標準グレードの「S」と上位グレードの「G」の双方とも、上述のように足回りや空力パーツなどが異なる「ツーリングセレクション」があります。また「G」のツーリングセレクションには本革シートを奢った最高級の「レザーパッケージ」、「S」には装備をさらに減らした最廉価の「スタンダードパッケージ」があり、この両者の価格差はほぼ100万円になります。
こういうとき、一番お得なのは間違いなく最もベーシックなグレードになります。販売価格で100万円の差といっても工場原価の差額はもっと小さく、上級グレードほど利益幅が大きいというのは業界の常識です。
が、そこは消費者心理が色々研究されていて、「安いグレードより何パーセントか割高になるけど、これだけ装備が良くなる」みたいな部分で上手に心理をくすぐって、より利益幅の大きいものを買わせようとする巧妙なラインナップが形成されている訳ですね。ですから、それにあまり乗せられ過ぎないよう、冷静に吟味したいところです。
「G」には付くけど「S」には付かない装備といいますと、S-VSCと称するスタビリティコントロール、クルーズコントロール、スマートエントリーと称するスマートキーくらいです。どれも元々仕込まれている電気仕掛けの仕組みを利用するかしないか、スイッチの類が余計に要るか要らないかといった程度の違いで、工場原価の差はごくわずかでしょう。
あとはオーディオのグレード違い、シート表皮がアルカンターラかスエード調ファブリックか、ステアリングホイールが本革巻きかウレタンか、フロントの足元照明があるかないかといった他愛のない違いです。
私の場合、かつてテールハッピーなFRスポーツカーでヤンチャをやっていた身ですから、スタビリティコントロールなんて要りません。シートやステアリングホイールの表皮、足元照明なんてどうでも良いです。メーカー純正のHDDナビを付けるつもりでしたから、これに伴ってオーディオは同じになります。
クルーズコントロールやスマートキーはあったほうが便利だと思いますが、それしきのことで正味25万円も高くなる「G」を選ぶ必要はないと判断しました。また、これまで所有していたS2000はディスチャージヘッドランプで非常に明るく見やすかったのですが、プリウスでそれを求めると「ツーリングセレクション」になってしまいますから、約15万円割高なそれをチョイスする気にもなれませんでした。
ということで、「S」に純正HDDナビを付けてほぼ260万円ですから、これで良いかな? と思っていたんですね。でも、6つの通常ラインナップの他に「S "10th Anniversary edition"」というプリウス発売10周年記念の特別仕様車があることを知りました。

これはシート表皮がスエード調ファブリックである以外、あとの装備は「G」と全く同じです。純正HDDナビも初めから付いていて、オマケにディスチャージヘッドランプも装備しています。カラーバリエーションが3つしかないというネックもありますが、通常の「S」に純正HDDナビを付けたものから13万円アップの273万円ですから、これでええやんと思いました。
大筋が決まったところでいよいよ商談となるわけですが、前職で自動車業界にいたときの人脈をフル活用するのは当然ですね。幸い、私の後任で頑張ってくれている可愛い後輩のI君がトヨペットに太いパイプを持っている人を知っているということで、早速セッティングしてもらいました。
殆ど間髪入れずにトヨペットから連絡があったのですが、一般の地域営業ではなく、法人営業を担当している部署からでした。「やっぱり人脈が絡むとこういうイレギュラなルートになるんだなぁ」などと感心しながら話を進めました。
プリウスは元々あまり値引かないと言われますが、特に私がチョイスした10thアニバーサリーエディションはハナからかなりのお買い得バージョンですから、輪をかけて値引かないそうです。
が、私の場合は強力なコネが効きまして、ネットなどで流れている値引き情報と照らしても、結構な値引きをしてもらいました。かなり特別なケースになるので他言無用と釘を刺されていますから、具体的には書けませんが。やっぱり、持つべきものは人脈ですね。(ありがとう、I君。)
で、納期ですが、販社によって割り当て台数もありますから、バラツキもあるようです。最短で1ヶ月という情報もありましたが、私がサインしたトヨペットの場合はいまのところ3ヶ月待ちだそうです。かつては半年待ちもザラだったようですから、大分マシになっているそうですが。
ま、昨今の原油価格高騰で世界的にも需要が高まっているクルマですから、仕方ないかも知れません。出来るだけ早められるように掛け合ってくれるそうですが、気長に待つことします。