酒と蘊蓄の日々

The Days of Wine and Knowledges

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閏年

私が勤める会社は今日が仕事始めでした。

デスクに就いてシステム手帳を広げると、そこには去年のカレンダー&ダイアリーが・・・。blogの執筆にかまけてシステム手帳のリフィル差し替えをすっかり忘れていました。

「そういえば、今年はオリンピックイヤーだね。」

昼食をとっているときに誰かがそういう話題を持ち出してきたのですが、別の一人が聞き捨てならないセリフを吐きました。

「そうか、そういえば今年は閏年だしな。」

冬季オリンピックの年は閏年じゃないとか、そういうところを突っ込みたくなったわけではありません。オリンピックイヤー=閏年という思い込みで言っているのが明らかでしたから、そこを突っ込みたくなったんですね。

では、突然ですがここで問題です。閏年は何年に1回でしょうか?

「そんなもん、4年に1回に決まってるだろ」と思ったそこのアナタ、残念ながら世の中そんなに単純ではないのです。

では、正解は? それを説明するために以下しばらくは少々込み入った話しが続きます。「ややこしいことは苦手だから正解だけ教えろ」という方は最後の一文までスルーして下さい。


私たちが日常使用している暦を日本では俗に「西暦」と呼んでいますが、正しくは「グレゴリオ暦」といいます。これは1582年にローマ教皇グレゴリウス13世によって制定されたもので、それまで使用されてきたユリウス暦で生じる誤差を修正するように設計されているんですね。

Gregory_XIII.jpg
Gregorius XIII

グレゴリオ暦において、平年は365日となっています。が、グレゴリオ暦の回帰年(注)は365.24250日となっています。

(注) 回帰年とは、太陽が黄道上の春分点を出て再び春分点に戻ってくるまでの平均周期で、太陽年とも呼ばれます。例えば、2000年の場合は約365.24219日でした。なお、グレゴリオ暦では上述の通り回帰年を365.24250日として設計されていますが、それは当時の天文観測技術が現在のレベルと差があったためです。とはいえ、現在の回帰年との差はわずか0.00031日=約26.8秒程度でしかありませんが。


したがって、毎年0.24250日=5時間49分12秒の誤差が生じてしまいますので、これを相殺するために、4年に1回、1年を366日とする「閏年」が用いられます。つまり、グレゴリオ暦では4で割り切れる年は閏年とすることが規定されているわけですね。ま、ここまでは皆さんもよくご存知のことでしょう。

さて、ここからがポイントになってきます。4年に1回の閏年では依然として誤差が残ってしまいます。毎年の誤差0.24250日×4年=0.97日となりますから、4年で約0.03日=43分12秒不足してしまうことになるわけです。

そこで、この誤差を解消するため、グレゴリオ暦では100で割り切れる年は閏年としないことが規定されています。例えば、1900、2100、2200年は閏年ではありません。1900年は近代オリンピック第2回大会(パリ・オリンピック)の年でしたし、このままオリンピックが消滅しなければ2100年も2200年もオリンピックイヤーになりますが、閏年ではないんですね。私が彼に突っ込みたかったのはここなんです。

しかし、これでもやはり誤差が残ります。4年に1回の閏年を100年に1回閏年でない年にすると、0.03日×(100年÷4年+1年)=0.78日となり、100年で約0.22日=5時間16分48秒不足してしまいます。そこでグレゴリオ暦ではこの誤差を解消するため、400で割り切れる年は閏年とすることが規定されています。例えば、1600、2000、2400年は閏年です。

もっとも、これでも誤差はなくなりませんし、そもそもグレゴリオ暦が定義している回帰年にも上述の通りの誤差がありますので、どこまで追い込んでも誤差ゼロにはなりません。しかし、400年スパンで補正を入れれば1日ずれるのにかかる年数は数千年に及びますから、実用上は問題ないということなんですね。

わけが解らなくなってきましたか? しかし、高度な文明に支えられ、充実した教育を受けているはずの私たち現代人にとっても、誤差を補正するための定義がわかりにくいこの暦は、先にも述べたとおり1582年、ローマ教皇によって制定されたのです。

余談になりますが、当時は「地動説」を公的に支持していたのはガリレオ・ガリレイくらいで、一般的には全否定され、「天動説」が定説となっていた時代でした。ガリレイに地動説を捨てる宣言を強要したのは他でもないローマ教皇庁であり、それは1633年のことだったんですね。そんな時代につくられた暦が現代でも通用しているというわけです。


さて、ポイントだけ簡単にまとめてみましょうか。私たちが現在使っている暦は通常4年に1回閏年になる年が400年に3回だけ閏年になりません。つまり、閏年は400年に97回となるわけですね。

ということで、閏年は何年に1回かという問いに対する正解は、400/97年(約4.1237年)に1回ということになります。

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