酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

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明けましておめでとうございます

ご無沙汰しております。1年前は年末年始を挟んで1週間ほど放置しましたが、今年は1ヶ月以上も空いてしまいましたね。それでも毎日200人前後の方がアクセスして下さって申し訳ない感じです。

先月はたまたま大きな仕事が二つ重なってしまったこともあり(両方合わせて10億円を超えるウチとしてはなかなかの大商いでしたので、ミスった場合の影響も小さくありません)、近年にない忙しさで休日出勤も数回ありしました。今月もその残務が少々あるうえ、北海道と大阪への出張が入ってしまうなど、やはり多忙になりそうです。その分だけ来月以降は暇になりそうですが、当blogの更新頻度が上がるかどうかは微妙です。

さて、新年早々失笑してしまったのが朝日新聞の1月1日付社説です。先のエントリで褒めたのに何ですが、特に書き出しが可笑しかったので私にとってはこれが今年の初笑いになりました。

今年こそ改革を―与野党の妥協しかない

 なんとも気の重い年明けである。

 民主党が歴史的な政権交代を成し遂げてから、わずか1年4カ月。政治がこんな混迷に陥るとは、いったいだれが想像しただろうか。

 長い経済不振のなかで、少子高齢化と財政危機が進む。先進国の苦境を尻目に新興国は成長軌道へ戻り、日本周辺の安全保障環境が変化しだした。政治はこれらの難問に真剣に取り組むどころか、党利党略に堕している。そんなやりきれなさが社会を覆っている。

(後略)


私は民主党が政権を得た総選挙の直後、当blogで以下のように書いていました。

圧勝した民主党のマニフェストを見ても根拠を逸した理想論だったり、CO2排出削減と高速道路の無料化のように相容れない政策が並んでいたり、マトモな理解力がある人間が見ればこんないい加減で出鱈目な政策を掲げるような程度の低い政党を勝たせようとは思わないでしょう。

が、自公連立政権もまたそれに劣らぬ出鱈目ぶりで国政を担ってきましたから、むかし流行った「カレー味のうんこか、うんこ味のカレーか」みたいな究極の選択を迫られた選挙だったといえるでしょう。そこで長年ぬるま湯に浸かってきた彼らにお灸を据えてやろうという空気になったようにも見えます。

中には民主党に期待する人もいるようですが、あの出鱈目なマニフェストを見る限り、それが裏切られるのはほぼ間違いないと思います。

(全文はコチラ)


私みたいな片手間でblogを書き、忙しさにかまけて1ヶ月も放置してしまうような人間でも見越せたことを朝日新聞という日本屈指の大新聞の論説委員が「いったいだれが想像しただろうか 」というのですから、これはもう笑うしかありません。あの支離滅裂なマニフェストもそうですが、昨今のドタバタで党内の意見すら纏めることもできない政党に日本の政治の舵取りを担わせることにそもそも無理があるのです。

その意見統一ができていない無様な状況は過去にも何度か繰り返されてきましたが、その度に枝野前幹事長は「オープンに議論しているだけであって、自民党政権時代のように密室でハナシを進めてしまうようなことをしていないだけ」というような旨を繰り返し述べ、国民を小莫迦にするような詭弁を許してきたような政党です。彼らには常識そのものが欠落していると見るべきかも知れません。

いまにして思えば、あの総選挙前に自民党がネットで流したアニメCMは正鵠を射貫いていたと断言できます。まだYouTubeに残っていますので、以下に貼っておきますが、朝日新聞の論説委員はこれらの動画を見ておくべきでした。ま、大新聞の論説委員は救いようのないネットオンチ揃いですから、こうしたネガティブキャンペーンがネット上で展開されていたことも知らなかったのでしょう。







私は決して自民党を支持しているわけでもありませんし、こうしたCMで相手の足を引っ張る手法も個人的には好みません。が、あの選挙のとき「政権交代さえ実現できれば現状よりはきっとマシになる」という根拠のない期待感を煽り、民主党の政策能力と決断能力の低さを全く見越していなかった多くのメディアは、これらのCMが明快に指摘している点を冷静に抑えておくべきでした。

一方、これも朝日新聞に限ったことではありませんが、人口減少は避けなければならない危機であるといった論調も相変わらずで、やはり失笑を禁じ得ません。

 日本の人口は2005年から減少傾向に転じた。現役世代に限ると、減少はすでに1990年代の半ばから始まっていた。この働き消費し納税する現役世代が減り始めたことが、日本経済の長期低迷の根底にある。

 代わって急増するのが引退世代。現在は現役3人弱で引退世代1人を支えているが、20年後には2人弱で1人を支える。そのとき、現役世代は1400万人以上も減っている――。

 人類の歴史で初めて体験する厳しい事態といっていい。

 現在の年金も健康保険も、制度の基本は高度成長の時代につくられた。団塊を先頭とする戦後世代が続々と働き手になる時代だった。それが、いまや低成長に変わって現役世代が減少し、その負担がどんどん増す。来年からは団塊が引退世代へ入り始める。

 正反対への変化を見つめれば、社会保障の仕組みを根本から立て直さないと維持できないことは明らかだ。


少ない人口が経済面で不利になるとは限りません。例えば、スウェーデンの人口は日本の1/14程度に過ぎず、神奈川県と同等です。それでいてボルボサーブといった自動車メーカー(ご存じのようにサーブは航空機メーカーでもあります)、ヨーロッパ2位の家電メーカーであるエレクトロラックス、中型一眼レフカメラなどのプロ用写真器材で確固たる地位を築いているハッセルブラッドといった世界的企業を幾つも抱えています。2008年のGDP(MER)は4,850億ドルで世界19位、国民1人当たりのGDP(PPP)は37,245ドルで、日本のそれを約9%上回っています。

確かに、急激な人口減少は社会的な負担を高めることになるでしょう。が、人口が少なくなること自体は決して悲観することではありません。というより、資源の食いぶちを減らすためにも世界的に人口を減らしていくことのほうが望まれるべきで、日本のメディアはあれだけCO2削減を唱えてきたなら人口減少や若者のクルマ離れなどはむしろ大歓迎すべきです。

そもそも、「現在の年金も健康保険も、制度の基本は高度成長の時代につくられた」「いまや低成長に変わって現役世代が減少し、その負担がどんどん増す」というのであれば、高齢者を現役世代から退かせるタイミングを遅らせることを考えるべきです。高度成長期につくられた件の社会保障制度が「60歳で定年を迎えたら悠々自適の年金生活」という甘いライフスタイルをもたらしたわけですが、それ以前は「働ける間は働く」というのが普通でした。

私の父など今年で75歳になりますが、元気に現役で働き続けています。ま、それは自営業だからということもありますが、自営業をやっている人の間でこうしたケースは決して珍しくないでしょう。「60歳で定年を迎えたら悠々自適の年金生活」という50年くらい前につくられた理想が現状ではそぐわなくなり、幻想になってきたと見るべきなのです。

こうした幻想にいつまでもしがみつき、高齢者を支える世代を「産めよ増やせよ」と戦時中のようなスローガンで煽り、資源を消費する人口を増やそうとするなど愚の骨頂です。まして、「人類の歴史で初めて体験する厳しい事態」などと、人類の歴史を知らないにも程があります。

過去に崩壊した文明は幾つもありますが、自然災害によるもの以外はその殆どが人口増に耐えられなくなった状況で起こってきました。食糧生産やエネルギー供給が追いつかなかったり、あるいはそうした状況で資源を奪い合う戦争となったときに文明は崩壊したり、大きく後退したりしてきたのです。

以前にも述べましたが、人口を増やすことよりもできるだけ社会的負担が少なく済むような上手な人口の減らし方を本気で検討すべきです。その基本的な考え方としては、「60歳で定年を迎えたら悠々自適の年金生活」という半世紀前に創作された幻想を捨て、高齢者の雇用を支援する社会システムの構築を目指すといったところでしょうか。場合によっては法改正を行い、企業に対しても一定数の高齢者を雇用するよう義務づけるといった政策も必要かも知れません。

現役を続行できるのにその場が得られない高齢者の生活を若い世代に背負わせようとすること自体が現状では正解でなくなっていると私は考えています。高齢者が「悠々自適の年金生活」を送れるようにすることが保障の充実した理想の社会であるという考え方が現実とは決定的に乖離するようになってきたいま、根本から立て直すべきなのは「社会保障の仕組み」ではなく、「社会保障に多くを依存する高齢者の在り方」そのものではないかと思います。

年頭から朝日新聞を批判しましたが、こうした論調は多くのメディアに通じるものです。右寄りの産経新聞や読売新聞は以前から民主党批判を重ねていましたが、少子高齢化を悲観する論調は日本の殆ど全てのメディアに共通しているといっても過言ではないでしょう。人口増加とCO2削減(=化石燃料の消費削減)という相容れない要素を同時に望むのは、高速道路無料化とCO2削減を並べた民主党のマニフェストと何ら変わりません。

あの出鱈目なマニフェストを掲げた民主党が政権を担い「こんな混迷に陥るとは、いったいだれが想像しただろうか」と言っているくらいですから、自分たちの主張も大きな矛盾を抱えていることに気付けないのは宜なるかなといったところでしょうか。今年もこういう莫迦莫迦しいボタンの掛け違えに気付かないまま、彼らは大衆をミスリードし続けるのでしょう。

コメント

明けましておめでとうございます。

毎日のぞいていましたが、1か月間、記事の更新がないので、ご病気でもされているのか? もしや、ブログ執筆の情熱が失せたのかな? などと勝手に想像していました。
思いこみ・取材不足・捏造記事などで堕落したマスゴミをめった斬る痛快な『石墨節』がまた読めて、とても嬉しく思います。復活、ありがとうございます。

ホント、民主党のマニフェストにもマスゴミの論理にも、矛盾が一杯ありますね。私も、人口減少や高齢化は危機でもなんでもないと思います。変化に合わせて社会の制度や構造を変えていけばいいだけですね。人口減少など危機どころか『歓迎すべき喜ばしいこと』だと思っています。人口が減れば廃棄物も減るし資源の消費も減るし環境にあたえる圧力が軽くなります。何よりも日本列島という空間が相対的にゆったりと広くなるし…、とてもいいことです。

私の地方は農村なので、おじいちゃんもおばあちゃんも、みんな80歳ぐらいまで働いています。私が属する△△業界はそもそも定年制がなく80でも90でも健康でさえあれば、みんな仕事をしています。健康作りに留意して、みんな生涯現役でがんばって仕事をすれば、そういう社会に法整備・制度構造改革に政治が取り組めば、人口減少も高齢化も年金も、まったく問題ではありませんね。強く賛同いたします。

  • 2011/01/06(木) 19:43:02 |
  • URL |
  • 山のきのこ #yS2cUgzQ
  • [ 編集]

山のきのこさん>

ご無沙汰しておりました。そして、ご心配をおかけしてスミマセンでした。何本か書きかけの原稿がありましたので、早く帰れたときはパパッと仕上げて投稿しようかとも思ったのですが、そういう日は例外なく朝が早かったため、推敲しているうちに眠くなって進まなかったりしました。また、「これだけ間が空いてしまったのだから焦ることもないか」といった感じでサボり続けてしまいました。何らかのカタチでしばらく更新が滞る旨を告知しておけば良かったかも知れませんが、初めはそのつもりもなかったので、ついつい放置してしまいました。

ところで、以前にも触れたことがありますが、医療の進歩は確実に高齢者を増やします。人間の寿命そのものを大きく延ばすことは難しいかも知れませんが、医療が進歩すれば病気や事故による致命傷などで天寿を全うできなかった人の数は確実に減っていくでしょう。人口の減少を食い止めることができても、死亡率が下がるほどその分だけ高齢者化が進んでいくことになります。

平成20年に70歳未満で死亡した日本人は約26万人でした。死亡者全体の数から見れば23%ほどですが、医療の進歩で寿命まで生きられるようになる人が何割か増えれば、相応の割合で高齢者の数も増えていくことになるわけですね。医療の進歩をやめさせない限り、高齢化を抑える対策として出生率を上げるという考え方は人口の増加傾向を維持し続けるということに繋がるでしょう。当然、いつかは限界を迎え、破綻することになると思います。

そもそも、日本は人口1人当たりのCO2排出量が中国のほぼ2倍ですから、いまの段階で日本人が1人増えるということは中国人が2人増えるのと同じだけCO2の排出量が増えることになります(年々その差は縮まっていますが)。CO2排出量が多い(=化石燃料の消費量が多い)先進国の人口増加は、それが少ない途上国の人口増加に比べて何倍も資源の消費量を増やします。

私はCO2温暖化説に否定的な立場ゆえCO2の排出が環境負荷になっているとは考えませんが、資源をより多く消費する国の人口が増加するということは、相応に将来的な限界点を近づけることになるでしょう。メディアがそのことに触れないのは印象操作のためか、救いようのない蒙昧なのか、その両方か、いずれかになるのでしょう。

エネルギー問題に関しては耳にタコができるほど「持続可能」というキーワードを繰り返すメディアですが、出生率の向上による高齢化の抑制が「持続可能」かという点については何も考えていません。これは愚かというほかありませんね。

  • 2011/01/17(月) 00:48:58 |
  • URL |
  • 石墨 #PxDbU/1w
  • [ 編集]

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