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日本あんな調達こんな調達 (番外編)

タマちゃんブーム便乗事業


「あんなブームがあったことなど忘れていたよ」と仰る方も多いでしょう。いえ、かくいう私も忘れかけていましたし。何故いまさらこんなネタを持ち出したのかといいますと、詳しくは書けませんが、国土交通省の外郭団体の関係者からこれにかかる話を聞いたからです。

話のとっかかりは毎週日曜日、朝7:30からTBSでオンエアされている『がっちりマンデー!!』という番組でした。昨年の10月7日の放送内容は「PR戦略」と題され、PR会社という業種が取り上げられていたんですね。私もたまたまこの回の放送は見ていました。

例えば、テレビのCM枠とか、新聞の広告欄を埋める仕事をするのは広告代理店ですが、新製品の発売などでプレスリリースを流したり、記者発表会を仕切ったり、といった感じでニュースとしてメディアに取り上げてもらうようなPR活動を支援するのがPR会社なんだそうです。

番組ではPR会社の老舗的存在のプラップジャパンを大々的に取材していましたが、「PR成功例CASE4 タマちゃん騒動」で、2002年に多摩川に現れたアゴヒゲアザラシの「タマちゃん」にも彼らが関わっていたことを紹介していました。

タマちゃんを媒介、あるいはきっかけとすることによって川に足を運んでいただく機会が増えたり、「国土交通省は川でこんな事をやっているんだ」という事を知っていただくきっかけ作りが出来たと思っています。全体的に国土交通省のイメージアップに繋がったのではないでしょうか。


とプラップジャパンの担当者が語り、クライアントは国土交通省の京浜河川事務所であったことが明かされていました。

ネットを眺めていると、この番組を見て「タマちゃんブームを仕掛けたのはPR会社と国土交通省だった」「びっくりした」みたいな感じでblogや掲示板などに書いている人がたくさんいました。確かに、讃岐うどんやキシリトールなどを認知させたのもPR会社の仕込みだった的な番組の流れでしたから、正直なところ私もそんなイメージで受け取っていました。

が、プラップジャパンの代表取締役が川崎市自治推進委員会の資料として製作したと思われる『あなたは「PR」を知っていますか? PRの手法とその発想法』(←リンク先はPDFです)というものを見つけ、よく読んでみると何となく真相が見えてきました。

タマちゃんのくだりは22頁以降の「ケース2 アゴヒゲアザラシ「タマちゃん」PRプロジェクト 国土交通省京浜河川事務所」にありますが、ブームのはじまりは以下のように書かれています。

「タマちゃん」ブームのはじまり

●8月7日多摩川を訪れた人が川でアザラシを発見
ビデオをフジテレビに投稿したところ同日夜にニュースで紹介。
翌日のワイドショーでも紹介された。

 ↓

●これを見た当社社員
「もしこのままアザラシがいるのならPRに使えるのでは?」
住民の方に川に親しんでいただく「親水事業」や事業内容のPRが主な業務。


プラップジャパンがタマちゃんの存在を知ったのは既にメディアが取り上げていたからで、彼らがメディアに仕掛けたわけではないことがプラップジャパンの製作した資料に明記されていました。ということは、彼らがタマちゃんをブームを作ったというより、単に便乗したというべきでしょう。

『がっちりマンデー!!』のサイトもよく読んでみますと、タマちゃんブームにPR会社が「絡んでいた」とは書かれていますが、「仕掛けた」とはどこにも書かれていませんでした。

プラップジャパンが京浜河川事務所のサイトにタマちゃんのコーナーを作って、最高時にはYahoo!の検索ランキングで2位になり、1日12万アクセスを記録したというのは大変なPR効果だったと思います。京浜河川事務所は多摩川に定点カメラを持っていますから、これを利用してweb上で「実況中継」されたというのもブームを盛り上げる効果はあったと思います。が、タマちゃんブームの仕掛け人が京浜河川事務所とプラップジャパンだったというのは事実誤認でしょう。

tama-chan.jpg
多摩川のタマちゃん

で、国土交通省の外郭団体の関係者である某氏は京浜河川事務所の事情にもかなり明るい人物です。その人が先日、ポロッとこんなことを漏らしていました。

「あれって、実はメチャメチャ金かかってるんですよね。一千数百万くらい? そんなところですよ。」

2002年のケースはたまたま利用できる素材としてタマちゃんブームがあったからで、京浜河川事務所は従前から同様の広報活動を行っていたんですね。毎年ではなさそうですが、「多摩川広報催事運営業務」という件名で、プラップジャパンとこれまでにも何度か随意契約しているようなんです。タマちゃんの一件以外は世間一般に全く知られていない活動ですから、どこまで「広報」なのかは謎ですが。

さすがに6年前となると京浜河川事務所のサイトにある「入札・契約情報」では確認できませんでした。が、色々探してみますと、「平成18年度多摩川広報催事運営業務」の随意契約結果書(←リンク先はPDFです)を発見しました。消費税等を含む契約金額は1449万円ということで、某氏の言っていた金額と比べてもかなり近いですね。6年前の契約もこんな感じだったと思います。

改めて言うまでもありませんが、このお金は私たちが納めている税金です。さすがに2002年の広報催事運営業務も、その全てがタマちゃんに注がれていたなどということはないでしょう。が、それでもかなりの額が割かれていたように思います。

前述の『あなたは「PR」を知っていますか? PRの手法とその発想法』を見ますと、

●フジテレビ「とくダネ!」
キャスターの小倉智昭さん「国交省にしては粋なはからいだね」


などと京浜河川事務所のサイトを評するメディアのリアクションも紹介されていますが、その「粋なはからい」はそもそもフラップジャパンというPR会社があつらえたもので、そこにはそれなりの額の税金が投入されていたわけです。そうと知っていたなら、小倉さんのコメントもかなり違ったものになっていたのではないでしょうか?

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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