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酒と蘊蓄の日々

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グリスガン

スポーツサイクル用の汎用グリスといえば定番中の定番がシマノのデュラエースグリス(以下、デュラグリス)ですね。50gと徳用サイズの500gのカップ入り、100gのチューブ入りがありますが、シマノの基準で耐樹脂性も4.5(満点は5)と非常に高く、樹脂に対する攻撃性も低いため、これ一つでかなりの部分に対応できます。

dura_grease.jpg

グリスというのは液状潤滑剤に増稠(ぞうちょう)剤を混ぜて粘度を上げたものです。増稠剤は一般的に石鹸(脂肪酸の塩)が用いられますが、デュラグリスは脂肪酸カルシウムが用いられるため、カルシウム系といわれます。同じシマノのグリスでもフリーハブ用のリチウム系やシフトワイヤー用のシリコン系もありますが、油膜特性や耐熱性などの特性が各々の用途に最適化されているそうです。

で、グリスの取り扱いにおいては特に増稠剤の酸化を抑えるため、大気に触れないように保管するというのが原則になります。殊にカップ入りの場合、空気と触れる面積を抑えるために使い終わったら表面を平らにならしておくほうが良いとされているんですね。

私も以前はゴムべらなどでならしていましたが、面倒くさいですし、汚れの除去も大変だったので、現在はグリスガンを使っています。

自転車業界で定番なのはリオグランデのグリスガンでしょう。詳細はリンク先をご参照いただいたほうが解りやすいと思いますが、シリンダの中に気泡を含まないようにグリスを詰め込んで蓋を閉めてやれば、あとはポンピングするだけで適量のグリスが出てきます。

rio-g-gun.jpg

実際に某プロショップで現物を見ましたが、税込で2,866円という価格はクォリティの割りに微妙な印象で、その時は食指が動きませんでした。

ある日、主に自動車用の工具などをプライベートブランドで格安に販売しているストレートのオンラインショップを眺めていたら、同じようなグリスガンを発見しました。拡大画像を見てもノズルの長さ以外リオグランデのものと全く区別がつかないのに、価格は税込810円と、2,000円以上も安いということで即買いしました。

手許に届いてよく見ても、以前某プロショップで見たものと全く違いが解りません。というより、ノズルの仕様が違うだけで全く同じものでしょう。

あさひのオンラインショップではいつも欠品になっていますし、これはストレートで仕入れて1,000円程度の利益を乗せてネットオークションで売りさばいたら商売になるのでは? と思いました。が、既にやっている人がいました。

str-g-gun.jpg

デュラグリスの100gチューブ入りが丁度同じくらいの太さなので、ラベルを剥いで貼ってみたところ、ご覧のようになかなか様になったと思います。

非常に使いやすく、後始末も簡単で、手も汚さずに使えます。リオグランデのものは価格的にかなり微妙ですが、ストレートのものは充分にリーズナブルといえるでしょうから、これは非常にお勧めできるアイテムだと思います。

テーマ:自転車 - ジャンル:趣味・実用

コメント

これ、いいですね

これ、いいですね~。
僕もグリスガンは小型のものを一つ持っていますが、オートバイのスイングアームピポット部に圧入するためのいわいる一般的なグリスガンで、しかも小型とは言っても、「ちょっとそこへ・・・」と言うのには使いにくいものです。
僕も自転車のグリスはデュラを使っていますが、やっぱり指に取る時、一瞬躊躇するんですよね~。

僕も買おう、これ(笑

  • 2008/01/07(月) 00:12:22 |
  • URL |
  • Ocha #-
  • [ 編集]

このグリスガンに行き着くまでには・・・

Ochaさん>

さすがにエアー式は持っていませんが
私もクルマいじりに汎用のグリスガンは持っていたんですね。

で、自転車用には注射器くらいが丁度良いのでは?
なんて思って試しに使ってみたんですね。
父の仕事場には売るほどありますから。

いくつか使い捨てのモノ(もちろん未使用)を拝借して
色々試してみましたが、これがイマイチでした。

太い注射器はピストンが重く、吐出量の微妙な加減が難しく、
細い注射器はすぐに中身がなくなって頻繁に補充しなければならず、
そもそも、その補充にもコツが必要で、結局諦めました。

このグリスガンは1mmくらいの細さで出てきますが、
その割りにポンピングは重くありません。

広いところにドバッと塗るには不向きですが、
スレッドにちょこっと塗るとか、チマチマしたところには
かなり重宝してます。

  • 2008/01/07(月) 20:18:30 |
  • URL |
  • 石墨 #-
  • [ 編集]

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