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日本 あんな調達こんな調達 (第3回)

警察庁 指掌紋自動押なつ装置



入札公告

次のとおり一般競争入札に付します。
平成20年3月10日

支出負担行為担当官
警察庁長官官房会計課理事官藤本史

◎調達機関番号009 ◎所在地番号13
〇第313 号
1 調達内容
(1) 品目分類番号25
(2) 購入等件名及び数量
  指掌紋自動押なつ装置140台

(以下略)


旧来の指紋照合は被疑者の指紋を紙とインクで採取し、その原紙を警察庁の指紋センターへ郵送、そこで原紙をスキャニングして自動指紋識別システムで照合するといった段取りで、照合結果を得るまで3~4週間もかかっていたそうです。

これに替わるシステムとして、平成9年から全国の警察本部と警察署へ「指掌紋自動押なつ装置」の導入が始まっていたそうです。警察署は全国に1270ほどあるそうですから、全てを網羅するのはかなりのコストと手間がかかりそうです。

デジタル指紋照合システムともいうべきこれは、各警察署に配備された「指掌紋自動押なつ装置」で被疑者の指紋を光学的にスキャニングし、そのデジタルデータは警視庁および各道府県警本部を経由し、衛星回線で警察庁の指紋センターへ送られ、指紋照合にかかる時間を大幅に短縮するそうです。

過去の実績を見ますと、NEC製や日本ユニシス製などが納入されているようです。具体的な例としましては、2005年にNECが190台を約5億6000万円で落札していたり、2007年には一度不落(注)になって日本ユニシスのグループ会社であるユニアデックスが約4億円で148台を随意契約していますから、1台当たり270~300万円くらいといったところでしょうか。

(注):不落というのは入札金額が予定価格に達しなかったなどの理由で、入札不成立となったことをいいます。この場合、最低金額を入札した業者と交渉の上、随意契約となる場合が多いので、2007年の日本ユニシスもこのパターンではないかと思われます。ただ、近年は随意契約が癒着の温床になっていると見なされる風潮にあります。そのため、随意契約へは移行せず、調達数量や予定価格を見直した上で仕切り直しになるケースが増える傾向にあるようです。

unisys_livescanner.jpg
日本ユニシスの指掌紋自動押なつ装置「ライブスキャナ」

また、警察庁の公示資料を見ますと、この改修ソフトやシステム構成用品を随意契約している実績がありました。例えば、ユニアデックスが2006年に69台分の改修ソフトを納入していますが、その契約価格は22,588,461円となっています。つまり、1台当たり327,369円という金額になるわけですね。

こうしたシステムに付随するものは「排他的権利の保護」という名目で競争入札が行われないのが普通ですから、どこまで妥当な価格なのかよく解りません。もっとも、こうしたオーダーメイドのシステムを民生品の感覚で高いか安いか判断するというのも正しくないのでしょうけど。

このシステムを日本全国へ展開すると単純計算で350~400億円くらいかかるでしょうか。国民一人頭で割れば数百円の負担ですから、このシステムを展開することで犯罪検挙率が上がってくれれば悪くない買い物ということになるでしょう。逆に、警察の仕事を楽にする効果しかなかったというのでは納得いかないところですが、果たして実態はどうなっているのでしょうか?

もっとも、犯罪検挙率という統計数字は「認知件数に対する検挙件数の割合」ですから、どこまで意味があるのかという問題もありますね。交通事故死者も事故から24時間以内に亡くなった人しかカウントされないとか、警察庁が公表している数字にも色々トリックめいたものがあります。ま、この辺をつつき始めたらキリがありませから、今日のところはこれくらいにしておきます。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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まとめ

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