくないことからIPCCに削除を要請してもすぐに応じてもらえず、訴訟をほのめかしてようやく削除されたといったハナシもあります。

ご紹介頂いた記事で非常に興味深かったのは、学会を批判して脱退を表明した人物のキャリアに

>防衛科学局では核の冬について研究

とある部分です。核の冬についての研究というのは、核爆発による粉塵や、その後の火災による煤煙などの浮遊微粒子が太陽光を妨げ、どのような気候変動をもたらすかを研究するもので、まさに地球温暖化の研究と同じ気候モデルを用いたものでした。

かつて核の冬の研究をしてきた人たちは、東西冷戦の終結から全面核戦争の危機が緩和され、職にあぶれそうになりました。が、そのとき、タイミング良く地球温暖化問題が本格的に騒がれ始めるようになり、「渡りに船」とばかりに多くの人がこの分野へ転向したといわれています。

地球温暖化問題の脅威を煽る数値をこしらえてきた人の中にはこうしたキャリアの人が少なからず含まれているハズで、そちら側にいた人物がこのような脱退表明をするというのは非常に感慨深いものがありますね。

  • 2010/10/17(日) 23:49:41 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
  • [ 編集]

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