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BD-1インチアップ計画 (その1)

自動車の場合、インチアップというとタイヤの外周サイズを変えずに扁平率の低いタイヤを用いてホイールサイズだけ変える、実質的にはドレスアップの一種になる場合が殆どだと思います。

本来はレース指向のモディファイとしてブレーキローターのサイズを拡大するために行われるのが目的だったはずです。が、いまや自動車メーカーもタイヤメーカーも「走り重視の方にはインチアップがオススメ」みたいな触れ込みで、あまり中身のない文化が築き上げられてしまいました。

自動車でタイヤの外周長を変えてしまうと色々やっかいなことになります。計器類の修正も必要になりますし、ホイールハウスやフェンダーとのクリアランスなどからサスペンションのストロークも考慮しなければなりません。そこまでやる人はかなりマニアックな人たちか、あるいはタイヤが車体と擦れても速度や距離が狂っても気にしない無頓着な人たちになるのだと思います。

でも、自転車の場合はタイヤの外周長を変えてしまうサイズアップなど決してマニアックではありません。実際、MTBにロード用のリムで組んだホイールを履かせるなどよくあることです(私もそうしたホイールを1セット手組みしたことがあります)。

それ以前に、例えば700×23Cのタイヤを700×25Cに替えるだけで、周長は9mm程度変わります。状況に応じてサイズの違うタイヤを使い分ける人も少なくないでしょう。そのせいか、最近のサイクルコンピュータはタイヤの外周長を複数プリセットでき、簡単に切り替えられるものが当たり前になってきました。

小径車の場合もドレスアップや走行性能の向上を狙ってホイールサイズを変えてしまうカスタムは珍しい話ではありません。専門誌などでもそうした実例を紹介する記事は頻繁に見かけます。

BD-1もデフォルトの18インチから20インチへサイズアップしている人はかなりの数に上るでしょう。そのやり方もBD-1乗りの間ではよく知られているはずです。私も2006年にモノコックフレームのBD-1を買う前から、20インチ化してやろうと決めていたのは以前にもお話したとおりです。

BD-1の場合、フロントフォークやリヤスイングアームとのクリアランスはもちろん、折りたたみの過程では後輪がBBをかすめるように回り込みますので、それとのクリアランスも問題になります。ですから、20インチタイヤでも細くボリュームが小さい20×1・1/8インチ(28-406)を用いるのが一般的かと思います。

こうしたタイヤサイズの選択までは特に問題ないでしょう。何しろ、選択肢が非常に限られていますから、あまり悩みようがないと思います。ですから、このモディファイで一番のポイントになるのは以前にも軽く触れたとおり、ブレーキシューの位置をどう合わせるかということになってきますね。

BD-1はVブレーキですが、一般的なVブレーキはシューの高さをアジャストできる範囲が20mm程度といったところでしょう。デフォルトの18インチから20インチへ変更すると、リムの位置は車軸中心からおおよそ1インチ遠ざかりますから、20mm程度のアジャスト幅では対応不可能な訳ですね。

かつてはフレームを改造して、Vブレーキを取り付ける台座の位置を上げてしまうという大掛かりな手法も用いられていたようですが、今日のスタンダードはポールのMOTO BMXというブレーキを用いる方法でしょう。

paul_motobmx.jpg
PAUL MOTO BMX

ご覧のように単純な円柱状のアームにブレーキシューの取り付け部分をクランプする構造ですから、アジャスト幅がもの凄く大きいんですね。ただ、これがCNC切削による高級品ゆえ(輸入代理店のマージンも少なくないようですが)、前後一式33,600円というXTRの2倍近くにもなるプライスですから、それなりの決断力が求められます。

また、このブレーキを使う方法には欠点があります。支点となるピボットと作用点となるシューの距離がかなり遠くなりますから、当然「てこ比」が小さくなります。同じ力でブレーキレバーを引いた場合、てこ比が小さくなった分だけ制動性能が落ちるという問題ですね。これは物理的にどうしようもないので諦めるしかないでしょう。より高性能なシューに替えるなど小手先の対処法に頼るのがせいぜいといったところでしょうか。

一方、18インチに戻したいと思えば、シューの位置を移動させるだけで簡単に対応できるというメリットもあります。シチュエーションに応じて20インチと18インチを使い分けたいという向きには非常に便利な方法といえるでしょう。ま、私の場合はそういう使い方はしないと思いますけど。

もう少しコストを抑えたいという場合は、リヤのみマヴィックのキャリパーアジャスターやグランジの700Cトランスファーなど、Vブレーキの取付け位置をかさ上げするアイテムを使うという手もあります。

700ctransfer.jpg
grunge 700C transfer

元々はMTBにロード用のリムで組んだ700Cホイールを履かせるための便利グッズですが、これによって普通のVブレーキでもシューの高さを合わせることが可能になるそうです。ブレーキブースターみたいな馬蹄形をしているため、BD-1の場合はフロントのスプリング周りと干渉してしまいますし、ブレーキワイヤーも干渉してしまうでしょう。なので、これが使えるのはリヤのみということになってしまうわけですね。

前後のブレーキが違うものになっても気にしないという向きには、とりあえず高価なポールのブレーキがフロントのみ1セットで済むわけですから、安く上げるために有効なアイテムといえるでしょう。

もう一つ、フロントセクションをごっそりルイガノのジェダイに交換してしまう方法もあります。ジェダイはフロントセクションの構造も見てくれもBD-1とほぼ同じで、大きく異なるのは寸法くらいです。それでデフォルトが20インチですから、これを丸ごと移植してしまえばフロントに関しては難なく20インチ化が可能なんですね。もっとも、コスト的にはポールのブレーキを用いる方法よりさらに高くつくでしょうけど。

louisgarneau_jedi.jpg
LOUIS GARNEAU JEDI

当初はジェダイのフロントセクションを移植、リヤはブレーキ位置のかさ上げアイテムを使うパターンを考えていました。そうすればVブレーキはシマノのXTRなど、リンク構造でシューが片減りしないものがチョイスできますし。

ですが、ジェダイのフロントセクションはBD-1のそれより大きい分だけ見た目のバランスが変わってしまいます。個人的にはオリジナルのほうがスマートで良いように思います。また、ブレーキ位置のかさ上げアイテムを使うとブレーキの剛性感がかなり低下するというインプレも複数見かけました。コスト面も大きいのですが、これらのネガティブな要素を考えあわせると、やはり迷いが生じました。

一番のネックであるブレーキをどうするか? まず最初の悩みどころで引っ掛かり、何だかんだ1年半くらい棚上げ状態が続きました。その間にも普段使い用のクロスバイクを組んだり、ロード用のホイールを買ったり、MTBのパーツも色々換えたり、他の自転車と戯れているうちに時間が過ぎてしまった感じです。

こうした膠着状態から事態が一気に動いたのは昨年の11月でした。


(つづく)

テーマ:自転車 - ジャンル:趣味・実用

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